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序章・対の戦い編
1-4 4 緋色視点 安定の絡まれ
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「あーーーー!あの野郎…まぁた私の世界に入って…!しかも、私にバレないように秘密の特訓をしやがって…!あーーーーーーー!」
緋色は今日、ムシャクシャしていた。
緋色の精神世界に性懲りも無く入っていったからだ。
「でも、見たところで意味無いって……う~ん?…ある?いや、ないか…」
何をされたか分からない。しかし、何もされてない訳が無い。
それだけではなく、二つとも習得するのに合計一年かかった能力だ。
それを三日で習得するのが腹立たしい。
それはそうとして…以前、朱の流星出会ったが、その人を詳しく調べたことがある。
それでも情報は分からなかったが、とても強いらしい事は良くわかった。
ブースト持ちの能力者をブーストを使わずに倒してしまえるほどらしい。
「能力使わずに、巨漢を投げ飛ばしたし、そう考えるとステータスが凄いんだろうな。一体何時になったら能力者に…というかなったらどこに補正がかかるんだろ。」
今現状、まあまあ舐められている。無能力者だからだ。
この学園が資格を取るのに適しているから緋色は入ったし、皆も同じ理由が多いのだが、無能力者の割合は全体で2割も無い。
一年経つまでに何かしら能力を開眼している。
流石にそろそろ開眼してもらわないと困る。
三年にもなって使える能力が(小)だけだと困る。
流石に困る。
しかし…それにしても最近真面目に部活動をしていないので、今日は真面目にした。
「終わったー疲れたー」
と、緋色は呟く。
「そうだねー」
と、夏希は反応するので、
(来んな言ったのに来ただろーーーー!)
と心の中で叫ぶ。
「え…!?い、いやぁ~ねぇ~香露音~今日も疲れたね~」
と、香露音に逃げていった。
とても不満は止まらないが…香露音が、
「じゃあ…皆で何か食べに行く?近くにクレープ屋が有るんだよねー!」
(クレープ屋…最近できたアレね。)
香露音の鶴の一声で、全員行くことになった。
「皆お金あるー?」
「一応ー!」
「私もー!」
「持ってます!」
「私も持ってますー!」
「はい!」
「え、あ…はい。」
絶対に聞いてなさそう後輩がいるが、あまり気にしないでおこう。
それはそうと以前、ただ散歩しているだけで、ブースト持ちの能力者に絡まれた。
確かにあれは初めてだが、能力者に絡まれることはしょっちゅうある。
能力者である自分に溺れているのか知らないが、全く迷惑極まりない。
なんだったら無能力者だからと決闘を申し込み、返り討ちにした事もあった。
…クレープ屋まで歩いてあと五分。
少し時間があるので能力の補足をしておこう。
能力者だろうが無能力者だろうがアナライズや攻撃系の能力は特訓すれば誰だって習得出来る。
しかし、開眼する能力によって、少しだけ性能が変わる能力がある。
例えばアナライズ。その固有能力によって見えるステータスが増えるらしい。
そして攻撃系の能力の最大威力は(小)で止まる。
開眼する能力によって、(中)の威力を習得出来るが、無能力者はどれほど頑張っても(小)しかならない。
しかも、能力者の(小)と無能力者の(小)でさえ威力が変わる。
緋色は元々ある程度の努力で、威力は大分強くなった方だ。
能力者と比べてまだ弱いが、練習あるのみだ。
どうしても、仕方無くする決闘はやる気が起きず負けてしまう事が多い。
人に見せるには魅せれる能力ではないし、というのがあるので強くは無い。
……そろそろクレープ屋に近い。
話はこれくらいにして、クレープを堪能しよう。
そう思っていると、
「ギャハハハ!」
と煩い阿呆がたむろっている。ついでにクレープ屋にちょっかいもかけている。
(ほら来たよ。緋色歩けば馬鹿に当たる……つまんないの…嫌な諺。)
そう思いながら、無視を決め込もうと決意するが一瞬で砕け散る。
「ちょっと…?何やってるんですか…!」
香露音が止めに入る。
(ほら来たよ。こうなるんだよ。知ってたよ。香露音そういうタイプだもんね、知ってたよ…)
