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初恋の人
3-10.どうせ報われない恋なんだ
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睡眠で回復する体力は、一体どの程度なのだろう。
目覚めたばかりなのに身体が怠くて、気分が沈んだまま浮上してこない。そんな中で意識だけが少しずつはっきりしていき、昨夜の行為をまた鮮明に思い出してしまう。
(なんだか、すごく怖かった……)
結婚します。ごめんなさい。好きです。
そんな言葉を何回も言わされ、何回も中に出された。
気絶したのか眠ったのか。最後の方は特に記憶が朧げで、どう終わったのかもよく覚えていない。
今は一体何時になったのだろう。
身体が重くて、声を出そうとすると喉が痛い。ダニスが同じベッドに寝ていないことだけが、今のリーシャに唯一確認できたことだった。
(体、ベタベタしてないんだな)
何も覚えていないけれど、リーシャが眠ってしまったあとにダニス拭いてくれたのだろう。それでも腹の中に出されたものはそのまま残っていて、起きあがろうと少し力を入れるだけで何かが溢れて太腿を伝った。
「……っ」
なんともいえない不快感と、不安。
これからどうすればいいんだろうと、そんなことを考えるだけで、また胸の中に重たいものが溜まっていく。
いつもとは全然違う行為だった。少し気持ちがズレるだけで、こんなにも怖いものに変わってしまうものなんだろうか。
いっぱい触ってもらえて、好きな人の特別なんだって思えて、気持ち良くて心が満たされる――そんな、ただ幸せな行為だと思っていたのだ。
それなのに、全然違った。昨日のダニスの表情を思い出すと、また泣きそうになってしまう。
長かった行為から解放され、ようやく考える余裕ができたのに全然頭が働かない。とりあえず何をするべきなのかも分からず、ベッドの上で放心したまま時間が過ぎた。
(こんな状態で、本当に結婚なんてするの……?)
もう、なにがなんだかよく分からない。
落ち着いて昨夜のダニスの言葉を思い返してみると、子供の頃に約束した相手がリーシャではないと、話をする前から知っていたような口振りだった気もする。
もしそうだとしたら、どのタイミングでダニスは気がついたのだろう。子供の時に結婚の約束したと言っていたけれど、その時点でクリスから聞いた話とは少し食い違うのだ。
喧嘩別れした女の子がいるとか、プロポーズをして断られたはずだとかクリスは言っていた――と、そこまで思い出したところで、一つの可能性に行き着いてしまう。
「……魔法で、頭の中を見られたりした?」
子供の頃のクリスが使えた魔法なのだから、今のダニスが使えてもなにも不思議はない。
魔法使いの血筋であるリーシャと最速で親しくなるために頭の中を覗いて、そうしたら都合よく利用できそうな記憶があったから婚約の口実にしたとか、そういう可能性はないだろうか。
鞄を届けたとか折り紙の指輪のこととか、全部ダニスは知っていたのだ。約束の相手ではないのに、どうしてそこまで知っていたのかという話になってくる。
もし最初から別人だと分かって嘘を吐いていたのだとしたら、どうすればいいんだろう。
優しい声や、向けられる視線。表情、触れ方、真っ直ぐな好意の伝え方。そういった分かりやすい暖かさに触れて、リーシャもダニスに惹かれているのだと、自分の恋を自覚した。
全部演技で嘘だったとしたら、自分がダニスのどこを好きになったのか分からなくなる。
人当たりの良さとか、国のために努力を惜しまないところとか、振る舞いとか気品とか、ダニスの素敵なところはいくらでも思いつく。だけどそれだけしか知らなかったら、そこに伴った感情は尊敬や憧れだったはずだ。きっと、恋にまでは至っていない。
演技で塗り固められたものに惹かれていただけだったとしたら、それは間違った感情のように思える。本当のことなんて、何も見えていなかったかもしれないのに。
ここまで全てがリーシャの推測で、確信があるわけではない。ただいろいろと考えていると、悪い方にばかり考えが寄ってしまうし、その方が辻褄が合うのだから嫌になる。
意味のない答え合わせは自傷行為にも近い。
だけどこういうことを考えていれば、ダニスがずっと想い続けていた子に関しては考えなくても済む気がした。
