【完結】貴方の為の恋愛参考書

雪則

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第３章恋愛に必要な事

『安定』か『愛』か

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少しだけ話が脱線しますが､貴方は｢安定｣と｢愛｣ならばどちらを選びますか?

仕事もお金もないが愛している人｡

お金も安定した仕事も持っているお見合い相手｡

貴方がもし結婚するならどちらを選びますか?

もちろん考えは人それぞれでしょう｡

実際に自分がその場面に直面したことがないとあまり実感がわかないでしょう｡

では､どちらが幸せになれると思いますか?

安定か愛か｡

答えは｢安定｣です｡

愛はいずれ薄れていくものです｡

燃え上がれば冷めてしまいます｡

あるいは消えてしまいます｡

そして愛が消えるとなにも残らなくなります｡

一方でお金持ちの見合い相手ならばもし二人の気持ちがなくなっても残るものはあります｡

結果的に言えば､悲しいかな｢安定｣を選んだ女性のほうが幸せになれます｡

ですが､これは結果です｡

たとえば､それぞれ安定と愛を選んだ女性に二人にこう質問したとします｡

｢貴方は幸せでしたか?｣

これに幸せだと答えるのは｢愛｣を選んだ人が多いでしょう｡

人間は気持ちの上がり下がりの中で生きていきます｡

幸せなことが起きれば不幸が起こる｡

これを繰り返して人は生きていくんです｡

人間がなにを持って幸せを感じるかわかりますか?

それは過去の自分と今を比べることで､自分の状況を把握します｡

これが幸せのあとには不幸がきて､

不幸のあとには幸せがくる理由です｡

たとえば貴方は財布を落としてしまったとします｡

中にはお金は2000円くらいしか入っていませんが､大事なカードがたくさん入っていました｡

こんな時に落とした本人は思うでしょう｡

お金はいいから財布とカードだけでも返ってきてと｡

財布を落とした時点で貴方はとても不幸を感じています｡

いくら探しても見つかるはずもなく絶望していました｡

そしてトボトボと帰宅していると､目の前に見覚えのある財布が落ちていました｡

中のお金は抜き取られていましたがカード等はすべて無事でした｡

落とした本人はとても喜びました｡

これが不幸のあとの幸せです｡

では同じく財布を落とした人がいたとします｡

ですが彼は財布を落としたことに気がついていません｡

家に帰ろうと思ったら道に見覚えのある財布が落ちています｡

慌てて拾い上げると自分の財布だと気づきます｡

中を確認するとお金が抜き取られていました｡

最悪だ｡

と彼は思いました｡

結果彼は不幸なまま帰宅していきました｡

この二人はまったく同じ出来事に見舞われたにも関わらず､

帰宅した時の気持ちが全然違いますね｡

ようは過去の自分より今が幸せかどうかでこんなにも変わってしまうんです｡

人間には適用能力というものが備わっています｡

同じ状況が続くと体や精神が慣れていってしまうんです｡

ですから幸せにも人間は慣れてしまいます｡

｢安定｣とはその名の通り､適度な幸せが延々と続きます｡

これは時がたつにつれてその幸せは当たり前になってしまいます｡

人生山あり谷ありが一番幸せだと感じられるのかもしれません｡

自分の思い出を振り返った時に､辛かったことをよく覚えていませんか?

それは脳が辛い記憶を残しやすいからです｡

なぜなら今を幸せに感じたいからです｡

過去に辛い経験をした人のほうが今を幸せに生きているでしょう｡

たとえ環境や立場が悪くても､その人の捉え方次第で､自分は幸せだと思う人もいる｡

なんて自分は不幸なんだと考える人もいます｡

ドン底を知っている人間は強くなれます｡

それは辛いことに免疫があるからです｡

逆になんの苦労もしなかった人は､些細な困難でもこの世の終わりのような不幸に感じられるでしょう｡

つまり人生は波瀾万丈のほうがいいんです。

若いうちの苦労は買ってでもしろと言いますね｡

苦労は貴方の財産になります｡

たとえ本当に生活が安定していても､そこに楽しみは少ないでしょう｡

人間は見えない未来に期待します｡

先がわからないからこそ夢見ることができます｡

だから人生は楽しいと思えるんです｡

ですから人間は｢安定｣よりも｢愛｣を選んでしまうんでしょう｡

その愛の中で安定した生活を見いだせるかもしれないと｡

好奇心が人生をさまざまな色に染めていきます｡

たとえば｢愛｣とは福袋のようなものです｡

なぜ人は福袋を好んで買うのか｡

10000円の福袋を買うなら10000円分の自分好みの品を買ったほうが絶対に効率的です｡

ですが人は思うんです｡

中身が見えないがために､自分にとって10000円以上の価値のものが入っているかもしれないと｡

一見福袋はお得に思えますが､普段買わないものまで詰め込まれた効率の悪い買い方です｡

ですが人は中が良い物ばかりだと信じます｡

これは愛と同じと言えるでしょう｡

燃え上がった二人の愛情はその時の二人にすればなにものにも換えられないものです｡

安定した生活よりも､お金よりも大切なものに見えます｡

ですがその気持ちが冷めてしまえば､こんなに下らないものだったのかと後悔します｡

福袋の中を見た時と同じです｡

蓋を開けてみれば思った以上にすばらしいものではなかったと気づきます｡

ですが人はまた福袋を買います｡

なぜならそれが楽しいからです｡

次に希望と期待を持つからです｡

｢安定｣と｢愛｣｡

いったいどちらが後悔しない人生を歩めるのか｡

人生とは本当にむずかしいものです｡

貴方がもしこのような２択を迫られた時､どちらを選びますか?

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