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序章・対の戦い編
1-1 1 夏希視点 開眼
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「ねぇねぇ!夏希はブレインダイブっていう能力が開眼したって本当!?」
本気の仲のいい友人、羽柴士 香露音が言う。
ブレインダイブという能力が開眼するのは稀だ。
そして要注意人物とされる。その能力を持っているだけで警戒される。
その人の人格を変える事のできる能力。
しかし、夏希が開眼してもあまり日常生活は変わらなかった。
夏希の性格の問題で信用されているのかもしれない。
「ホントだよ~」
夏希は本来なら隠したい能力だが、すぐに公表した。
それが信用を得れる理由なのだろう。
しかし、夏希には悩みがあった。そう、能力のコントロールだ。
開眼してから、勝手に人の心の中が分かってしまう。
例えば、
「良いな~!羨ましいなぁ~!」(こうやって仲良くすれば覗かれないでしょ)
という下心見え見えの人もいる。
しかし、ある程度の不安も聞こえるが当たり前なのでそこは許容範囲だ。
むしろ、不安があっても以前と同じ様に接しようと頑張ってくれているのが少し嬉しく感じた。
そして、その悩みの最大の部分が精神世界に入った時、相手も人格が変わる可能性があるのは勿論、自分の人格が変わるかもしれないという事だ。
なので、精神世界に入る練習が全く出来ない。
何故…練習する必要があるのか。
簡単に言えば舐められないためと、自分を強くする為だ。
人には能力が開眼しなくても持つ事の出来る能力が存在する。
例えば、アナライズや武器生成(小)等の基礎能力といわれるもの。
攻撃系は習得に1ヶ月位かかる割に弱い能力だが、アナライズは違う。
すぐに習得出来る能力で、アナライズを使った対象の能力が分かる。
それだけではなく、ある程度のステータスが見える。
いずれの能力は各々の個人の能力を成長させるのが一番早く習得出来る。
そして、舐められないためというのは個人の能力は二度と変えることが出来ない。
その為、その能力を成長させる必要がある。
精神世界に入ることが出来ないと、ブレインダイブの意味が無い。
この能力がその人にとって無意味と言う事になる。
攻撃系の能力など持ち合わせていないので、ボッコボコにされるだけになるのだ。
…話は戻り、夏希の能力は強い。
そして、彼女の既に精神世界に入り人格を変えるレベルにいた。
赤ちゃん等の精神が脆く、幼い人だけだが。
そして、仲のいい香露音の精神世界に入った事があるが全く現実世界の香露音と変わらなかった。
拒まれる事が無く、むしろ歓迎してくれた。
色々な人がいたが、あまり変わってる人がいない。
基本、精神世界に入る許可を貰った人だけだが。
皆が皆、良い子ばかりなだけだった。
しかし、一人だけ見てない人がいた。
その人の名前は樫妻 緋色。
とても明るく騒がしく変わった人である。
しかし、心の中が恐ろしく怖い。
夏希は初めて人の精神世界を覗きたくなった。許可関係無く。
彼女はどれが本物の緋色なんだろうと。
心の中が怖い時もあるが、優しい時もある。
怒っているときもあれば、感情を殺そうとしている時もある。
そして、緋色自身が自分の事が良く分かっていないようにも見えた。
別人なんじゃないかと思う程に性格が変わる。まるで緋色の中に何人も居るかのようだ。
なので迷って香露音に相談する事にした。
「ねぇねぇ。私、緋色の中を覗きたいって思ってるんだけど。」
「ん~?どうして?」(急だな~)
「何か…興味があって。」
「まあ、私達の中で見てないの緋色だけだし、聞いてみたら?」(緋色絶対、シュールな世界なんだろうな~)
「聞いてみたら、頭おかしい世界だろうから夏希がおかしくなっちゃうよ。ってさ。」
実際聞いたがこう返したが、心の中の声がこう言った。
(絶対に頭おかしい世界だろうけど。ね。見せたくないんだよなぁ。どうする?強制的に入られたら。ん~…)
