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第1章 朝起きると幸せがあります。

2・登校

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 陽菜との話し合いの結果、結婚してることを学校では隠すため、登校時は時間を空けて、別々で登校しようという事になり、碧斗は1人でいつもの通学路を歩いていた。

「よぉ、碧斗。おはようさん!」

「びっくりした。原、おはよう」

 驚かせたつもりだろか、誠は碧斗の背中を思いっきり叩いた。結構痛いな。

「そういやこの前、あの姫がまた告白されたって聞いたぞ」

「へぇ、そうなんだ...」

 碧斗はりこのことを聞いて少しモヤッとなった。陽菜の事だからか?

「原、姫に告白したの誰?」

「珍しいな、お前もそんなこと気にするんだな。は!まさかお前も姫狙ってるのか?」 

「ちげぇーよ、で誰だよ」

 誠は碧斗をからかったが反応が薄かったので話を元に戻した。

「えっと確か、サッカー部のキャプテンだったと思うぞ。」

「そうなんだ。結果は?」

「振られたってさ、でもよ毎回振られた時は「ゴメンなさい」って言って逃げるように姫は去るらしいが、その時は「私はもう好きな人がいます!だからゴメンなさい」だったらしいぜ。」

「そ、そうなんだ...」

 碧斗は誠の話を聞いて、好きな人は自分のことか?と思った。

「なぁ碧斗、姫の好きな人って誰だろうな?もしかして俺だったりして!」

「それはないと思うな...」

「何だよ、つれないなぁ」

 そんな会話を誠としつつ、後ろからこっちに向かって走っているエプロン姿の陽菜が見えた。
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