ダニスが最初から知っていたのかは分からないけれど、自分はその女の子ではないのだと、その事実だけを受け入れて一度心に蓋をする。
「……うん」
しばらく考え事をしているうちに、ようやく動こうという気持ちになった。
とにかく着替えて一度寝室から出よう。そう思いベッドから足を下ろそうとしたところで、見えない何かに行手を阻まれる。
「……なに? 壁……」
おそらく魔法で張られた、透明な壁のようなもの。
触れてみるまで気が付かなかったが、ベッドから出られないようにリーシャは閉じ込められていたらしい。
誰がこんなことをしたのかなんて、そんなのは考えなくても分かった。
タイミングがいいのか悪いのか。閉じ込められていると気付いた数秒後に寝室の扉が開き、この魔法を施していったであろう人物が顔を出す。
「ああ、おはよう。起きたんだ?」
「……ダニス様」
「よかった。少し抜けるだけのつもりだったけど、念の為に張っておいて正解だったね」
ダニスが近付き手をかざすと、シャボン玉のようにパチンと弾けて壁が消える。
ベッドに乗り上げたダニスに手首を掴まれ、それだけでびくりと肩が震えてしまった。
「怖がらないでよ。今はなにもしないから」
「……ごめんなさい」
「いや、俺の方こそごめんね。もう動ける? 部屋を用意したから移動したい」
「え? あの……」
部屋ならもうすでに用意してもらったものがあるのにと、それを言う前にダニスに抱き留められ、耳元で魔法の詠唱をする声を聞いた。
光に包まれ、身体が浮いたと思った瞬間に景色が変わる。
飛ばされたのは見知らぬ部屋のベッドの上。以前リーシャが用意してもらった部屋と内装は似ているようだが、備え付けられている家具の色が少しだけ違っていた。
「あの、ここって……?」
「世話係として一人つけるから、何かあったら彼女に言って。正式に婚約を発表するまで外には出せない」
「は……」
「これ以上リーシャに余計な情報入れて欲しくないんだ。今だけでいいから我慢して。全部終わったら少しは自由にしてあげられると思うから」
ひくりと喉が鳴って、胸の前でぎゅっと手のひらを握りしめる。
外に出せないなんて、そんなの監禁と同じだ。まるで罪人のような扱いをするんだなと、冷たい瞳で見据えられながら、そんなことが頭を過った。
「……こ、婚約パーティーの日まで、ここに閉じ込められるってことですか?」
「俺と一緒の時は部屋から出てもいいよ。勝手に一人でいなくならないで欲しいだけ」
「その……ダニス様が何を思っているのか、まだよく分かっていないんです。こんなやり方をしなくても、ただ自棄になっているだけなら一度話を……」
「はっ、自棄にだってなるよ。ようやく手に入ったと思ってたのに、平気な顔で捨てられそうになってるんだから」
平気な顔で捨てるだなんて、そんなつもりは一切なかった。むしろ自分の方が捨てられる側だと思っていたのだ。
人違いなら要らないと、騙していたなんて最低だと、そう言われる覚悟で真実を伝えた。ダニスに昔から好きな女の子がいるという話は本当で、それだけ想い続けている相手との可能性を捨ててまで、政略的な結婚を望むとは思っていなかったから。
しかし、よくよく考えてみれば、王族や貴族にとっては政略結婚が普通なのだ。魔力を持つ子供を望むのであれば、魔法使いの一族から配偶者を選ぶのはおかしいことではないし、クラウディア商会との繋がりを持つことは国にとって利益になるだろう。
大事にしていた気持ちよりも、国の利益を考えなくてはいけない立場なのだ、ダニスは。その行動は立派なのかもしれないけれど、そこに至るまでの葛藤を考えると苦しくなる。
ダニスの周りの人たちが揃って心配するくらいにずっと好きだった女の子がいるのに、本当にダニスは、こんな形でその気持ちを諦めるつもりなのだろうか。
「……あの、こんな形で結婚したら、ダニス様がずっと大切にしていた気持ちは報われなくなるんじゃないですか?」
「は……なにそれ、脅し?」
「脅しなんかじゃなくて、こんな風に婚約を進めても、ダニス様が望んでいる未来はこないのにって……」
「……ああ。うん、もういい。どうせ心なんて手に入らないし、同じだけ気持ちを返して欲しいなんて夢みたいなことを思ってたわけでもないんだ。報われたいなんて思ってないから、俺が勝手に好きでいることくらい許してよ」
どこまでが本音で、どこから嘘をつかれていたのかなんて分からない。
ただ、最後に吐き出された言葉がダニスの本音なのではないかと直感で思った。
