36 / 53
35
しおりを挟む
二人で何か話している事が分かるくらいで、その内容までは聞こえてこない。
手錠を引っ張っても手首が痛むだけで、外すことはできなかった。外れたところで、出ていくのが正解なのかは分からないけれど。
(でも、ここで大声出すのも違う気がする……)
助けを呼びたいわけではないし、逃げると誤解される行動もとりたくない。
逃げるかもしれないと思われていること自体が不本意だけど、アルファとオメガの力関係を持ち出されると何も言えなくなってしまう。
番のアルファに命じられて私がおかしな行動をするかもしれないと、東条さんが疑ってしまうのも分かるのだ。
疑う、というか、ただ不安なだけなのかもしれない。
東条さんの気持ちを勝手に決めつけて他の人と番になって、不安にさせてしまう行動をしてしまったのは私だ。
せめて東条さんがこれ以上不安にならないように動きたいのに、その程度の事さえ上手に出来ていない気がする。
私が昨日伝えた東条さんを好きだという気持ちは、ちゃんと正しく伝わっているのだろうか。
ぐるぐるとそんな事を考えているうちに、いつの間にか会話が終わっていたらしい。
足音が近付いていることに気付くと同時に扉が開き、機嫌が悪いのを隠しもしない東条が顔を出した。
「由莉」
「東条さ……」
近付こうとした由莉の動きを、ガチャっと音をたてながら手錠が咎めた。
東条さんの姿を見て、一瞬手錠のことが頭から抜けていた。普通に動くつもりで思い切り引っ張ってしまい、その動きを見た東条が分かりやすく眉を寄せる。
「ごめん、すぐ外す。痛くなってない?」
「だ、大丈夫です。間違って引っ張っちゃっただけで……」
話している最中に優しく腕を取られ、意外にもあっさりと東条さんは手錠を外してくれた。
この行動をどう受け取ればいいのか分からず、じっと東条さんと視線を合わせる。
「あの、いろいろ話してたみたいですけど、この部屋だとあんまり聞こえなくて……。話終わって、もう帰った……?」
「いや、いるよ。君に会わせろって言ってる」
「へ……」
この部屋を出る前は会わせたくないって言っていたのに、何か考えが変わったんだろうか。
会わせるつもりで手錠を外してくれたと、そう思っていいのか分からない。
三人で話しても大丈夫だと思ってくれる何かがあったなら、それは良い事なんだけど。それにしては、東条さんの表情は硬いままだ。
「会わせる前にちゃんと聞いておきたい。由莉はアイツと番解消してもいい?」
「え……?」
一体、どういう話をしてきたのだろう。
だけどこんなことを聞かれるという事は、私はまだ何か試されているんだろうか。
結婚するって言ったのも好きって言ったのも、ちゃんと本気なのに。
東条さんが触ってくれるのを嫌だって思わない状態に戻れるなら、番だって解消したい。
だけどそれは、私が一生引きずるヒートを東条さんが許してくれるならという条件付きの話になってしまう。
「東条さんがダメって言わないなら、番の解消してくれるようにお願いしたいって思ってます」
「俺はさっさと解消してほしいよ。だけど一度番を失ったオメガは誰とも番えないし、その後に俺が番えるわけじゃないから苦しむのは君だけになる」
「私は別に……」
「ちゃんと由莉が考えて出した結論がそうなら俺は嬉しいけど、俺が望んでることを押し付けてるだけになるなら違うだろ」
東条さんが私のことを思って言葉を選んでくれているのは分かる。
だけど勝手に勘違いして番になると決めたのは私で、東条さんに責任はないのだ。
苦しむのは私だけって東条さんは言ったけれど、そんなの気にする必要ない。
このまま東条さんと一緒にいたいと思うなら、他の人との番関係なんてない方がいいのだ。また拒むようなことを言って、東条さんに嫌な思いをさせたくない。
「今まで以上にヒートが重くなる可能性があるから、それで迷惑かけるかもしれないのは怖いです。でも東条さんが触ってくれるの嫌だって思いたくないし、できるなら東条さん以外の人との関係切りたい」
「君のヒートで俺が迷惑だと思うことなんてないよ」
「私も、東条さんの意見を押し付けられたなんて思ってません」
ここまで言ってようやく、東条さんに伝わったのだろうか。
一度大きく息を吐いた後、薄い唇がゆっくりと言葉を紡いでいく。
「向こうが、条件飲めば番解消するって言ってる」
