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予定日よりも一日早くヒートがきたのは、アルファと同じ空間で生活していたからだろうか。
理由は分からないけれど、予定日の三日前から泊まらせてもらっていて良かったと心底思う。
朝の光で目覚めたばかりなのに、少し怠くて起き上がることが億劫だ。
ベッドの中で丸まりながら、こういう時どうすればいいのだろうと一人で考える。
ヒートの症状が出始めましたと、東条に報告に行くべきなのだろうか。だけどこんなに朝早くからお誘いするのは迷惑かもしれないし、自分からお願いするのは恥ずかしい。
こんなことで東条さんを起こすのは嫌。
嫌だけど、でも、どうしよう……。
こんなところに一人でいても、熱の逃し方が分からない。
ヒートが始まったばかりで、まだ全然我慢できる範囲だ。だけど平常と全く同じ状態ではないし、体が熱くてお腹の奥が疼く。
このままどんどん酷くなるのは知っているので、普段ならこの段階で抑制剤を服用していた。
しかし今回は抑制剤を使うなと東条から言われていて、手元に薬なんてない。
「……っう」
人の家でするの、駄目なことをしている気がする。
だけど東条を起こしにいってまで何かしてもらうのは無理で、自分でどうにかするしかない。
このくらいの疼きなら、一度軽く達しておけば少しは収まる気がする。
下着の中に手を入れ、窪みに指を這わせる。
まだ何にもしていないのに微かに濡れていて、泣きそうになりながら指を上下に動かした。
「っん……は……」
出来るだけ声を殺しながら息だけ漏らし、陰核を引っ掻いて体を震わせる。
恥ずかしいけど気持ち良い。これ、もっとしたい。
早くイッて終わらせないと気付かれてしまうかもしれない。
人の家でこんなことをして、朝から欲しくなって我慢できないなんて、そんなの絶対に東条さんに知られたくない。
「ん……っひ、ぅん……」
クリ触ってるだけで気持ち良い。
薬がないから不安だけど、これしてればいつも我慢できる。そのうち終わる。
はやく、はやくして、イッちゃえば終われる。すこしは満足して昨日みたいにもどれる。
「……っあ、は……ひぅ、っあ……」
「なあ、一人で何してるの?」
「は……」
指を動かすのに夢中で、ドアを開けて入ってきた人がいるなんて気付かなかった。
布団を被っていて体は隠れているけど、何をしているかなんて絶対にバレている。
「と、東条さ……」
「一人でしてるの? なんで?」
びくりと、小さく肩が震える。
見られてしまった。一人でしてベッドを汚しているところを知られてしまった。
東条さんがすごい冷めた目で私を見てる。
絶対に怒らせた。気持ち悪いって思われた。
言い訳思い浮かばない。
どうしようどうしようどうしよう。
「ヒートきた?」
「……っ、あ」
「何かあったら報告してって言ったのに、どうしてすぐ教えにこないの?」
伸ばされた手が頬に触れる。
触れたところがビリビリして、それだけで頭の中が一瞬真っ白に染まった。
ヒート中にアルファに触れたのは初めてで、こんなの、体験したことない。
五感全部が研ぎ澄まされているみたいだ。
体温が、匂いが、全部が脳に流れ込んで、一気に体が熱を帯びる。
「……ぁ、東条さん……」
「うん?」
「……っご、ごめんなさい。したくて……もっ、こんな、嫌なのに……ごめんなさい、おねが、します。っあ、イキたい……」
恥ずかしさと申し訳なさでボロボロと涙が溢れて、言葉も涙も自分の意思で止められない。
縋り付くように東条の腕にしがみつき、助けて欲しいと小さく声を零した。
オメガの発情期を東条がどう受け取ったのかなんて由莉は知らない。
しかし、一瞬ぐっと東条が眉間に皺を寄せたのは、涙で滲んだ視界でもハッキリと分かってしまった。
理由は分からないけれど、予定日の三日前から泊まらせてもらっていて良かったと心底思う。
朝の光で目覚めたばかりなのに、少し怠くて起き上がることが億劫だ。
ベッドの中で丸まりながら、こういう時どうすればいいのだろうと一人で考える。
ヒートの症状が出始めましたと、東条に報告に行くべきなのだろうか。だけどこんなに朝早くからお誘いするのは迷惑かもしれないし、自分からお願いするのは恥ずかしい。
こんなことで東条さんを起こすのは嫌。
嫌だけど、でも、どうしよう……。
こんなところに一人でいても、熱の逃し方が分からない。
ヒートが始まったばかりで、まだ全然我慢できる範囲だ。だけど平常と全く同じ状態ではないし、体が熱くてお腹の奥が疼く。
このままどんどん酷くなるのは知っているので、普段ならこの段階で抑制剤を服用していた。
しかし今回は抑制剤を使うなと東条から言われていて、手元に薬なんてない。
「……っう」
人の家でするの、駄目なことをしている気がする。
だけど東条を起こしにいってまで何かしてもらうのは無理で、自分でどうにかするしかない。
このくらいの疼きなら、一度軽く達しておけば少しは収まる気がする。
下着の中に手を入れ、窪みに指を這わせる。
まだ何にもしていないのに微かに濡れていて、泣きそうになりながら指を上下に動かした。
「っん……は……」
出来るだけ声を殺しながら息だけ漏らし、陰核を引っ掻いて体を震わせる。
恥ずかしいけど気持ち良い。これ、もっとしたい。
早くイッて終わらせないと気付かれてしまうかもしれない。
人の家でこんなことをして、朝から欲しくなって我慢できないなんて、そんなの絶対に東条さんに知られたくない。
「ん……っひ、ぅん……」
クリ触ってるだけで気持ち良い。
薬がないから不安だけど、これしてればいつも我慢できる。そのうち終わる。
はやく、はやくして、イッちゃえば終われる。すこしは満足して昨日みたいにもどれる。
「……っあ、は……ひぅ、っあ……」
「なあ、一人で何してるの?」
「は……」
指を動かすのに夢中で、ドアを開けて入ってきた人がいるなんて気付かなかった。
布団を被っていて体は隠れているけど、何をしているかなんて絶対にバレている。
「と、東条さ……」
「一人でしてるの? なんで?」
びくりと、小さく肩が震える。
見られてしまった。一人でしてベッドを汚しているところを知られてしまった。
東条さんがすごい冷めた目で私を見てる。
絶対に怒らせた。気持ち悪いって思われた。
言い訳思い浮かばない。
どうしようどうしようどうしよう。
「ヒートきた?」
「……っ、あ」
「何かあったら報告してって言ったのに、どうしてすぐ教えにこないの?」
伸ばされた手が頬に触れる。
触れたところがビリビリして、それだけで頭の中が一瞬真っ白に染まった。
ヒート中にアルファに触れたのは初めてで、こんなの、体験したことない。
五感全部が研ぎ澄まされているみたいだ。
体温が、匂いが、全部が脳に流れ込んで、一気に体が熱を帯びる。
「……ぁ、東条さん……」
「うん?」
「……っご、ごめんなさい。したくて……もっ、こんな、嫌なのに……ごめんなさい、おねが、します。っあ、イキたい……」
恥ずかしさと申し訳なさでボロボロと涙が溢れて、言葉も涙も自分の意思で止められない。
縋り付くように東条の腕にしがみつき、助けて欲しいと小さく声を零した。
オメガの発情期を東条がどう受け取ったのかなんて由莉は知らない。
しかし、一瞬ぐっと東条が眉間に皺を寄せたのは、涙で滲んだ視界でもハッキリと分かってしまった。
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