「ああん!何だよてめぇ?喧嘩売ってんのか!?」
「俺らに喧嘩売ったら後悔するぜ?」
「君の連れを守れるのか?あ゙あ゙?」
圧が凄いが、緋色は慣れているので犬の遠吠えにしか見えない。
「こんなふうにな!」
「なっ!?」
こいつらを面倒臭いので男A、男B、男Cとしよう。
誰がA、B、Cなのかは雰囲気で決めて欲しい。彼らに人権は無い。
すると、男Cが、後輩の一人に殴りかかる。縮地を使っている。
「させない。縮地(小)、唐傘(小)!」
緋色は直ぐに気付き、縮地と防御系の能力を使って防御する。
「私の後輩を…怪我はさせないよ。」
我ながら慣れないレベルで格好良いことを言った気がするがどうでもいい。
この阿呆を何とかしなければならない。
アナライズをかける。
(夏希、聞こえる?左からゴミ、能力者、ゴミ。ただの阿呆の塊だよ。)
と、言うと夏希は吹き出しかけるが抑えている。
「フッ…うん、おけおけ。分かったよ。」
あまり知られていないが、香露音も一応能力者だ。
(黒の騎士だっけ。そりゃ嫌だよね。ホント誰だよ。初めての能力だからって浮かれてこんな名前を付けたやつ。馬鹿だろ。)
と緋色は思う。
「俺らに勝てると思ってるの?こっちは能力者の中でも有能なハンターだぜ?」
だから?と言いたいが、ハンターの能力の説明だけはしておく。
遠距離が得意な能力者だ。それ以外無い。男Bがほざいているように確かに有能な能力である。
無能力者の二人が、後輩にちょっかいをかける。
「オラオラ!」
「こんな女の子が、俺らに喧嘩売ったらどうなるか、分かってないようだし、君たちの後輩にちょっかいかけてあげるよ。」
「やめてください…!」
後輩が嫌がる姿を見るのは嫌いだ。
それは香露音も同じだった。
「ちょっと失礼。」
「調子乗んなよって!」
緋色と香露音は同時に飛び出し、緋色は男Bに、香露音は男Cをぶん殴った。
「おお……!」
夏希は何故か興奮している。
「決闘か、今!…ハンターである俺に殺されるか!」
男Aが叫ぶ。指を三にしている。3on3と言う事だ。
香露音も答える。
「決闘よ!」
「良いだろう!ブレインコネクト!」
という事で緋色の不安通りになってしまった。
「誰がする?」
「私と緋色と夏希で。」
(おぉ…珍しいなぁ………)
普段あまり無能力者を選びたがらない香露音が緋色を選んだからだ。
少し驚いている緋色に、
「腹立つでしょ。先輩の強さを見せつけるときじゃない?」
と言う。
「良い…タイミングだね。丁度ムシャクシャしてた。」
緋色はニカッと笑った。
「あれ…何で私が居るの…?私戦闘向けじゃ…」
そういえばと言う様に夏希が呟く。
「腹を括ってね!」
「仕方無いって。諦めな!」
緋色と香露音は叫ぶ。
「そんなぁ…」
今、戦いが始まる。
緋色は今日、ムシャクシャしていた。
緋色の精神世界に性懲りも無く入っていったからだ。
「でも、見たところで意味無いって……う~ん?…ある?いや、ないか…」
何をされたか分からない。しかし、何もされてない訳が無い。
それだけではなく、二つとも習得するのに合計一年かかった能力だ。
それを三日で習得するのが腹立たしい。
それはそうとして…以前、朱の流星出会ったが、その人を詳しく調べたことがある。
それでも情報は分からなかったが、とても強いらしい事は良くわかった。
ブースト持ちの能力者をブーストを使わずに倒してしまえるほどらしい。
「能力使わずに、巨漢を投げ飛ばしたし、そう考えるとステータスが凄いんだろうな。一体何時になったら能力者に…というかなったらどこに補正がかかるんだろ。」
今現状、まあまあ舐められている。無能力者だからだ。
この学園が資格を取るのに適しているから緋色は入ったし、皆も同じ理由が多いのだが、無能力者の割合は全体で2割も無い。
一年経つまでに何かしら能力を開眼している。
流石にそろそろ開眼してもらわないと困る。
三年にもなって使える能力が(小)だけだと困る。
流石に困る。
しかし…それにしても最近真面目に部活動をしていないので、今日は真面目にした。
「終わったー疲れたー」
と、緋色は呟く。
「そうだねー」
と、夏希は反応するので、
(来んな言ったのに来ただろーーーー!)