「へ……」
「俺と子供を作れって、君が苦しいだけの条件。できる?」
「ど、どういうこと……?」
それは本当に凪くんが出した条件なんだろうか。
言われた意味が全く分からず、どういう意図があるのか微塵も読めない。
「君が拒否する状態で何回も俺に抱かれて耐えられるなら諦めてもいいとか、どこまで本気か分からない条件出してきた」
「は……」
「大事な子が他の男に触られて平気でいられる神経なんて俺には理解できないけど、アイツはそう言ってる」
「……なん、え? なんで……」
「俺が昨日やったこと、君が何回耐えられるか試してみろって話。……そんな話、君は聞きたい?」
嫌な話し方もされると思うけど、と。心配を滲ませながら東条さんが言ってくれる。
だけど嫌な事を言われるくらい、何も問題じゃない。
「……聞きたいよ、ちゃんと」
番ったばかりなのに、番をやめたいですって伝えることになってしまう。
こんな条件を出すあたり、凪くんは私と番でいる事にこだわりはないのだろう。それでも私の都合で振り回している事に変わりはない。
苦しんで罰を受けた後でなら解除するという意味なら、その通りにするのが筋だと思う。
罵倒されても仕方ない我儘を通そうとしているのだ。
私はちゃんと凪くんに会って、謝らないといけない。
手錠を引っ張っても手首が痛むだけで、外すことはできなかった。外れたところで、出ていくのが正解なのかは分からないけれど。
(でも、ここで大声出すのも違う気がする……)
助けを呼びたいわけではないし、逃げると誤解される行動もとりたくない。
逃げるかもしれないと思われていること自体が不本意だけど、アルファとオメガの力関係を持ち出されると何も言えなくなってしまう。
番のアルファに命じられて私がおかしな行動をするかもしれないと、東条さんが疑ってしまうのも分かるのだ。
疑う、というか、ただ不安なだけなのかもしれない。
東条さんの気持ちを勝手に決めつけて他の人と番になって、不安にさせてしまう行動をしてしまったのは私だ。
せめて東条さんがこれ以上不安にならないように動きたいのに、その程度の事さえ上手に出来ていない気がする。
私が昨日伝えた東条さんを好きだという気持ちは、ちゃんと正しく伝わっているのだろうか。
ぐるぐるとそんな事を考えているうちに、いつの間にか会話が終わっていたらしい。
足音が近付いていることに気付くと同時に扉が開き、機嫌が悪いのを隠しもしない東条が顔を出した。
「由莉」
「東条さ……」
近付こうとした由莉の動きを、ガチャっと音をたてながら手錠が咎めた。
東条さんの姿を見て、一瞬手錠のことが頭から抜けていた。普通に動くつもりで思い切り引っ張ってしまい、その動きを見た東条が分かりやすく眉を寄せる。
「ごめん、すぐ外す。痛くなってない?」
「だ、大丈夫です。間違って引っ張っちゃっただけで……」
話している最中に優しく腕を取られ、意外にもあっさりと東条さんは手錠を外してくれた。
この行動をどう受け取ればいいのか分からず、じっと東条さんと視線を合わせる。
「あの、いろいろ話してたみたいですけど、この部屋だとあんまり聞こえなくて……。話終わって、もう帰った……?」
「いや、いるよ。君に会わせろって言ってる」
「へ……」
この部屋を出る前は会わせたくないって言っていたのに、何か考えが変わったんだろうか。
会わせるつもりで手錠を外してくれたと、そう思っていいのか分からない。
三人で話しても大丈夫だと思ってくれる何かがあったなら、それは良い事なんだけど。それにしては、東条さんの表情は硬いままだ。
「会わせる前にちゃんと聞いておきたい。由莉はアイツと番解消してもいい?」
「え……?」
一体、どういう話をしてきたのだろう。
だけどこんなことを聞かれるという事は、私はまだ何か試されているんだろうか。
結婚するって言ったのも好きって言ったのも、ちゃんと本気なのに。
東条さんが触ってくれるのを嫌だって思わない状態に戻れるなら、番だって解消したい。
だけどそれは、私が一生引きずるヒートを東条さんが許してくれるならという条件付きの話になってしまう。
「東条さんがダメって言わないなら、番の解消してくれるようにお願いしたいって思ってます」