と呟いた後、
(殺すか。)
と言う声が聞こえ、恐ろしさに夏希は硬直してしまった。
「どうしたの~?じゃ、後でね~!」(やっぱり覗いてるんだね。勝手かワザとか知らないけど…入ってこないでね。)
と、言われた。
ついでに覗いている事もついでにバレてしまった。なんでバレたか分からない。
それに今までバレた事など無かった。
「こっそり覗いてもバレないって!」(私も覗かれたとき良く分からんかったし。)
と言う香露音に背中を押され入る事にした。
「ふぅ…やっぱり緊張するなぁ~…我は肉体なり。汝は心なり。今、同体と成りて、精神世界に赴かん。」
夏希は部活の仲間に見守られながら意識を失った。
夏希は虚無の様に黒い世界で目覚めた。
「白色の世界しか無いと思ってたけど…そんなこと無いんだね…」
今までは美しい白い世界だった。これはまるで、禍々しい地獄のようだ。
しかし、緋色の姿をした人間をすぐに見つけた。
どうやら暗い訳では無いようだ。
そこだけ白く光っている。明るく、楽しく、踊っている。
緋色の顔をしているが身長や服装は全く違う。髪型さえ違う。
「いつも…精神世界の人ただ一人なんだけどな…私以外で。」
今まで見た世界と全く違う。
夏希は一人の緋色に聞いた。
「貴方の本体はどこに居るの?」
すると、緋色全員が夏希を見た。目が死んでいる。
白く光っていたにも関わらずとても暗くなる。
「なんで来たの?言ったよね?」
精神世界では本来あり得ない事を言われた。
「え…?何で…今まで誰も知らなかったのに…!」
「皆帰ろう。」
緋色が遠ざかっている。
「待って!ねぇ!」
一人が、夏希の前髪を掴んだ。
「見られたくないの。私の領域に入ってこないで。」
緋色は手を離した。すると追い出される様に緋色から離れていく。
「私が勝手に移動している…!?」
すると後ろから開いている扉が見えた。夏希はくぐる。
そして過ぎた瞬間に扉は閉められた。
扉の中から出た世界は少し明るい色だった。
緋色が現れる。
「二度と来ないで。緋色に言わないであげるから。これは貴方と精神世界の私達だけの秘密。まあ、言わなくても何か分かりそうだけどね。」
「何で…!ここが精神世界だって分かるの…!?精神世界にいる人が!」
「精神世界の緋色と現実世界の緋色は繋がっている。自分の事が自分がよく分かっているだけよ。じゃあね。」
緋色は帰っていく。
「待って!」
「何?殺されたいの?多分負けるよ。」
「っ……!私だってやれば出来る!」
精神世界でもスキルは使える。
夏希は叫ぶ。
「鎌鼬(小)…!」
「はぁ………」
溜息をつかれた。その後、
「私は…もう…!」
緋色の声が聞こえたが…意識が途切れた。
「゙…!」
夏希は現実世界で目覚めた。
「あ…あれ…?嘘でしょ…………」
あの一瞬で殺されたようだ。
どう殺されたかは全く覚えてないが、殺された恐怖は覚えている。
「大丈夫?」(どう………か……う?)
「先輩、冷や汗凄いですよ……?」(せん……………だ…か…?)
能力を使ったばかりで心の声が途切れている。
「大丈夫。ただ…無理だった。」
「見れなかったの?」(め……し…)
「うん。拒否された。」
「でも、夏希だって、鎌鼬持ってたでしょ?あれ攻撃系の中でまあまあ強いやつだよ?」(…勝てなかった…?)
「うん…無理だった。」
全員が戸惑う。緋色はまだ能力を開眼していない。
本人は(隠しているつもりでも)大分気にしているが、少なくとも、攻撃系のスキルは最大でも夏希と同程度。
そして威力もあまりない。ステータスは開眼している夏希の方が上だ。
しかし、夏希に勝ってしまうほどの拒否を向けられた。
今まで見たことが無い。
少し体力が回復し、全員で作戦会議をする。
「どうする…?」(拒否されるってどういう事なんだろう…?)
「何とかしないと。誰よりも深い闇を抱えてる…!」
「それは大変ですね。」(あの人がそんな物を持ってるとは思えないけど…)
「じゃあ、どうするんですか?」(たまに死んでる目をしてたけど…気のせいじゃ無かったってことかな?)
