鬱々日記

ユア教 教祖ユア

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18日目

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私は、直ぐに病んでしまう人だ。
別にそれを否定するつもりもないし、特に困っている訳でもない。
でも、私は今になって悩んでいる。
病みやすい…これは、私の弱みだ。
欠点だ。
それを、理解してもらうことは、果たしていいのだろうか。
私の知り合いは、皆いい人だ。
本当にやさしい人たちで、それに助けられている回数はとても多い。
だけど…だからこそ。
私が病むに値する何かを抱えていると、知られることは果たして良いのだろうか。
皆はそれでも許してくれるのか。
助けてくれるのか。
面倒だと思われないだろうか。
私の冗談だと、軽く受け流されるのだろうか。
逆に、重く受け止めてしまわないだろうか。
知ってしまったら、迷惑を必ずかけてしまう。
きっと、あの人たちは優しいから私を心配するだろう。
それが私にとって、嬉しくもあり、申し訳なくなる。
一度、複雑で直ぐには整理ができない悩みを抱えたまま、皆と居たことがある。
その時に、普通になれなかった。普段の姿に偽ることができなかった。
泣きそうになるのをこらえながら、ただ静かに、一人になるまで時が早く過ぎることを願っていた。
その時に、急に通知が鳴った。
一緒にご飯を食べていた一人からだった。
「大丈夫」かと問われた。
私は誤魔化そうとしたけど、やっぱり無理だった。はぐらかすのは下手だから止めておいた方がいい。
どうやら「いつもと様子が違う」らしいから、心配された。
正直言うと、どういう顔をすればいいか分からなかった。
あの時はどんな顔をしていたのだろう。思い出す記憶はあるのに分からない。
ただ…
心配させてしまって申し訳ないという思いと、心配してくれた感謝が同時に私を襲った。
初めてだった。
何も言ってないのに勘付かれ、心配されたことが。
だから、その優しさに困惑した。
そんなことがあったから、私は、私がいる場所は地獄ではないと思った。
心配してくれる。
助けてくれる。
私はその優しさに甘えていいのだろうか。
でもきっと、たくさんの人に助けを求めることもある意味「強さ」なんじゃないかと思うようになってきた。
私はもう弱くない。
自分に向き合っても一々へこたれはしない。
少しくらいは甘えても…………いいのかもしれない。
じゃあね。
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