もう一度恋の初心者

ユア教 教祖ユア

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16 君がもっと好き

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俺はタカハシユキ。

俺はもしかしたら…恋をしているのかもしれない。

「…よし!ビール!」

あの人、飲み過ぎじゃないか?

そう思いながら、ソフトドリンクを手に取る。

(…?)

アルコールの匂いがする。

もしかして、俺がノンアルコールを頼んでいたのに、酔いが回り過ぎてまともな注文も出来なくなったのか?

本当に帰りたい。

帰りたい。

「……飲み物。」

「急いで食べるから…」

由紀さんはムスッとした顔でyukiメから飲み物を受け取り、流し込む。

「助けろ言うから一緒に来てやってるんだから、食べずにいれられないって…」

恐らくyukiメは強制で連れてこられて、由紀さんが付き添いで行ってあげてるのか。

本当に彼女は優しいな。

それにしても由紀さんは相当食べるなぁ。

周りの人がまあまあ引いてる。

面白い人だ、全く。

30分後…

お開きの雰囲気になってきた。

由紀さんは…あれ?由紀さん…?

寝ている。

俺はすぐに由紀さんの元に飛んでいった。

「由紀さん?由紀さん…?」

「スヤァ…」

誰かアルコールの入ったやつを持ってきたのか。

「うう…視界がグルグル…」

「…由紀…大丈夫?」

とても申し訳なさそうにyukiメがのぞき込んでいる。

「ごめん…俺が確認せずに渡したから…」

何となく分かった。

別にyukiメが黒幕って訳じゃないなら責めはしない。

「俺が連れて帰るよ。」

俺は由紀さんを抱き抱えた。

「うう…グワングワンする…」

ラインを開きたかはしゆきさんに連絡をいれる。

直ぐに快諾してくれた。

彼女も由紀さんを心配してたのだろう。

「知り合いなの?」

先輩が俺に話しかけてきた。

「俺の………彼女です。じゃあ、先に帰りますね。」

「え!?あ、うん、お疲れ様…」

俺は夜の道を歩きながら小さな声で呟く。

「…俺も…君が好きだよ。」

シェアハウスまでとても近くて助かった。

「由紀!」

「ゆきちゃあんだぁ…」

「タカハシさん、ありがとう…」

「構わないよ。」

「ユキさぁん……?」

俺は由紀さんの頭をポンポン触れる。

「水を飲んで、しっかり休んでね。」

「はぁい…」

俺はそのまま家に帰った。

いつの間にか、どうやら彼女を好きになっていたらしい。

まあ、俺が言った言葉は酔っている由紀さんには届かないと思うけどね。

でも、それで良い。

俺もそういうのは慣れてない。

「俺も…恋の…初心者…って事か…」


終わり
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