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新卒の由莉が働くことになったのは、老舗百貨店のサービスカウンターだ。
色んな企業のインターンシップに参加し、何百枚ものエントリーシートを書き、何回も面接会場に足を運んだ。
一体いくつの企業を受けたのか、自分でも数は覚えていない。
それでも由莉がもらえた内定は一社だけで、それも由莉が希望した職種とは全く別のものだった。
ヒートで定期的に休む必要があるようですし、納期があったり一人で抱える仕事は任せ難いですね。
弊社の百貨店のサービスカウンターはいつも多めに人員を配置しています。急な休みでも対応出来るので、そこに配属して良いなら採用したいのですがどうでしょうか。
最終面接で言われた言葉に、由莉は縋る思いで頷いていた。
何社受けてもお祈りのメールばっかりで、もう精神が限界だったのだ。
オメガの自分が雇ってもらえるならそれだけで十分だと、そんな思いで入社を決めて現在に至る。
大学で勉強した事とは全然違う分野で、思い描いていた将来とは全く違う仕事。
自分がベータだったら他の道に進んでいたのかも知れないと思うけれど、結局、それも含めて運命だったのだろう。
初出勤日、緊張した面持ちで東條百貨店サービスカウンターに立つ由莉の前に現れたのは、間違いなく由莉の運命の番だった。
目立つブロンドの髪色なのに、仕立ての良いスーツを着こなしている長身の男性。
何をしている人なのかなんて分からないけど、モデルをしていると言われても納得する。そのくらい整った容姿の男の人と目が合い、分かりやすく心臓が締め付けられた。
かっこいい人を見掛けて少しドキドキするとか、そういうレベルじゃない。
警告音のような、祝福の鐘のような。初対面の相手で名前さえ知らないのに、それでも本能で分かった。
彼が私の運命なのだと、必死に音を鳴らして脳が告げている。
恐らく、向こうも同じことを感じたのだろう。初対面の相手に向けるに相応しいとは思えない戸惑った表情で、上から下までじっと見つめられて手の平に汗が滲んだ。
「……は? え、あー……あのさ、この子って最近入った子?」
男性に話し掛けられたのは由莉の隣にいた先輩で、「はい、そうなんですよ」と平常より少し高い声で頷く。
「葉月さんは知らないわよね? こちら、東条隆一(とうじょうりゅういち)さん。東條ホールディングスの社長の息子さんなんだけど、ご自身でアパレルの会社も経営しているの」
「は……?」
東條ホールディングスの、って事は、この百貨店の経営者の息子?
確かにオメガの番になれるのはアルファだけだし、もし自分にそういう存在が現れたら、きっとある程度スペックが高い人なのだろうくらいのことは思っていた。
だけど、ここまでくると流石に世界が違いすぎる。
「よく視察にいらっしゃるから葉月さんも覚えておいてね」と、隣でそう紹介してくれる先輩の声がうまく頭に入ってこない。
だってまだ、心臓も脳も初めての事に混乱していて騒がしいままだ。
ちゃんと挨拶しなさいと先輩に注意され、辛うじて頭を下げることができたのを褒めて欲しいくらいだ。
「あの、あー……うん、俺のこと分かる?」
「え……」
「……これ、分かるのって俺だけ?」
恐らく、言葉を選んでくれている。
オメガとか番とか、そういう周囲に勘繰られる言葉を使わないようにしてくれているのだろう。
その気遣いが素直に有難い。直接的なことを言われなくても、東条さんが聞きたい事くらい私にも分かる。
「…………分か、ります。私も」
返事をする声が少し震えた。
言った瞬間に東条の戸惑いの表情が少し解け、安心したように息を吐く。
「そっか、良かった。お互い分かるんだ」
「そう……みたいですね」
「ちゃんと話したいんだけどお互い仕事中だし……あー、うん。とりあえず連絡先渡しておくから、今日の仕事終わったら電話して。絶対」
名刺を一枚渡され、指先が少し触れただけで一気に体温が上がった気がした。
了承の意味を込めて由莉が頷けば、嬉しそうに瞳が細められて胸が高鳴る。
「じゃあ、また夜な」
そのままひらひらと手を振って去っていく後ろ姿を見つめ、距離が空いたおかげでようやく普通に呼吸ができるようになった。
それと同時に、一部始終を隣で見ていた先輩が、東条が去った途端に分かりやすく騒ぎ出す。
「え、えっ?! 今の何?! なんで連絡先もらったの?!」
「あ、ええっと……」
