ブレインダイブ

ユア教 教祖ユア

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序章・対の戦い編

1-8 8 緋色視点 怒りの撃墜

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「あら、初めての能力のようね。命名権が貴方に贈られるわ。開眼おめでとう。どうする。決める?」

職員が祝ってくれた。

「決めたいです。でも、決まってなくて…」

「そう。急ぐ必要は無いわ。先に仮登録するので命名は1ヶ月以内に決めてね。」

「はーい。」

という事で緋色は登録しに来ていた。しかも夏希の言った通りだった。

武器はちゃんとしてくれるらしい。鍛冶屋が決まり緋色は安心した。

「うーん?何にしよう。スパイダーマン?それはちょっと…ダサいとか以前の問題だし…ストリングマン?ダサすぎワロた。」

なので香露音にメールする。

1時間以内にくれば良い方だが今回はとても早かった。

「ウッソ来た。珍しく早い…!」

別に無理に糸を関連付ける必要は無いんじゃない?

との事だった。遠回しにネーミングセンスが無いということだ。

という事で、格好良く言われみたい事を考える。

(そういえば…以前やったゲームで、格好いい名前があったな…)

と思いつき、という名前をつけた。

そして家に帰る途中に後輩の棚見 春斗たなみ はるとにあった。

彼は学園の前の小学園の時にあった。

ついでに6歳から小学園に入る事ができ、十歳になると政府が半強制的に入れようとする。

しかし、金銭の問題上無理な場合は強制的に16歳から入る事になる。

その時は政府が援助してくれる。

緋色は半強制のタイミングである十歳に入った。

春斗はどうやら8歳の時に入学したらしいが。

一応、後輩だ。事実上部活は違うが、よく活動中に春斗が混ざっていた。

何故彼が混じっていたのかもう記憶が無い。

緋色にとってはそれどころでは無かったというのもあるが。

勿論顧問に許可は取っている。

部活の後輩では無いので年だけの後輩だ。

しかし、彼は緋色の闇をよく知っている数少ない人物だ。

「え!?春斗じゃん!」

「あ!樫妻先輩じゃないですか!」

ついでにいうと彼は無能力者だ。しかし、非能力者の中でもトップレベル。

「久しぶりだ~!2年ぶり?」

「はい!そうですね!」

すると、一瞬だけだが香露音彼女特有の桃色と紫の髪色が見えた。

「?」

すると緋色の顔に勘付いたのだろうか。春斗は小さい声を発する。

「どうします?」

「んー…気付いてるね。私に。」

「そうですね。僕達の方をずっと見てます。」

勿論、香露音は身体を隠しているので分かるはずが無い。

「流石だね。気配察知の能力。やっぱり上手いね。」

「ありがとう御座います。でもそっちだって出来るじゃないですか。」

「十年かかったし、まだ存在しか把握出来ないし、能力を使っている事隠蔽するの下手くそだよ。ちょっと喋って帰らせるか。」

そして緋色はさっきの声の大きさで喋る。

「どう?最近、元気?」




…………………

ここの会話は6話でしているのでカットする。

二人はコソコソ喋る。

「帰りませんね。」

「逃げるか。」

「どうやって?」

「こうやって。」

緋色は喋る。

「そうかー。あ!そうだ、あそこにさ、美味しいソフトクリーム屋が、有るんだよね!一緒に食べる?奢るよ?」

「マジですか!行きます!」

「甘党なのは昔からだね~」

という会話をして、二人はソフトクリーム屋に行った。

一応追われることは無いが、万が一の為に目を合わせておいた。

これで来ないだろう。彼女は馬鹿ではない。

そうして奢ると言ってしまったのでソフトクリームを奢り、本題に入る。

勿論、奢りたくはない。金が減るから奢りたくはない。

奢るのは多分だが、後輩くらいだけだろう。

「マジで奢られると思ってませんでした。」

「まあ、私はケチだしね。でも言っちゃったし。」

緋色もちゃっかり買っている。

「で、能力開眼したんですね。本当に。」

「うん。あそこのクレープ屋があるじゃん?あの不良たちに喧嘩売ってる最中に。」

「決闘中って事ですよね!?というか、また…喧嘩売ったんですか?」

「私じゃないけどね。でも、結果的に勝ったし、クレープタダでくれたし。」

「へ~!そりゃあ良かったですね!その能力ってどんなものですか?」

「簡単に言うと、鋼糸を使う能力かな。死線とも言えるやつ。鋭い線で相手を切り裂いたり、括って関節折ったり。皆、私の能力の事知らないから戦闘向けだとは思ってないけど。」