「単に私が強くなる。」
「それしか無いよね。」(それ以外の方法が思いつかないし…)
「じゃあ…スキル持ってる人にやり方聞きに行くのが一番良い方法じゃないですか?」(やっぱり。)
「でも…」(そういう人で一番心当たりがあるの緋色先輩何だけど…)
「緋色に聞く?」
「マジで言ってんの!?」(大丈夫なのそれ!?)
「多分大丈夫。皆がいるから。」
「そういえば私も攻撃系の能力一つしか持ってないです。」(って言えば、緋色先輩も教えてくれると思うし~)
「何事も無かったかのように私らで教えて貰うってことですか?」(大丈夫かなぁ…?)
「そゆこと。そゆこと。大丈夫!…多分。」
と言う事になり、特訓する事になった。
本気の仲のいい友人、羽柴士 香露音が言う。
ブレインダイブという能力が開眼するのは稀だ。
そして要注意人物とされる。その能力を持っているだけで警戒される。
その人の人格を変える事のできる能力。
しかし、夏希が開眼してもあまり日常生活は変わらなかった。
夏希の性格の問題で信用されているのかもしれない。
「ホントだよ~」
夏希は本来なら隠したい能力だが、すぐに公表した。
それが信用を得れる理由なのだろう。
しかし、夏希には悩みがあった。そう、能力のコントロールだ。
開眼してから、勝手に人の心の中が分かってしまう。
例えば、
「良いな~!羨ましいなぁ~!」(こうやって仲良くすれば覗かれないでしょ)
という下心見え見えの人もいる。
しかし、ある程度の不安も聞こえるが当たり前なのでそこは許容範囲だ。
むしろ、不安があっても以前と同じ様に接しようと頑張ってくれているのが少し嬉しく感じた。
そして、その悩みの最大の部分が精神世界に入った時、相手も人格が変わる可能性があるのは勿論、自分の人格が変わるかもしれないという事だ。
なので、精神世界に入る練習が全く出来ない。
何故…練習する必要があるのか。
簡単に言えば舐められないためと、自分を強くする為だ。
人には能力が開眼しなくても持つ事の出来る能力が存在する。
例えば、アナライズや武器生成(小)等の基礎能力といわれるもの。
攻撃系は習得に1ヶ月位かかる割に弱い能力だが、アナライズは違う。
すぐに習得出来る能力で、アナライズを使った対象の能力が分かる。
それだけではなく、ある程度のステータスが見える。
いずれの能力は各々の個人の能力を成長させるのが一番早く習得出来る。
そして、舐められないためというのは個人の能力は二度と変えることが出来ない。
その為、その能力を成長させる必要がある。
精神世界に入ることが出来ないと、ブレインダイブの意味が無い。
この能力がその人にとって無意味と言う事になる。
攻撃系の能力など持ち合わせていないので、ボッコボコにされるだけになるのだ。
…話は戻り、夏希の能力は強い。
そして、彼女の既に精神世界に入り人格を変えるレベルにいた。
赤ちゃん等の精神が脆く、幼い人だけだが。
そして、仲のいい香露音の精神世界に入った事があるが全く現実世界の香露音と変わらなかった。
拒まれる事が無く、むしろ歓迎してくれた。
色々な人がいたが、あまり変わってる人がいない。
基本、精神世界に入る許可を貰った人だけだが。
皆が皆、良い子ばかりなだけだった。
しかし、一人だけ見てない人がいた。
その人の名前は樫妻 緋色。
とても明るく騒がしく変わった人である。
しかし、心の中が恐ろしく怖い。
夏希は初めて人の精神世界を覗きたくなった。許可関係無く。
彼女はどれが本物の緋色なんだろうと。
心の中が怖い時もあるが、優しい時もある。
怒っているときもあれば、感情を殺そうとしている時もある。
そして、緋色自身が自分の事が良く分かっていないようにも見えた。
別人なんじゃないかと思う程に性格が変わる。まるで緋色の中に何人も居るかのようだ。
なので迷って香露音に相談する事にした。
「ねぇねぇ。私、緋色の中を覗きたいって思ってるんだけど。」