ここで「初対面ですが運命によって導かれたパートナーです」なんて言ったらとんだサイコパス女だ。
かと言って、知りませんと言うのは不自然すぎるし……一応、何か返事はしないと。
「実はその……先日財布を忘れた時に、後ろにいた東条さんがお金を貸してくれたり、とか……」
色々考えて作り出した理由を、どうやら先輩は好意的に受け取ってくれたらしい。
「凄い偶然ね」と驚きながら言ってくれたから、ちゃんと信じてくれたのだろう。
変に誤解されずに済んだ事に、とりあえず胸をなでおろす。
今日が初出勤日なのに、最初から嫌な印象を持たれたりしたら今後がつらい。
「それにしても、見ず知らずの人にお金貸すとか凄く優しいのね。外見だけじゃなくて性格まで最高じゃない」
お金を貸す云々は私の作り話だけど、外見がいいのはその通りだ。
ただの跡取りというわけではなく、自分で会社を立ち上げたりしているのだからやり手なのだろう。実際、仕事が出来そうな人だった。
そんな人が本当に、私の番になってくれるんだろうか。
不安と期待が入り混じったまま就業時間を過ごし、仕事初日なのに全然集中できなかった。
定時と同時にタイムカードを打ち、ポケットにしまっておいた名刺を取り出す。
この携帯の番号にかければいいのだろうか。そんなことを思いながら震える指で番号を打ち込み、スマートフォンを耳に当てる。
すぐに出てくれた彼に名前を告げると、「ああ、ちょうどいいや」とあっさりとした返事が返ってきた。
どうやら東条は、この数時間の間に親まで話を通してきたらしい。
行動の早さに驚きつつも、「で、とりあえず婚約するってことでいい?」と聞かれたら、拒否する理由なんて由莉にはなかった。
「あ……はい。大丈夫です……」
「そう、良かった。詳しいことは会って話したいから、とりあえず今から出れる? 店予約したから食べながら話そ」
迎えに行くから分かりやすいところにいてねと、それだけ言われて通話が切れる。
展開の早さに戸惑っている暇さえなく、数分で迎えにきてくれた東条の車に、由莉は意を決して飛び乗った。
色んな企業のインターンシップに参加し、何百枚ものエントリーシートを書き、何回も面接会場に足を運んだ。
一体いくつの企業を受けたのか、自分でも数は覚えていない。
それでも由莉がもらえた内定は一社だけで、それも由莉が希望した職種とは全く別のものだった。
ヒートで定期的に休む必要があるようですし、納期があったり一人で抱える仕事は任せ難いですね。
弊社の百貨店のサービスカウンターはいつも多めに人員を配置しています。急な休みでも対応出来るので、そこに配属して良いなら採用したいのですがどうでしょうか。
最終面接で言われた言葉に、由莉は縋る思いで頷いていた。
何社受けてもお祈りのメールばっかりで、もう精神が限界だったのだ。
オメガの自分が雇ってもらえるならそれだけで十分だと、そんな思いで入社を決めて現在に至る。
大学で勉強した事とは全然違う分野で、思い描いていた将来とは全く違う仕事。
自分がベータだったら他の道に進んでいたのかも知れないと思うけれど、結局、それも含めて運命だったのだろう。
初出勤日、緊張した面持ちで東條百貨店サービスカウンターに立つ由莉の前に現れたのは、間違いなく由莉の運命の番だった。
目立つブロンドの髪色なのに、仕立ての良いスーツを着こなしている長身の男性。
何をしている人なのかなんて分からないけど、モデルをしていると言われても納得する。そのくらい整った容姿の男の人と目が合い、分かりやすく心臓が締め付けられた。
かっこいい人を見掛けて少しドキドキするとか、そういうレベルじゃない。
警告音のような、祝福の鐘のような。初対面の相手で名前さえ知らないのに、それでも本能で分かった。
彼が私の運命なのだと、必死に音を鳴らして脳が告げている。
恐らく、向こうも同じことを感じたのだろう。初対面の相手に向けるに相応しいとは思えない戸惑った表情で、上から下までじっと見つめられて手の平に汗が滲んだ。
「……は? え、あー……あのさ、この子って最近入った子?」
男性に話し掛けられたのは由莉の隣にいた先輩で、「はい、そうなんですよ」と平常より少し高い声で頷く。
「葉月さんは知らないわよね? こちら、東条隆一(とうじょうりゅういち)さん。東條ホールディングスの社長の息子さんなんだけど、ご自身でアパレルの会社も経営しているの」
「は……?」
東條ホールディングスの、って事は、この百貨店の経営者の息子?
