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参章・昇りし太陽編
3-5 62 緋色視点 名の知らぬ君を助く
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押された直後何とも言えぬ激痛が走る。
焼ける様に痛い。
声も出さず、目も開けずに、ただひたすらに激痛に耐えた。
(痛い………痛い…!……あああああ…!!!!!)
今まで受けたことの無い激痛。
「……樫妻…………!」
微かに橋本の声が聞こえる。
必死で叫ぶ声だという事は死にかけの状況でも分かる。
徐々に意識が消えていく。
「疾風式・天つ風…」
モンスターを一人で倒そうとしているのか。
さっきから禿の声が聞こえない。
また一人で戦わせてはいけないのに。
彼は強いがそれでも怖い。また目の前で死んでしまうんじゃないか…
そう思わずにはいられなかった。
そんな事を考えていたのを見透かしている様に誰かの声が聞こえた。
自分が一番大変なのに、また人の事考えてるんですか?
呆れた様に言う彼の声。
仕方無いだろ?心配しちゃうんだから。
ぶっきらぼうに私は返事をした。
いつか身を滅ぼしますよ?というか、既に滅びかけてるじゃないですか!
私は至る所に傷ができてボロボロだった。
私はその時、無能力者で虐められていたある後輩を助け、何とか自分も生還したのだった。
あと数分でも此奴が、その数分後に教師が来なかったら、大変な目にあっていそうだ。
女の子が怪我をして…家族には何て説明するんですか………
フン。私が女の子?女子をほぼ捨ててるんだからノーカンだよ。私なんかさ。どうせまたやらかしたのかって言われるだけだよ。可愛げの無いんだからさ。
もう、色々諦めている。
そうですかね………でも樫妻先輩がオシャレに目覚めたら、可愛くなれるんじゃないですか。知りませんけど。
責任逃れをする為の知りませんけど。という言葉を使いながら彼は言う。
私も知らないわ。もしかしたらあるかもしれないけど……私がオシャレに…ねぇ…ありえないわ…
ありえませんねぇ…
思っているからと言ってこいつに言われたら言われたらで腹が立つ。
ねぇ……
なんですか?
もし私が、能力者になって…もし君が能力者になったら…私達は如何するのかな?
先輩は外の世界に行く為に資格取るんじゃないですか?
そうだけどさ、なんて言うか……あんまり変わんないんじゃないかなって。
ああ、そういう事ですか。樫妻先輩はきっと変わらないですよ。どうせ、危機に瀕している誰かが居たら助けちゃうんでしょ?範囲しか変わってませんって。
間違い無い。…じゃあ、君は?
そうですね…………まぁ、僕も外の資格を取りに行きますかね。
どっちも外の資格を取って…外の世界に行ったら……フフ。もしかしたら、君が助けて~って言うかもしれないね!
こっちの台詞ですよ。もし樫妻先輩が危機的状況になってたら助けてあげますよ。
何で上から目線なんだよ……………先輩が後輩を守るんだから、素直に守られとけよって。
そんな事言ったって後悔しますよ~?…助けて欲しい時は僕の名前を呼ぶんですよ。樫妻先輩。どーせ、無茶するんですから。
分かったよ。その代わり、私の助けが要るなら言いなよ。
今、こんな記憶を思い出すのか。走馬灯というものか。
無意識に手を伸ばす。
君の名前を思い出す為に、今、私は死んではいけない。
今ここで魂の叫びを。
「…………は…………………………る……………………………………」
最後まで言えずに力が抜けてしまった。
手が落ちる。
それを誰かが掴んだ。
世界は春の匂いに変わる。桜だろうか。
「貴方に死なれたら困りますよ……………全く。だから言いましたよね。無茶するんですから…!」
知っている声だ。優しくて…私の救済の声のよう。。
「誰よりも…貴方が大切なんです…どうか、死なないで下さい………って言われないと、貴方は死に急ぐのを止めませんか!?」
何か言われている気がする。本当に馬鹿か…と呆れられているかもしれない。
「もう、死なないで下さいよ。」
「うん………………………は………………」
暖かい世界に包まれ突如眠気が襲ってきた。
私は、深い深い眠りについた。
「あ………う………………」
彼の名前を言おうとしたついでに緋色は目覚めた。
残念ながら彼の名前は言えなかった。
まだ、彼の名前が思い出せない。
「……思い出せない…」
あの時は嘘だったのだろうか。
途中まで言えた気がするがその声が思い出せない。