「俺はさっさと解消してほしいよ。だけど一度番を失ったオメガは誰とも番えないし、その後に俺が番えるわけじゃないから苦しむのは君だけになる」
「私は別に……」
「ちゃんと由莉が考えて出した結論がそうなら俺は嬉しいけど、俺が望んでることを押し付けてるだけになるなら違うだろ」
東条さんが私のことを思って言葉を選んでくれているのは分かる。
だけど勝手に勘違いして番になると決めたのは私で、東条さんに責任はないのだ。
苦しむのは私だけって東条さんは言ったけれど、そんなの気にする必要ない。
このまま東条さんと一緒にいたいと思うなら、他の人との番関係なんてない方がいいのだ。また拒むようなことを言って、東条さんに嫌な思いをさせたくない。
「今まで以上にヒートが重くなる可能性があるから、それで迷惑かけるかもしれないのは怖いです。でも東条さんが触ってくれるの嫌だって思いたくないし、できるなら東条さん以外の人との関係切りたい」
「君のヒートで俺が迷惑だと思うことなんてないよ」
「私も、東条さんの意見を押し付けられたなんて思ってません」
ここまで言ってようやく、東条さんに伝わったのだろうか。
一度大きく息を吐いた後、薄い唇がゆっくりと言葉を紡いでいく。
「向こうが、条件飲めば番解消するって言ってる」
「へ……」
「俺と子供を作れって、君が苦しいだけの条件。できる?」
「ど、どういうこと……?」
それは本当に凪くんが出した条件なんだろうか。
言われた意味が全く分からず、どういう意図があるのか微塵も読めない。
「君が拒否する状態で何回も俺に抱かれて耐えられるなら諦めてもいいとか、どこまで本気か分からない条件出してきた」
「は……」
「大事な子が他の男に触られて平気でいられる神経なんて俺には理解できないけど、アイツはそう言ってる」
「……なん、え? なんで……」
「俺が昨日やったこと、君が何回耐えられるか試してみろって話。……そんな話、君は聞きたい?」
嫌な話し方もされると思うけど、と。心配を滲ませながら東条さんが言ってくれる。
だけど嫌な事を言われるくらい、何も問題じゃない。
「……聞きたいよ、ちゃんと」
番ったばかりなのに、番をやめたいですって伝えることになってしまう。
こんな条件を出すあたり、凪くんは私と番でいる事にこだわりはないのだろう。それでも私の都合で振り回している事に変わりはない。
苦しんで罰を受けた後でなら解除するという意味なら、その通りにするのが筋だと思う。
罵倒されても仕方ない我儘を通そうとしているのだ。
私はちゃんと凪くんに会って、謝らないといけない。
2
お気に入りに追加
546
あなたにおすすめの小説
一夜の過ちで懐妊したら、溺愛が始まりました。
青花美来
恋愛
あの日、バーで出会ったのは勤務先の会社の副社長だった。
その肩書きに恐れをなして逃げた朝。
もう関わらない。そう決めたのに。
それから一ヶ月後。
「鮎原さん、ですよね?」
「……鮎原さん。お腹の赤ちゃん、産んでくれませんか」
「僕と、結婚してくれませんか」
あの一夜から、溺愛が始まりました。
憧れのあなたとの再会は私の運命を変えました~ハッピーウェディングは御曹司との偽装恋愛から始まる~
けいこ
恋愛
15歳のまだ子どもだった私を励まし続けてくれた家庭教師の「千隼先生」。
私は密かに先生に「憧れ」ていた。
でもこれは、恋心じゃなくただの「憧れ」。
そう思って生きてきたのに、10年の月日が過ぎ去って25歳になった私は、再び「千隼先生」に出会ってしまった。
久しぶりに会った先生は、男性なのにとんでもなく美しい顔立ちで、ありえない程の大人の魅力と色気をまとってた。
まるで人気モデルのような文句のつけようもないスタイルで、その姿は周りを魅了して止まない。
しかも、高級ホテルなどを世界展開する日本有数の大企業「晴月グループ」の御曹司だったなんて…
ウエディングプランナーとして働く私と、一緒に仕事をしている仲間達との関係、そして、家族の絆…
様々な人間関係の中で進んでいく新しい展開は、毎日何が起こってるのかわからないくらい目まぐるしくて。
『僕達の再会は…本当の奇跡だ。里桜ちゃんとの出会いを僕は大切にしたいと思ってる』
「憧れ」のままの存在だったはずの先生との再会。
気づけば「千隼先生」に偽装恋愛の相手を頼まれて…
ねえ、この出会いに何か意味はあるの?
本当に…「奇跡」なの?