確かにオメガの番になれるのはアルファだけだし、もし自分にそういう存在が現れたら、きっとある程度スペックが高い人なのだろうくらいのことは思っていた。
だけど、ここまでくると流石に世界が違いすぎる。
「よく視察にいらっしゃるから葉月さんも覚えておいてね」と、隣でそう紹介してくれる先輩の声がうまく頭に入ってこない。
だってまだ、心臓も脳も初めての事に混乱していて騒がしいままだ。
ちゃんと挨拶しなさいと先輩に注意され、辛うじて頭を下げることができたのを褒めて欲しいくらいだ。
「あの、あー……うん、俺のこと分かる?」
「え……」
「……これ、分かるのって俺だけ?」
恐らく、言葉を選んでくれている。
オメガとか番とか、そういう周囲に勘繰られる言葉を使わないようにしてくれているのだろう。
その気遣いが素直に有難い。直接的なことを言われなくても、東条さんが聞きたい事くらい私にも分かる。
「…………分か、ります。私も」
返事をする声が少し震えた。
言った瞬間に東条の戸惑いの表情が少し解け、安心したように息を吐く。
「そっか、良かった。お互い分かるんだ」
「そう……みたいですね」
「ちゃんと話したいんだけどお互い仕事中だし……あー、うん。とりあえず連絡先渡しておくから、今日の仕事終わったら電話して。絶対」
名刺を一枚渡され、指先が少し触れただけで一気に体温が上がった気がした。
了承の意味を込めて由莉が頷けば、嬉しそうに瞳が細められて胸が高鳴る。
「じゃあ、また夜な」
そのままひらひらと手を振って去っていく後ろ姿を見つめ、距離が空いたおかげでようやく普通に呼吸ができるようになった。
それと同時に、一部始終を隣で見ていた先輩が、東条が去った途端に分かりやすく騒ぎ出す。
「え、えっ?! 今の何?! なんで連絡先もらったの?!」
「あ、ええっと……」
ここで「初対面ですが運命によって導かれたパートナーです」なんて言ったらとんだサイコパス女だ。
かと言って、知りませんと言うのは不自然すぎるし……一応、何か返事はしないと。
「実はその……先日財布を忘れた時に、後ろにいた東条さんがお金を貸してくれたり、とか……」
色々考えて作り出した理由を、どうやら先輩は好意的に受け取ってくれたらしい。
「凄い偶然ね」と驚きながら言ってくれたから、ちゃんと信じてくれたのだろう。
変に誤解されずに済んだ事に、とりあえず胸をなでおろす。
今日が初出勤日なのに、最初から嫌な印象を持たれたりしたら今後がつらい。
「それにしても、見ず知らずの人にお金貸すとか凄く優しいのね。外見だけじゃなくて性格まで最高じゃない」
お金を貸す云々は私の作り話だけど、外見がいいのはその通りだ。
ただの跡取りというわけではなく、自分で会社を立ち上げたりしているのだからやり手なのだろう。実際、仕事が出来そうな人だった。
そんな人が本当に、私の番になってくれるんだろうか。
不安と期待が入り混じったまま就業時間を過ごし、仕事初日なのに全然集中できなかった。
定時と同時にタイムカードを打ち、ポケットにしまっておいた名刺を取り出す。
この携帯の番号にかければいいのだろうか。そんなことを思いながら震える指で番号を打ち込み、スマートフォンを耳に当てる。
すぐに出てくれた彼に名前を告げると、「ああ、ちょうどいいや」とあっさりとした返事が返ってきた。
どうやら東条は、この数時間の間に親まで話を通してきたらしい。
行動の早さに驚きつつも、「で、とりあえず婚約するってことでいい?」と聞かれたら、拒否する理由なんて由莉にはなかった。
「あ……はい。大丈夫です……」
「そう、良かった。詳しいことは会って話したいから、とりあえず今から出れる? 店予約したから食べながら話そ」
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