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5 彼の名前はyukiメ…らしい

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「yukiメ…」

由紀さんは目を泳がせる。

何かに揺らいでいるように見える。

(まさか…)

と思っていると、

「…馬鹿なの?」

というきつい言葉が由紀さんから出てきた。

「流石に自己中過ぎない?止めてよ。気色悪い。」

もう容赦していない具合が、如何にガチで嫌がっているのかを物語っている。

やれやれ。

「どうしたの?由紀さん。」

そういえば、この人は俺に対して滅茶苦茶睨んでいたっけ。

つまりは、由紀さんの周りにいる男を排除したかったってことだったんだね。

「あ、ユキさん。」

由紀さんが本気で嫌がっているようだし、一肌脱ぎますか。

「俺と一緒に本を見に行こうって言ってたのに全然来ないと思ってたらここにいたんだね。」

「由紀。こいつは由紀の何なの?」

「由紀さん、今日は行けない?」

「いやいや、今から行けます!お待たせしちゃって…」

「何で無視をするんだ、由紀!」

「問題ないよ。さあ、行こうか。」

こうなったのは、自業自得だと分かってほしいところだけどね。

「本当に助かった!ありがとうございます!」

「困ったときはお互い様だよ。」

もう問題は起きないといいけど。


つづく
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