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由莉のヒートは、結局それから四日間続いた。
抑制剤と自慰だけで耐えているよりは早く終わったが、それでもまだ長い期間である。
アルファとセックスし、アルファの精液で満たしてもらえれば、もう少し早い段階でヒートは収まるはずだった。
しかし今回のヒート期間中に東条が由莉とセックスすることはなく、それどころか三日目からは、通販で届いたアダルトグッズを使用して由莉は性器を責められていた。
奥に欲しいとねだる由莉のために、早々に東条がネットでいくつか購入したらしい。
乳首にぶるぶると震えるローターが付けられ、奥に届くようにと長めのバイブを挿入されて何度も由莉は達した。
自分の指で撫でるよりもずっとずっと気持ち良かったが、行き過ぎた快楽は暴力のようでもあった。
こんなことをするくらいなら抑制剤の方がまだマシだと思ったし、実際にそう口にしたと思う。
しかしそんな訴えは、「体に悪いから我慢しろ」と言われるだけで結局なんの意味もなかった。
何度もエッチなことをして、疲れたら気絶するように眠って、起きたら体力を回復するために軽く食事を摂り、そのあと耐えられなくなったらまたエッチなことをする。
日が経つに連れて少しずつヒートの症状は収まっていったけれど、痴態を晒している恥ずかしさから由莉はまともに東条と話せなかったし、東条もすぐに自室に籠ってしまって、行為中以外、二人の間に殆ど会話はなかった。
本当に、動物みたいだと泣きたくなる。
三大欲求を満たすことしかできないなんて、そんなのまともな人間がする生活じゃない。
こんな状態を東条に見られ、付き合わせ、どんどん嫌われていっているであろう現状に、由莉はただ胸が痛くなった。
行為の最中、何回のごめんなさいを口にしたか分からない。
ヒート中に外に出るなんて危ないからできないけれど、今回のヒートが終わったら自分からハッキリ東条に伝えよう。
こんなことに付き合わせてごめんなさいと。
今後は自分でどうにかするから気にしないで欲しいと。
その後、この婚約をどうするのかは東条が決めればいい。
東条の両親に話を通す必要もあるだろうし、私のことは気にしないでと言えばもう十分だ。
番に選んでもらえなかったなと、そう考えた瞬間に、無意識のうちに涙が落ちた。
なんだか、初恋が終わってしまった気分。
ずっと付けたままの首輪がやけに重く感じて、思わず金具の部分を強く引っ掻いた。
抑制剤と自慰だけで耐えているよりは早く終わったが、それでもまだ長い期間である。
アルファとセックスし、アルファの精液で満たしてもらえれば、もう少し早い段階でヒートは収まるはずだった。
しかし今回のヒート期間中に東条が由莉とセックスすることはなく、それどころか三日目からは、通販で届いたアダルトグッズを使用して由莉は性器を責められていた。
奥に欲しいとねだる由莉のために、早々に東条がネットでいくつか購入したらしい。
乳首にぶるぶると震えるローターが付けられ、奥に届くようにと長めのバイブを挿入されて何度も由莉は達した。
自分の指で撫でるよりもずっとずっと気持ち良かったが、行き過ぎた快楽は暴力のようでもあった。
こんなことをするくらいなら抑制剤の方がまだマシだと思ったし、実際にそう口にしたと思う。
しかしそんな訴えは、「体に悪いから我慢しろ」と言われるだけで結局なんの意味もなかった。
何度もエッチなことをして、疲れたら気絶するように眠って、起きたら体力を回復するために軽く食事を摂り、そのあと耐えられなくなったらまたエッチなことをする。
日が経つに連れて少しずつヒートの症状は収まっていったけれど、痴態を晒している恥ずかしさから由莉はまともに東条と話せなかったし、東条もすぐに自室に籠ってしまって、行為中以外、二人の間に殆ど会話はなかった。
本当に、動物みたいだと泣きたくなる。
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