すると、また別の声が聞こえた。
「先に自分の安否だろ。」
声を聞き隣を振り向くと、橋本が居た。
「……来てくれたのね………この通り死んでないよ…」
思ったよりも力が出なかったので、弱々しく手を振ることしか出来なかった。
そして、緋色が眠っている間に起きた出来事を聞いた。
ちゃんと全部言ってもらった。
「…良かったのか?……お前が勝手に行った事にした事…」
「うん。…………あの人達からして見れば急過ぎてついてこれないだろうけどね。」
顔に包帯が巻かれていたのを気付いて鏡を取り出した。
「うっわ……………」
「俺が応急処置した時は七割くらいが酸で黒くなってたんだぞ?……本当に祝福だな。」
祝福…この言葉で分かる。
「……見たの?」
「…………桜が咲き乱れてて、現実かと思えなかったくらい綺麗だった。」
「…………やっぱり、夢じゃ…」
「ああ、多分違うな。それに、この治癒力は英雄の祝福の剣しか有り得ないだってよ。」
「へぇ~~~…」
やっぱり彼か。
「あと、それ受けた人って、英雄が愛の告白で祝福をかけた人らしいぜ。」
「ふ~ん………え?」
「いやだから…」
「まさか……英雄が、結婚指輪の代わりに祝福の剣を使うってこと?」
「おう、そうだよ。樫妻にしては理解するのが早いな。知ってたか?」
勿論、知らない。
あと、にしてはは余計だ、この野郎。
本来ならあ?でも、は?でも言いたい所だが体力がずっと切れているような状態なので、大声で言えなかった。
「…初耳だよ。で?そういえばあの禿は?」
「死んだよ。蟲の特性を理解してなかっただけで、自業自得だよ。」
少しだけ悲しい顔をする。
この悲しみの顔は決して、あのドラゴンスレイヤーが死んだ事では決してない。
橋本は助けれなかったんじゃない。助けなかったのだろう。
もう、緋色は死ぬしかない状態で本来ならあっちに目を向けるべきだ。
でもしなかった。
彼らしくないといえば彼らしくない。
でも…彼らしいといえば彼らしい。
「……私と、あいつを天秤にかけたの?」
「ああ。…どうせ、あのモンスターは俺が倒さないといけなかったからな。」
すると、橋本は立ち上がった。
「…もう帰るの?」
「樫妻が目覚めてからは直ぐだと思うけど、その前から結構居たんだぜ?それに、お前だって限界だろ?」
もう既にウトウトし始めていたのがバレた。
「………うん…疲れた……………」
「じゃあな。また来るよ。」
「うん………………バイバ~~~イ………」
まともに意思疎通が出来たりするようになったのはこの日から2日後の事だった。
緋色は鏡の虚像とにらめっこしていた。その虚像には顔の半分が包帯でグルグルに巻かれている。
(医者が言うには…跡が残るんだってさーーーーー…はぁ。)
本来なら死んでいたのだから、誤差程度とさえも言われた。
後遺症が特に無いのが既に奇跡だから文句を言えばバチが当たるぞとまで言われた。
あとついでにいうと、退院はあと一週間も後らしい。
(死にかけた割にはあんまり戦ってない…事情の知ってる鍛冶屋居ねぇかなぁ…?)
暇なので、看護師やら医者やらをアナライズをかけて見ている。
「…こんにちは………」
一人の看護師がこちらに来て何かをしている。
「こんにちは……………」
何か見たことある気がする。
オレンジ色の髪。優しそうな目。それを見た事ある気がする。
しかし、看護師の知り合いは居ない。
それに、ある人は髪の毛をウェーブして、厚化粧をしている。
加工などいくらでも出来るので、もしかするとと思い、名前を言ってみる。
「…もしかして…………大地の涙?」
すると驚いた様な目をした。顔も動作も変わらず、ただ目だけは明らかに動揺していた。
「何で知っているの?」
本人が喋っている訳じゃ無いようだ。直接頭に聞こえてくる。
(精神感応ね………何で知っているの…そう言われても、教えてくれたのは貴方ですよ?)
「……ふぅん。私が…ね。」
そう言い、メモを取り出して即座に書き記してから緋色に渡した。
「…この時間は私が休憩時間なので、ご質問があればどうぞお越し下さい。」
今度は直接言ってきた。
実はどうやら、ちゃんと仕事をしているらしい。
ニートでは無かったようだ。……それは流石に失礼か。
緋色は自身が動ける事を確認する。…うん、ギリギリいける。
「分かりました。ありがとう御座います。」
私はそう言い、メモの時間を見た。
焼ける様に痛い。
声も出さず、目も開けずに、ただひたすらに激痛に耐えた。
(痛い………痛い…!……あああああ…!!!!!)