それとも…
晴月グループ
LUNA BLUホテル東京ベイ 経営企画部長
晴月 千隼(はづき ちはや) 30歳
×
LUNA BLUホテル東京ベイ
ウエディングプランナー
優木 里桜(ゆうき りお) 25歳
うららかな春の到来と共に、今、2人の止まった時間がキラキラと鮮やかに動き出す。
【完結】もう二度と離さない~元カレ御曹司は再会した彼女を溺愛したい
魚谷
恋愛
フリーライターをしている島原由季(しまばらゆき)は取材先の企業で、司馬彰(しばあきら)と再会を果たす。彰とは高校三年の時に付き合い、とある理由で別れていた。
久しぶりの再会に由季は胸の高鳴りを、そして彰は執着を見せ、二人は別れていた時間を取り戻すように少しずつ心と体を通わせていく…。
R18シーンには※をつけます
作家になろうでも連載しております
もつれた心、ほどいてあげる~カリスマ美容師御曹司の甘美な溺愛レッスン~
泉南佳那
恋愛
イケメンカリスマ美容師と内気で地味な書店員との、甘々溺愛ストーリーです!
どうぞお楽しみいただけますように。
〈あらすじ〉
加藤優紀は、現在、25歳の書店員。
東京の中心部ながら、昭和味たっぷりの裏町に位置する「高木書店」という名の本屋を、祖母とふたりで切り盛りしている。
彼女が高木書店で働きはじめたのは、3年ほど前から。
短大卒業後、不動産会社で営業事務をしていたが、同期の、親会社の重役令嬢からいじめに近い嫌がらせを受け、逃げるように会社を辞めた過去があった。
そのことは優紀の心に小さいながらも深い傷をつけた。
人付き合いを恐れるようになった優紀は、それ以来、つぶれかけの本屋で人の目につかない質素な生活に安んじていた。
一方、高木書店の目と鼻の先に、優紀の兄の幼なじみで、大企業の社長令息にしてカリスマ美容師の香坂玲伊が〈リインカネーション〉という総合ビューティーサロンを経営していた。
玲伊は優紀より4歳年上の29歳。
優紀も、兄とともに玲伊と一緒に遊んだ幼なじみであった。
店が近いこともあり、玲伊はしょっちゅう、優紀の本屋に顔を出していた。
子供のころから、かっこよくて優しかった玲伊は、優紀の初恋の人。
その気持ちは今もまったく変わっていなかったが、しがない書店員の自分が、カリスマ美容師にして御曹司の彼に釣り合うはずがないと、その恋心に蓋をしていた。
そんなある日、優紀は玲伊に「自分の店に来て」言われる。
優紀が〈リインカネーション〉を訪れると、人気のファッション誌『KALEN』の編集者が待っていた。
そして「シンデレラ・プロジェクト」のモデルをしてほしいと依頼される。
「シンデレラ・プロジェクト」とは、玲伊の店の1周年記念の企画で、〈リインカネーション〉のすべての施設を使い、2~3カ月でモデルの女性を美しく変身させ、それを雑誌の連載記事として掲載するというもの。
優紀は固辞したが、玲伊の熱心な誘いに負け、最終的に引き受けることとなる。
はじめての経験に戸惑いながらも、超一流の施術に心が満たされていく優紀。
そして、玲伊への恋心はいっそう募ってゆく。
玲伊はとても優しいが、それは親友の妹だから。
そんな切ない気持ちを抱えていた。
プロジェクトがはじまり、ひと月が過ぎた。
書店の仕事と〈リインカネーション〉の施術という二重生活に慣れてきた矢先、大問題が発生する。
突然、編集部に上層部から横やりが入り、優紀は「シンデレラ・プロジェクト」のモデルを下ろされることになった。
残念に思いながらも、やはり夢でしかなかったのだとあきらめる優紀だったが、そんなとき、玲伊から呼び出しを受けて……
ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる
Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした
ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。
でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。
彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。
不埒な一級建築士と一夜を過ごしたら、溺愛が待っていました
入海月子
恋愛
有本瑞希
仕事に燃える設計士 27歳
×
黒瀬諒
飄々として軽い一級建築士 35歳
女たらしと嫌厭していた黒瀬と一緒に働くことになった瑞希。
彼の言動は軽いけど、腕は確かで、真摯な仕事ぶりに惹かれていく。
ある日、同僚のミスが発覚して――。
俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。
そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、
理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。
しかも理樹には婚約者がいたのである。
全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。
二人は結婚出来るのであろうか。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる