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結婚生活①
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***
「んぅ、あ……」
お互い服も着ないままで眠ってしまったのだと、朝になってから気がついた。
エアコンが室温を一定に保ってくれているし、布団に包まれているのだから寒くはない。それでも恭弥くんの肌が直接触れている気持ち良さは別格で、この心地良さの中にいると、一生ベッドから抜けられない気がしてしまう。
「……っきょ、恭弥くん」
「ああ、起きたの? おはよう」
「ん……あれ。もしかして、恭弥くんはずっと起きてた?」
「いや、僕も目が覚めたのは本当に少し前。起こすのもったいないし、可愛いなって思いながらずっと若菜のこと見てただけ」
指の背で頬を撫でられ、ゆっくりとした話し方でそんなことを言われる。
起き抜けからすごい破壊力で、慣れない空気にどういう反応をすればいいのか分からなくなった。
恭弥くんの腕の中で甘ったるい空気に浸りながら、昨夜交わした会話を思い出す。
どこにキスをされたとか、シている最中に何を言われたかまで思い出してしまいそうになり、邪念を祓うように首を振ってから冷静を装い声を出す。
「あの、恭弥くん」
「うん?」
「できることは頑張るから、私に何かして欲しいこととか……ある?」
「え? あー……いや、昨日ので僕は結構満足してるけど」
でも、そうだな……と続けられそうになり、なんだかとんでもないことを言われる気がして、恭弥くんの口を慌てて両手で塞ぐ。
一度知ってしまうと、意外にも恭弥くんは分かりやすい表情をするのだと分かる。今の恭弥くんは、絶対にいやらしいことを考えた時の目をしていた。
「あの、ちが……そうじゃなくて、恭弥くんのご両親の説得とか、森下との縁談断っても不仲にならないためにとか……なんか、そういうことで協力できないかなって……」
質問の仕方を変え、ふたたび恭弥くんの返事を待つ。
今度はちゃんと私の言いたいことが通じたようで、「ああ、なるほどね」と恭弥くんが言ってくれたことにほっと息を吐いた。
こんなにも明るい時間から、昨夜のような雰囲気になってしまっては困る。
「あー……はは、ごめん。頑張るって言ってくれるから、変な風に受け取るところだった。やっぱり僕、少し浮かれてるんだろうね」
「それは全然……私も浮かれてはいるんだけど……」
誤解が解けて、恭弥くんを好きでいてもいいのだと思えるようになった。
今の生活に不満はないし、何かを変えて欲しいと思っているわけでもない。
しかし、すべてを恭弥くんに任せてただ待つだけというのは、やっぱり少し違う気がする。
「あの、恭弥くんとこのマンションで過ごすの好きだし、本邸に住みたいって思ってるわけじゃないよ。でも恭弥くんのご両親にいつまでも認めてもらえないのはやっぱり嫌だなって思ってるから……」
「ああ、別に僕の両親は、若菜のことを嫌ってるわけじゃないけどね。あまりにもいい話が降って湧いてきたせいで破談にできないか画策しはじめて、だから若菜に手を出されないように距離を置いてるだけ。今回の縁談の話がなければ、普通に喜んで加賀家の嫁として若菜のこと迎え入れてたと思うよ。そうなったらまた別の負担にはなりそうだから、どちらにしろ別居はしてたと思うけど」
そう説明されて、少しだけ安心してしまった。
本当に急な縁談を持ち掛けられることがなければ、私は普通に認められていたのだろう。森下グループと強い繋がりができるのは絶対に魅力的なことで、破談にできないか画策しはじめた理由がそれだと言われたら、普通に納得してしまう。
もし結婚する前に、「婚約は無かったことにして欲しい」と恭弥くんのご両親に直接頼まれていたら、私は強い意志で断れていたのだろうか。
私が恭弥くんに好いてもらえるなんて思っていなかったし、きっと縋りつくことはできなかった。
ショックを受けつつも仕方がないと諦めて、恭弥くんの妻という席を譲ってしまっていたかもしれない。
――そう考えると、恭弥くんが私を選んでくれたのは本当にすごいことだ。
いろいろなところで私との婚約が無くならないように頑張ってくれていたのだろうと、改めて実感してしまう。
「……恭弥くんって、本当に私と結婚したいって思ってくれてたんだね」
「そうだよ。そこまでこだわるなら妾にすればいいのにとも言われたけど、若菜以外と関係持つなんて冗談じゃないと思った」
「……っ」
ここまでストレートに告白されると、どんな顔をして聞いていればいいのか分からなくなる。
嬉しいけれど慣れなくて、胸の辺りが苦しくなるこの感情を上手く言葉で表現できない。
「嬉しい」と表現するのが感覚的には一番近い気がするが、それを直接口にするのも恥ずかしかった。
「……私、ずっと一方的に恭弥くんのことを好きなんだって思ってて、恭弥くんには迷惑がられてると思ってた。だからそういう風に言ってもらえるの不思議な感じで、まだ少しだけふわふわする」
「は、全部逆だよ。過去の僕がだらしないことをしてたって知られてるし、結婚式が目前まで近付いてるのに若菜はずっと浮かない顔してるし、一方的に好きだと思ってたのは僕の方。冷静になって僕との結婚が嫌になったのかなって思って、別れを切り出されないうちに急いで全部用意したんだから」
「え……」
「僕から逃げる理由を極力失くしたくて、若菜にとって出来るだけ快適な環境にしようと思って用意した部屋だよ」
髪を梳かれながら伝えられた内容に、一度小さく息を吸った。
何もできない自分が不安で、大丈夫だろうかと心配していたこの生活も、きっと恭弥くんの中では最初から決まっていた形なのだろう。
恭弥くんの大切な場所から遠ざけられている気がして、私はそれだけが不安だった。
しかし、本邸から遠ざけられていることも、私が加賀庵にあまり出入りしていないことも、何も大きな問題ではないのだろう。私が顔を出したところで何か仕事があるわけではないし、私に求められる役割は恭弥くんの生活を支えることで変わりない。
あとは本当に、無事に縁談を断ることができたら、恭弥くんのご両親との変な確執も終わるのだろうか。
「……あの、森下からの結婚の申し込みって、恭弥くんはもう断ってくれたの?」
「断ったよ。でもまだ保留中ってことで、話が変に浮いてる状態になってる。絶対にないって言ってるのに、僕が若菜と別れるのを楽しみに待ってるみたい。まあ、そのうち諦めると思うから、時間が解決するのを待つしかない感じかな」
「う……やっぱり、そういう場には私って出て行かない方がいいのかな? 恭弥くんの妻が私だって知ったら、いろんな意味で勝てるって思われて、逆に頑なにさせてしまうかもしれないし」
何もしないのが一番いいのだろうかと、思ったことがそのまま質問として口から出した。
そんな私をじっと見つめ、しばし何かを考えるようにしていた恭弥くんが一度小さく息を吐く。ゆっくりと動かされた形のいい唇は、少し迷った末に言葉を紡いだ。
「……いろいろと調べたから、あー……その、森下の会長の弱点は知ってるんだよね」
「えっ?」
「それでもあんまり……いや、でもずっと気にさせてるのも嫌だし……」
「えっと、そんなに迷うくらい……何か法に触れるようなことしようとしてる?」
「まさか、普通の話し合いだよ。……ねぇ、こんなこと頼むの情けないんだけど、若菜に一つだけ協力をお願いしてもいい?」
「んぅ、あ……」
お互い服も着ないままで眠ってしまったのだと、朝になってから気がついた。
エアコンが室温を一定に保ってくれているし、布団に包まれているのだから寒くはない。それでも恭弥くんの肌が直接触れている気持ち良さは別格で、この心地良さの中にいると、一生ベッドから抜けられない気がしてしまう。
「……っきょ、恭弥くん」
「ああ、起きたの? おはよう」
「ん……あれ。もしかして、恭弥くんはずっと起きてた?」
「いや、僕も目が覚めたのは本当に少し前。起こすのもったいないし、可愛いなって思いながらずっと若菜のこと見てただけ」
指の背で頬を撫でられ、ゆっくりとした話し方でそんなことを言われる。
起き抜けからすごい破壊力で、慣れない空気にどういう反応をすればいいのか分からなくなった。
恭弥くんの腕の中で甘ったるい空気に浸りながら、昨夜交わした会話を思い出す。
どこにキスをされたとか、シている最中に何を言われたかまで思い出してしまいそうになり、邪念を祓うように首を振ってから冷静を装い声を出す。
「あの、恭弥くん」
「うん?」
「できることは頑張るから、私に何かして欲しいこととか……ある?」
「え? あー……いや、昨日ので僕は結構満足してるけど」
でも、そうだな……と続けられそうになり、なんだかとんでもないことを言われる気がして、恭弥くんの口を慌てて両手で塞ぐ。
一度知ってしまうと、意外にも恭弥くんは分かりやすい表情をするのだと分かる。今の恭弥くんは、絶対にいやらしいことを考えた時の目をしていた。
「あの、ちが……そうじゃなくて、恭弥くんのご両親の説得とか、森下との縁談断っても不仲にならないためにとか……なんか、そういうことで協力できないかなって……」
質問の仕方を変え、ふたたび恭弥くんの返事を待つ。
今度はちゃんと私の言いたいことが通じたようで、「ああ、なるほどね」と恭弥くんが言ってくれたことにほっと息を吐いた。
こんなにも明るい時間から、昨夜のような雰囲気になってしまっては困る。
「あー……はは、ごめん。頑張るって言ってくれるから、変な風に受け取るところだった。やっぱり僕、少し浮かれてるんだろうね」
「それは全然……私も浮かれてはいるんだけど……」
誤解が解けて、恭弥くんを好きでいてもいいのだと思えるようになった。
今の生活に不満はないし、何かを変えて欲しいと思っているわけでもない。
しかし、すべてを恭弥くんに任せてただ待つだけというのは、やっぱり少し違う気がする。
「あの、恭弥くんとこのマンションで過ごすの好きだし、本邸に住みたいって思ってるわけじゃないよ。でも恭弥くんのご両親にいつまでも認めてもらえないのはやっぱり嫌だなって思ってるから……」
「ああ、別に僕の両親は、若菜のことを嫌ってるわけじゃないけどね。あまりにもいい話が降って湧いてきたせいで破談にできないか画策しはじめて、だから若菜に手を出されないように距離を置いてるだけ。今回の縁談の話がなければ、普通に喜んで加賀家の嫁として若菜のこと迎え入れてたと思うよ。そうなったらまた別の負担にはなりそうだから、どちらにしろ別居はしてたと思うけど」
そう説明されて、少しだけ安心してしまった。
本当に急な縁談を持ち掛けられることがなければ、私は普通に認められていたのだろう。森下グループと強い繋がりができるのは絶対に魅力的なことで、破談にできないか画策しはじめた理由がそれだと言われたら、普通に納得してしまう。
もし結婚する前に、「婚約は無かったことにして欲しい」と恭弥くんのご両親に直接頼まれていたら、私は強い意志で断れていたのだろうか。
私が恭弥くんに好いてもらえるなんて思っていなかったし、きっと縋りつくことはできなかった。
ショックを受けつつも仕方がないと諦めて、恭弥くんの妻という席を譲ってしまっていたかもしれない。
――そう考えると、恭弥くんが私を選んでくれたのは本当にすごいことだ。
いろいろなところで私との婚約が無くならないように頑張ってくれていたのだろうと、改めて実感してしまう。
「……恭弥くんって、本当に私と結婚したいって思ってくれてたんだね」
「そうだよ。そこまでこだわるなら妾にすればいいのにとも言われたけど、若菜以外と関係持つなんて冗談じゃないと思った」
「……っ」
ここまでストレートに告白されると、どんな顔をして聞いていればいいのか分からなくなる。
嬉しいけれど慣れなくて、胸の辺りが苦しくなるこの感情を上手く言葉で表現できない。
「嬉しい」と表現するのが感覚的には一番近い気がするが、それを直接口にするのも恥ずかしかった。
「……私、ずっと一方的に恭弥くんのことを好きなんだって思ってて、恭弥くんには迷惑がられてると思ってた。だからそういう風に言ってもらえるの不思議な感じで、まだ少しだけふわふわする」
「は、全部逆だよ。過去の僕がだらしないことをしてたって知られてるし、結婚式が目前まで近付いてるのに若菜はずっと浮かない顔してるし、一方的に好きだと思ってたのは僕の方。冷静になって僕との結婚が嫌になったのかなって思って、別れを切り出されないうちに急いで全部用意したんだから」
「え……」
「僕から逃げる理由を極力失くしたくて、若菜にとって出来るだけ快適な環境にしようと思って用意した部屋だよ」
髪を梳かれながら伝えられた内容に、一度小さく息を吸った。
何もできない自分が不安で、大丈夫だろうかと心配していたこの生活も、きっと恭弥くんの中では最初から決まっていた形なのだろう。
恭弥くんの大切な場所から遠ざけられている気がして、私はそれだけが不安だった。
しかし、本邸から遠ざけられていることも、私が加賀庵にあまり出入りしていないことも、何も大きな問題ではないのだろう。私が顔を出したところで何か仕事があるわけではないし、私に求められる役割は恭弥くんの生活を支えることで変わりない。
あとは本当に、無事に縁談を断ることができたら、恭弥くんのご両親との変な確執も終わるのだろうか。
「……あの、森下からの結婚の申し込みって、恭弥くんはもう断ってくれたの?」
「断ったよ。でもまだ保留中ってことで、話が変に浮いてる状態になってる。絶対にないって言ってるのに、僕が若菜と別れるのを楽しみに待ってるみたい。まあ、そのうち諦めると思うから、時間が解決するのを待つしかない感じかな」
「う……やっぱり、そういう場には私って出て行かない方がいいのかな? 恭弥くんの妻が私だって知ったら、いろんな意味で勝てるって思われて、逆に頑なにさせてしまうかもしれないし」
何もしないのが一番いいのだろうかと、思ったことがそのまま質問として口から出した。
そんな私をじっと見つめ、しばし何かを考えるようにしていた恭弥くんが一度小さく息を吐く。ゆっくりと動かされた形のいい唇は、少し迷った末に言葉を紡いだ。
「……いろいろと調べたから、あー……その、森下の会長の弱点は知ってるんだよね」
「えっ?」
「それでもあんまり……いや、でもずっと気にさせてるのも嫌だし……」
「えっと、そんなに迷うくらい……何か法に触れるようなことしようとしてる?」
「まさか、普通の話し合いだよ。……ねぇ、こんなこと頼むの情けないんだけど、若菜に一つだけ協力をお願いしてもいい?」
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