無理に笑っているような表情が苦しい。お世辞にも上手な笑顔とは言えないその顔は、なんだか泣いているようにも見えた。
目覚めたばかりなのに身体が怠くて、気分が沈んだまま浮上してこない。そんな中で意識だけが少しずつはっきりしていき、昨夜の行為をまた鮮明に思い出してしまう。
(なんだか、すごく怖かった……)
結婚します。ごめんなさい。好きです。
そんな言葉を何回も言わされ、何回も中に出された。
気絶したのか眠ったのか。最後の方は特に記憶が朧げで、どう終わったのかもよく覚えていない。
今は一体何時になったのだろう。
身体が重くて、声を出そうとすると喉が痛い。ダニスが同じベッドに寝ていないことだけが、今のリーシャに唯一確認できたことだった。
(体、ベタベタしてないんだな)
何も覚えていないけれど、リーシャが眠ってしまったあとにダニス拭いてくれたのだろう。それでも腹の中に出されたものはそのまま残っていて、起きあがろうと少し力を入れるだけで何かが溢れて太腿を伝った。
「……っ」
なんともいえない不快感と、不安。
これからどうすればいいんだろうと、そんなことを考えるだけで、また胸の中に重たいものが溜まっていく。
いつもとは全然違う行為だった。少し気持ちがズレるだけで、こんなにも怖いものに変わってしまうものなんだろうか。
いっぱい触ってもらえて、好きな人の特別なんだって思えて、気持ち良くて心が満たされる――そんな、ただ幸せな行為だと思っていたのだ。
それなのに、全然違った。昨日のダニスの表情を思い出すと、また泣きそうになってしまう。
長かった行為から解放され、ようやく考える余裕ができたのに全然頭が働かない。とりあえず何をするべきなのかも分からず、ベッドの上で放心したまま時間が過ぎた。
(こんな状態で、本当に結婚なんてするの……?)
もう、なにがなんだかよく分からない。
落ち着いて昨夜のダニスの言葉を思い返してみると、子供の頃に約束した相手がリーシャではないと、話をする前から知っていたような口振りだった気もする。
もしそうだとしたら、どのタイミングでダニスは気がついたのだろう。子供の時に結婚の約束したと言っていたけれど、その時点でクリスから聞いた話とは少し食い違うのだ。
喧嘩別れした女の子がいるとか、プロポーズをして断られたはずだとかクリスは言っていた――と、そこまで思い出したところで、一つの可能性に行き着いてしまう。
「……魔法で、頭の中を見られたりした?」
子供の頃のクリスが使えた魔法なのだから、今のダニスが使えてもなにも不思議はない。
魔法使いの血筋であるリーシャと最速で親しくなるために頭の中を覗いて、そうしたら都合よく利用できそうな記憶があったから婚約の口実にしたとか、そういう可能性はないだろうか。
鞄を届けたとか折り紙の指輪のこととか、全部ダニスは知っていたのだ。約束の相手ではないのに、どうしてそこまで知っていたのかという話になってくる。
もし最初から別人だと分かって嘘を吐いていたのだとしたら、どうすればいいんだろう。
優しい声や、向けられる視線。表情、触れ方、真っ直ぐな好意の伝え方。そういった分かりやすい暖かさに触れて、リーシャもダニスに惹かれているのだと、自分の恋を自覚した。
全部演技で嘘だったとしたら、自分がダニスのどこを好きになったのか分からなくなる。
人当たりの良さとか、国のために努力を惜しまないところとか、振る舞いとか気品とか、ダニスの素敵なところはいくらでも思いつく。だけどそれだけしか知らなかったら、そこに伴った感情は尊敬や憧れだったはずだ。きっと、恋にまでは至っていない。
演技で塗り固められたものに惹かれていただけだったとしたら、それは間違った感情のように思える。本当のことなんて、何も見えていなかったかもしれないのに。
ここまで全てがリーシャの推測で、確信があるわけではない。ただいろいろと考えていると、悪い方にばかり考えが寄ってしまうし、その方が辻褄が合うのだから嫌になる。
意味のない答え合わせは自傷行為にも近い。
だけどこういうことを考えていれば、ダニスがずっと想い続けていた子に関しては考えなくても済む気がした。
ダニスが最初から知っていたのかは分からないけれど、自分はその女の子ではないのだと、その事実だけを受け入れて一度心に蓋をする。
「……うん」
しばらく考え事をしているうちに、ようやく動こうという気持ちになった。