「話聞いてたら、ガチの戦闘向けじゃないですか。」

「そうそう。でも悲しい事にあんまり能力のステータス補正が攻撃の方に特化してないんだよね。」

「へぇ…確かにそうですね。攻撃は確かに補正はかかってますが、どちらかというと速攻タイプですね。アーチャーとか…その辺の類ですね。」

「アンタは許可無くアナライズして…別にいいけど。」

「まあ…こっそりアナライズは僕達の専売特許じゃないですか。」

「言葉の綾よ…」

「…しかし、吃驚です。先輩が開眼するなんて。」

「私も吃驚。でもさ、元々、アンタが試験を受けるってのを風の噂で聞いてたから、無能力者の時から試験受けるつもりだったんだよね。」

「そうなんですね。…まあ確かに、無能力者が試験受けるなんて普通聞かないですしね。風の噂は確かにあるかもしれませんね~」

そう。この二人は稀なのだ。だからこそ仲が良くなったのだろう。

不思議な絆だと緋色は思う。

「まあね。その中でも能力者とまあまあ渡り合えるのは私らだけだと思うんだよね。知らんけど。」

「そうかもしれませんね。無能力者が全ての基礎能力を持っているのはあまりいないですし。」

普通は能力者になってから基礎能力を覚え始める。

その方が習得が早いからだ。

しかし、既に開眼する事を諦めていた緋色は取得し、それに感銘を受けた春斗が能力を習得する事となった。

ついでに習得の速さは余裕で春斗が上だった。

気配察知も春斗が早く習得した。緋色はヤケクソになり練習して習得した。

「能力者になったら、基礎能力(中)レベルを持ってますよね。…でも、こんなに少ないんですか?」

「うん。武器生成と、縮地。」

「ほへーワンチャンハズレ引きました?」

こういう嫌な事を平気で言ってくるのがこいつの性格の悪い所であり、緋色が信用出来る理由だったりする。

「知らん。その代わりが多いし。」

「そうなんですね。見せる気ないですね。めっちゃこじ開けてますけど、全然見えないんですが。」

「アナライズかけられたから閉じてるの。私の固有能力だよ。しかも、私だけの。秘密よ、秘密。」

「そういう秘密を隠す系は昔から得意ですね!」

春斗は観念し諦めたようだ。

「でしょ。知り合いに許可無く精神世界に入られても、一瞬で追い出す自信がある。」

「されたんですね…」

「まあね~…」

「……それで……今は大丈夫ですか?」

春斗は少しトーンを下げる。

「うーん…まあまあかな。」

「…じゃあ、良かったです。」

二人は食べ終わる。

「あ、久しぶりにあったし、連絡先交換しない?」

「あ、良いですよ。」

という事で連絡先を交換し、二人は解散した。



そして、試験当日。そこで春斗と出会う。

「おひさー」

「お久しぶりです。樫妻先輩。」

「見て!私の武器。」

緋色は嬉しそうに鋼糸を見せる。

「マニアックなのに大変ですね。鍛冶屋が優秀ですね。」

「そうねーあの人たち流石プロだ。」

「頑張ろうねー」

「そっちもですよー!」

順番がとても早いらしい春斗が先に行った。

……気配察知をするにここにはどうやら香露音がいる。

行かない、行かないと散々言ってる割には行くのか…と思うが心変わりなど緋色には日常茶飯事だ。

これに関しては人の事は絶対に言えない。

暇なので散策する。

すると肩に誰かが当たってしまった。

「あ!ごめんなさい!」

「い、いえ。こちらこそ。…………あ。」

「あ。あの時の、朱い流星…」

当たった人は前に助けてくれた朱い流星だった。

「どうでした…とも言わずともわかる事ですね。開眼おめでとう御座います。」

「あ、どうも。」

「資格を取れると、絡まれた際にそれが縦になるので便利ですよ。」

「が、頑張ります。」

「…ん~隠すのが得意なんですね。アナライズかけても見えません。」

(春斗も春斗だけどあん…この人もか!)

と緋色は思うが、飲み込む。

「ありがとう御座います。」

「本当に良かったです。…色々気をつけて下さいね。」

何やら意味深な事をいい去っていこうとするが、緋色は引き止める。

「え、えと…朱い流星って何回も言うのがむず痒いので名前を教えてもらっていいですか?」

少し戸惑いながらも彼女は言ってくれた。

「ふふ…良いですよ。私は夢野 曉ゆめの あかつき。曉と呼んでください。」

と耳打ちし去っていった。

(何か美人すぎてトキメくんだが…)

そう思っていると、春斗が帰ってきた。

「お?早いね。」

「僕が強いからですよ!」

「そうかそうか!流石。」

二人は拳をぶつける。

「これの試合が終わったら次だし、その間、待機室でも観戦出来る所を探してるんだけど、知らない?」

「あ、僕知ってるかもです。」

知ってるかも…なので着いていくと本当にあった。

ここからだとちゃんと見える。観戦席から引けを取らない。

十分程経ったあと、試合が終わりそうなので出発する。

ついでに春斗に教える。

「そろそろ行くわ。あとついでに、今戦ってる人の女子の方は私の知り合い。同じ部活の子。」

「え!そうなんですか!でも、仲良くは見えないですけどね。」

もう一回言っておくが、こういう嫌な事を平気で言うところが、春斗の性格が悪い所だ。

しかも、間違ってないからたちが悪い。

「うん。私あの人好きじゃないかもね…」

緋色はそう言い、決闘場入り口に向かう。

「まあ…好き好みは人それぞれなので仕方ないですよ。じゃあ、頑張ってくださいねー!」

緋色は手を振り走って行った。

ついでに、1回戦は楽勝過ぎた。

相手の能力が速攻系なので、警戒していたが弱すぎて開眼した能力を使わずに殺してしまった。

(もしかすると初めて?)

とおもいながら、春斗のところに戻った。

「おかえりなさーい。」

「楽勝過ぎた。」

「そうですね。見てましたよ。もう殺しのプロですね。」

「だから言葉の綾よ……」

「ま、良かったじゃないですか。」

春斗と話し、時間を潰した。

どうやら次は緋色が早かった。

今度は少し手間取ったが、すぐに終わった。流石に死線を使ったが開眼した能力は使ってない。

「お疲れ様です。二回戦まではこんなもんですね~」

春斗も同じように思っていた。緋色と同じように普通に勝ち進んだ。

………しかし、問題は次の三回戦。

緋色が先に出るようだ。

決闘場に出ると、見た事がある人に出会った。

「あ、ハンターの人。」

「あ、お前は前の!」

「こんにちはーーー」

棒読みの満面の笑みを見せる。

「どの面で………!」

緋色を見るだけで怒り心頭のようだ。

流石に二回戦まで戦闘シーンを全カットしているのでここはカットしないでおこう。

しかし、このままいくと文字数の問題上、えげつない数字になる。

という事で、次回は後編を出すことにする。待ってて欲しい。
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