今まで受けたことの無い激痛。
「……樫妻…………!」
微かに橋本の声が聞こえる。
必死で叫ぶ声だという事は死にかけの状況でも分かる。
徐々に意識が消えていく。
「疾風式・天つ風…」
モンスターを一人で倒そうとしているのか。
さっきから禿の声が聞こえない。
また一人で戦わせてはいけないのに。
彼は強いがそれでも怖い。また目の前で死んでしまうんじゃないか…
そう思わずにはいられなかった。
そんな事を考えていたのを見透かしている様に誰かの声が聞こえた。
自分が一番大変なのに、また人の事考えてるんですか?
呆れた様に言う彼の声。
仕方無いだろ?心配しちゃうんだから。
ぶっきらぼうに私は返事をした。
いつか身を滅ぼしますよ?というか、既に滅びかけてるじゃないですか!
私は至る所に傷ができてボロボロだった。
私はその時、無能力者で虐められていたある後輩を助け、何とか自分も生還したのだった。
あと数分でも此奴が、その数分後に教師が来なかったら、大変な目にあっていそうだ。
女の子が怪我をして…家族には何て説明するんですか………
フン。私が女の子?女子をほぼ捨ててるんだからノーカンだよ。私なんかさ。どうせまたやらかしたのかって言われるだけだよ。可愛げの無いんだからさ。
もう、色々諦めている。
そうですかね………でも樫妻先輩がオシャレに目覚めたら、可愛くなれるんじゃないですか。知りませんけど。
責任逃れをする為の知りませんけど。という言葉を使いながら彼は言う。
私も知らないわ。もしかしたらあるかもしれないけど……私がオシャレに…ねぇ…ありえないわ…
ありえませんねぇ…
思っているからと言ってこいつに言われたら言われたらで腹が立つ。
ねぇ……
なんですか?
もし私が、能力者になって…もし君が能力者になったら…私達は如何するのかな?
先輩は外の世界に行く為に資格取るんじゃないですか?
そうだけどさ、なんて言うか……あんまり変わんないんじゃないかなって。
ああ、そういう事ですか。樫妻先輩はきっと変わらないですよ。どうせ、危機に瀕している誰かが居たら助けちゃうんでしょ?範囲しか変わってませんって。
間違い無い。…じゃあ、君は?
そうですね…………まぁ、僕も外の資格を取りに行きますかね。
どっちも外の資格を取って…外の世界に行ったら……フフ。もしかしたら、君が助けて~って言うかもしれないね!
こっちの台詞ですよ。もし樫妻先輩が危機的状況になってたら助けてあげますよ。
何で上から目線なんだよ……………先輩が後輩を守るんだから、素直に守られとけよって。
そんな事言ったって後悔しますよ~?…助けて欲しい時は僕の名前を呼ぶんですよ。樫妻先輩。どーせ、無茶するんですから。
分かったよ。その代わり、私の助けが要るなら言いなよ。
今、こんな記憶を思い出すのか。走馬灯というものか。
無意識に手を伸ばす。
君の名前を思い出す為に、今、私は死んではいけない。
今ここで魂の叫びを。
「…………は…………………………る……………………………………」
最後まで言えずに力が抜けてしまった。
手が落ちる。
それを誰かが掴んだ。
世界は春の匂いに変わる。桜だろうか。
「貴方に死なれたら困りますよ……………全く。だから言いましたよね。無茶するんですから…!」
知っている声だ。優しくて…私の救済の声のよう。。
「誰よりも…貴方が大切なんです…どうか、死なないで下さい………って言われないと、貴方は死に急ぐのを止めませんか!?」
何か言われている気がする。本当に馬鹿か…と呆れられているかもしれない。
「もう、死なないで下さいよ。」
「うん………………………は………………」
暖かい世界に包まれ突如眠気が襲ってきた。
私は、深い深い眠りについた。
「あ………う………………」
彼の名前を言おうとしたついでに緋色は目覚めた。
残念ながら彼の名前は言えなかった。
まだ、彼の名前が思い出せない。
「……思い出せない…」
あの時は嘘だったのだろうか。
途中まで言えた気がするがその声が思い出せない。
すると、また別の声が聞こえた。
「先に自分の安否だろ。」
声を聞き隣を振り向くと、橋本が居た。
「……来てくれたのね………この通り死んでないよ…」
思ったよりも力が出なかったので、弱々しく手を振ることしか出来なかった。