とにかく着替えて一度寝室から出よう。そう思いベッドから足を下ろそうとしたところで、見えない何かに行手を阻まれる。
「……なに? 壁……」
おそらく魔法で張られた、透明な壁のようなもの。
触れてみるまで気が付かなかったが、ベッドから出られないようにリーシャは閉じ込められていたらしい。
誰がこんなことをしたのかなんて、そんなのは考えなくても分かった。
タイミングがいいのか悪いのか。閉じ込められていると気付いた数秒後に寝室の扉が開き、この魔法を施していったであろう人物が顔を出す。
「ああ、おはよう。起きたんだ?」
「……ダニス様」
「よかった。少し抜けるだけのつもりだったけど、念の為に張っておいて正解だったね」
ダニスが近付き手をかざすと、シャボン玉のようにパチンと弾けて壁が消える。
ベッドに乗り上げたダニスに手首を掴まれ、それだけでびくりと肩が震えてしまった。
「怖がらないでよ。今はなにもしないから」
「……ごめんなさい」
「いや、俺の方こそごめんね。もう動ける? 部屋を用意したから移動したい」
「え? あの……」
部屋ならもうすでに用意してもらったものがあるのにと、それを言う前にダニスに抱き留められ、耳元で魔法の詠唱をする声を聞いた。
光に包まれ、身体が浮いたと思った瞬間に景色が変わる。
飛ばされたのは見知らぬ部屋のベッドの上。以前リーシャが用意してもらった部屋と内装は似ているようだが、備え付けられている家具の色が少しだけ違っていた。
「あの、ここって……?」
「世話係として一人つけるから、何かあったら彼女に言って。正式に婚約を発表するまで外には出せない」
「は……」
「これ以上リーシャに余計な情報入れて欲しくないんだ。今だけでいいから我慢して。全部終わったら少しは自由にしてあげられると思うから」
ひくりと喉が鳴って、胸の前でぎゅっと手のひらを握りしめる。
外に出せないなんて、そんなの監禁と同じだ。まるで罪人のような扱いをするんだなと、冷たい瞳で見据えられながら、そんなことが頭を過った。
「……こ、婚約パーティーの日まで、ここに閉じ込められるってことですか?」
「俺と一緒の時は部屋から出てもいいよ。勝手に一人でいなくならないで欲しいだけ」
「その……ダニス様が何を思っているのか、まだよく分かっていないんです。こんなやり方をしなくても、ただ自棄になっているだけなら一度話を……」
「はっ、自棄にだってなるよ。ようやく手に入ったと思ってたのに、平気な顔で捨てられそうになってるんだから」
平気な顔で捨てるだなんて、そんなつもりは一切なかった。むしろ自分の方が捨てられる側だと思っていたのだ。
人違いなら要らないと、騙していたなんて最低だと、そう言われる覚悟で真実を伝えた。ダニスに昔から好きな女の子がいるという話は本当で、それだけ想い続けている相手との可能性を捨ててまで、政略的な結婚を望むとは思っていなかったから。
しかし、よくよく考えてみれば、王族や貴族にとっては政略結婚が普通なのだ。魔力を持つ子供を望むのであれば、魔法使いの一族から配偶者を選ぶのはおかしいことではないし、クラウディア商会との繋がりを持つことは国にとって利益になるだろう。
大事にしていた気持ちよりも、国の利益を考えなくてはいけない立場なのだ、ダニスは。その行動は立派なのかもしれないけれど、そこに至るまでの葛藤を考えると苦しくなる。
ダニスの周りの人たちが揃って心配するくらいにずっと好きだった女の子がいるのに、本当にダニスは、こんな形でその気持ちを諦めるつもりなのだろうか。
「……あの、こんな形で結婚したら、ダニス様がずっと大切にしていた気持ちは報われなくなるんじゃないですか?」
「は……なにそれ、脅し?」
「脅しなんかじゃなくて、こんな風に婚約を進めても、ダニス様が望んでいる未来はこないのにって……」
「……ああ。うん、もういい。どうせ心なんて手に入らないし、同じだけ気持ちを返して欲しいなんて夢みたいなことを思ってたわけでもないんだ。報われたいなんて思ってないから、俺が勝手に好きでいることくらい許してよ」
どこまでが本音で、どこから嘘をつかれていたのかなんて分からない。
ただ、最後に吐き出された言葉がダニスの本音なのではないかと直感で思った。
無理に笑っているような表情が苦しい。お世辞にも上手な笑顔とは言えないその顔は、なんだか泣いているようにも見えた。
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