と心の中で叫ぶ。
「え…!?い、いやぁ~ねぇ~香露音~今日も疲れたね~」
と、香露音に逃げていった。
とても不満は止まらないが…香露音が、
「じゃあ…皆で何か食べに行く?近くにクレープ屋が有るんだよねー!」
(クレープ屋…最近できたアレね。)
香露音の鶴の一声で、全員行くことになった。
「皆お金あるー?」
「一応ー!」
「私もー!」
「持ってます!」
「私も持ってますー!」
「はい!」
「え、あ…はい。」
絶対に聞いてなさそう後輩がいるが、あまり気にしないでおこう。
それはそうと以前、ただ散歩しているだけで、ブースト持ちの能力者に絡まれた。
確かにあれは初めてだが、能力者に絡まれることはしょっちゅうある。
能力者である自分に溺れているのか知らないが、全く迷惑極まりない。
なんだったら無能力者だからと決闘を申し込み、返り討ちにした事もあった。
…クレープ屋まで歩いてあと五分。
少し時間があるので能力の補足をしておこう。
能力者だろうが無能力者だろうがアナライズや攻撃系の能力は特訓すれば誰だって習得出来る。
しかし、開眼する能力によって、少しだけ性能が変わる能力がある。
例えばアナライズ。その固有能力によって見えるステータスが増えるらしい。
そして攻撃系の能力の最大威力は(小)で止まる。
開眼する能力によって、(中)の威力を習得出来るが、無能力者はどれほど頑張っても(小)しかならない。
しかも、能力者の(小)と無能力者の(小)でさえ威力が変わる。
緋色は元々ある程度の努力で、威力は大分強くなった方だ。
能力者と比べてまだ弱いが、練習あるのみだ。
どうしても、仕方無くする決闘はやる気が起きず負けてしまう事が多い。
人に見せるには魅せれる能力ではないし、というのがあるので強くは無い。
……そろそろクレープ屋に近い。
話はこれくらいにして、クレープを堪能しよう。
そう思っていると、
「ギャハハハ!」
と煩い阿呆がたむろっている。ついでにクレープ屋にちょっかいもかけている。
(ほら来たよ。緋色歩けば馬鹿に当たる……つまんないの…嫌な諺。)
そう思いながら、無視を決め込もうと決意するが一瞬で砕け散る。
「ちょっと…?何やってるんですか…!」
香露音が止めに入る。
(ほら来たよ。こうなるんだよ。知ってたよ。香露音そういうタイプだもんね、知ってたよ…)
「ああん!何だよてめぇ?喧嘩売ってんのか!?」
「俺らに喧嘩売ったら後悔するぜ?」
「君の連れを守れるのか?あ゙あ゙?」
圧が凄いが、緋色は慣れているので犬の遠吠えにしか見えない。
「こんなふうにな!」
「なっ!?」
こいつらを面倒臭いので男A、男B、男Cとしよう。
誰がA、B、Cなのかは雰囲気で決めて欲しい。彼らに人権は無い。
すると、男Cが、後輩の一人に殴りかかる。縮地を使っている。
「させない。縮地(小)、唐傘(小)!」
緋色は直ぐに気付き、縮地と防御系の能力を使って防御する。
「私の後輩を…怪我はさせないよ。」
我ながら慣れないレベルで格好良いことを言った気がするがどうでもいい。
この阿呆を何とかしなければならない。
アナライズをかける。
(夏希、聞こえる?左からゴミ、能力者、ゴミ。ただの阿呆の塊だよ。)
と、言うと夏希は吹き出しかけるが抑えている。
「フッ…うん、おけおけ。分かったよ。」
あまり知られていないが、香露音も一応能力者だ。
(黒の騎士だっけ。そりゃ嫌だよね。ホント誰だよ。初めての能力だからって浮かれてこんな名前を付けたやつ。馬鹿だろ。)
と緋色は思う。
「俺らに勝てると思ってるの?こっちは能力者の中でも有能なハンターだぜ?」
だから?と言いたいが、ハンターの能力の説明だけはしておく。
遠距離が得意な能力者だ。それ以外無い。男Bがほざいているように確かに有能な能力である。
無能力者の二人が、後輩にちょっかいをかける。
「オラオラ!」
「こんな女の子が、俺らに喧嘩売ったらどうなるか、分かってないようだし、君たちの後輩にちょっかいかけてあげるよ。」
「やめてください…!」
後輩が嫌がる姿を見るのは嫌いだ。
それは香露音も同じだった。
「ちょっと失礼。」
「調子乗んなよって!」
緋色と香露音は同時に飛び出し、緋色は男Bに、香露音は男Cをぶん殴った。
「おお……!」
夏希は何故か興奮している。
「決闘か、今!…ハンターである俺に殺されるか!」
男Aが叫ぶ。指を三にしている。3on3と言う事だ。
香露音も答える。
「決闘よ!」
「良いだろう!ブレインコネクト!」
という事で緋色の不安通りになってしまった。
「誰がする?」
「私と緋色と夏希で。」
(おぉ…珍しいなぁ………)
普段あまり無能力者を選びたがらない香露音が緋色を選んだからだ。
少し驚いている緋色に、
「腹立つでしょ。先輩の強さを見せつけるときじゃない?」
と言う。
「良い…タイミングだね。丁度ムシャクシャしてた。」
緋色はニカッと笑った。
「あれ…何で私が居るの…?私戦闘向けじゃ…」
そういえばと言う様に夏希が呟く。
「腹を括ってね!」
「仕方無いって。諦めな!」
緋色と香露音は叫ぶ。
「そんなぁ…」
今、戦いが始まる。
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