そして、緋色が眠っている間に起きた出来事を聞いた。
ちゃんと全部言ってもらった。
「…良かったのか?……お前が勝手に行った事にした事…」
「うん。…………あの人達からして見れば急過ぎてついてこれないだろうけどね。」
顔に包帯が巻かれていたのを気付いて鏡を取り出した。
「うっわ……………」
「俺が応急処置した時は七割くらいが酸で黒くなってたんだぞ?……本当に祝福だな。」
祝福…この言葉で分かる。
「……見たの?」
「…………桜が咲き乱れてて、現実かと思えなかったくらい綺麗だった。」
「…………やっぱり、夢じゃ…」
「ああ、多分違うな。それに、この治癒力は英雄の祝福の剣しか有り得ないだってよ。」
「へぇ~~~…」
やっぱり彼か。
「あと、それ受けた人って、英雄が愛の告白で祝福をかけた人らしいぜ。」
「ふ~ん………え?」
「いやだから…」
「まさか……英雄が、結婚指輪の代わりに祝福の剣を使うってこと?」
「おう、そうだよ。樫妻にしては理解するのが早いな。知ってたか?」
勿論、知らない。
あと、にしてはは余計だ、この野郎。
本来ならあ?でも、は?でも言いたい所だが体力がずっと切れているような状態なので、大声で言えなかった。
「…初耳だよ。で?そういえばあの禿は?」
「死んだよ。蟲の特性を理解してなかっただけで、自業自得だよ。」
少しだけ悲しい顔をする。
この悲しみの顔は決して、あのドラゴンスレイヤーが死んだ事では決してない。
橋本は助けれなかったんじゃない。助けなかったのだろう。
もう、緋色は死ぬしかない状態で本来ならあっちに目を向けるべきだ。
でもしなかった。
彼らしくないといえば彼らしくない。
でも…彼らしいといえば彼らしい。
「……私と、あいつを天秤にかけたの?」
「ああ。…どうせ、あのモンスターは俺が倒さないといけなかったからな。」
すると、橋本は立ち上がった。
「…もう帰るの?」
「樫妻が目覚めてからは直ぐだと思うけど、その前から結構居たんだぜ?それに、お前だって限界だろ?」
もう既にウトウトし始めていたのがバレた。
「………うん…疲れた……………」
「じゃあな。また来るよ。」
「うん………………バイバ~~~イ………」
まともに意思疎通が出来たりするようになったのはこの日から2日後の事だった。
緋色は鏡の虚像とにらめっこしていた。その虚像には顔の半分が包帯でグルグルに巻かれている。
(医者が言うには…跡が残るんだってさーーーーー…はぁ。)
本来なら死んでいたのだから、誤差程度とさえも言われた。
後遺症が特に無いのが既に奇跡だから文句を言えばバチが当たるぞとまで言われた。
あとついでにいうと、退院はあと一週間も後らしい。
(死にかけた割にはあんまり戦ってない…事情の知ってる鍛冶屋居ねぇかなぁ…?)
暇なので、看護師やら医者やらをアナライズをかけて見ている。
「…こんにちは………」
一人の看護師がこちらに来て何かをしている。
「こんにちは……………」
何か見たことある気がする。
オレンジ色の髪。優しそうな目。それを見た事ある気がする。
しかし、看護師の知り合いは居ない。
それに、ある人は髪の毛をウェーブして、厚化粧をしている。
加工などいくらでも出来るので、もしかするとと思い、名前を言ってみる。
「…もしかして…………大地の涙?」
すると驚いた様な目をした。顔も動作も変わらず、ただ目だけは明らかに動揺していた。
「何で知っているの?」
本人が喋っている訳じゃ無いようだ。直接頭に聞こえてくる。
(精神感応ね………何で知っているの…そう言われても、教えてくれたのは貴方ですよ?)
「……ふぅん。私が…ね。」
そう言い、メモを取り出して即座に書き記してから緋色に渡した。
「…この時間は私が休憩時間なので、ご質問があればどうぞお越し下さい。」
今度は直接言ってきた。
実はどうやら、ちゃんと仕事をしているらしい。
ニートでは無かったようだ。……それは流石に失礼か。
緋色は自身が動ける事を確認する。…うん、ギリギリいける。
「分かりました。ありがとう御座います。」
私はそう言い、メモの時間を見た。
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