「ん~?どうして?」(急だな~)
「何か…興味があって。」
「まあ、私達の中で見てないの緋色だけだし、聞いてみたら?」(緋色絶対、シュールな世界なんだろうな~)
「聞いてみたら、頭おかしい世界だろうから夏希がおかしくなっちゃうよ。ってさ。」
実際聞いたがこう返したが、心の中の声がこう言った。
(絶対に頭おかしい世界だろうけど。ね。見せたくないんだよなぁ。どうする?強制的に入られたら。ん~…)
と呟いた後、
(殺すか。)
と言う声が聞こえ、恐ろしさに夏希は硬直してしまった。
「どうしたの~?じゃ、後でね~!」(やっぱり覗いてるんだね。勝手かワザとか知らないけど…入ってこないでね。)
と、言われた。
ついでに覗いている事もついでにバレてしまった。なんでバレたか分からない。
それに今までバレた事など無かった。
「こっそり覗いてもバレないって!」(私も覗かれたとき良く分からんかったし。)
と言う香露音に背中を押され入る事にした。
「ふぅ…やっぱり緊張するなぁ~…我は肉体なり。汝は心なり。今、同体と成りて、精神世界に赴かん。」
夏希は部活の仲間に見守られながら意識を失った。
夏希は虚無の様に黒い世界で目覚めた。
「白色の世界しか無いと思ってたけど…そんなこと無いんだね…」
今までは美しい白い世界だった。これはまるで、禍々しい地獄のようだ。
しかし、緋色の姿をした人間をすぐに見つけた。
どうやら暗い訳では無いようだ。
そこだけ白く光っている。明るく、楽しく、踊っている。
緋色の顔をしているが身長や服装は全く違う。髪型さえ違う。
「いつも…精神世界の人ただ一人なんだけどな…私以外で。」
今まで見た世界と全く違う。
夏希は一人の緋色に聞いた。
「貴方の本体はどこに居るの?」
すると、緋色全員が夏希を見た。目が死んでいる。
白く光っていたにも関わらずとても暗くなる。
「なんで来たの?言ったよね?」
精神世界では本来あり得ない事を言われた。
「え…?何で…今まで誰も知らなかったのに…!」
「皆帰ろう。」
緋色が遠ざかっている。
「待って!ねぇ!」
一人が、夏希の前髪を掴んだ。
「見られたくないの。私の領域に入ってこないで。」
緋色は手を離した。すると追い出される様に緋色から離れていく。
「私が勝手に移動している…!?」
すると後ろから開いている扉が見えた。夏希はくぐる。
そして過ぎた瞬間に扉は閉められた。
扉の中から出た世界は少し明るい色だった。
緋色が現れる。
「二度と来ないで。緋色に言わないであげるから。これは貴方と精神世界の私達だけの秘密。まあ、言わなくても何か分かりそうだけどね。」
「何で…!ここが精神世界だって分かるの…!?精神世界にいる人が!」
「精神世界の緋色と現実世界の緋色は繋がっている。自分の事が自分がよく分かっているだけよ。じゃあね。」
緋色は帰っていく。
「待って!」
「何?殺されたいの?多分負けるよ。」
「っ……!私だってやれば出来る!」
精神世界でもスキルは使える。
夏希は叫ぶ。
「鎌鼬(小)…!」
「はぁ………」
溜息をつかれた。その後、
「私は…もう…!」
緋色の声が聞こえたが…意識が途切れた。
「゙…!」
夏希は現実世界で目覚めた。
「あ…あれ…?嘘でしょ…………」
あの一瞬で殺されたようだ。
どう殺されたかは全く覚えてないが、殺された恐怖は覚えている。
「大丈夫?」(どう………か……う?)
「先輩、冷や汗凄いですよ……?」(せん……………だ…か…?)
能力を使ったばかりで心の声が途切れている。
「大丈夫。ただ…無理だった。」
「見れなかったの?」(め……し…)
「うん。拒否された。」
「でも、夏希だって、鎌鼬持ってたでしょ?あれ攻撃系の中でまあまあ強いやつだよ?」(…勝てなかった…?)
「うん…無理だった。」
全員が戸惑う。緋色はまだ能力を開眼していない。
本人は(隠しているつもりでも)大分気にしているが、少なくとも、攻撃系のスキルは最大でも夏希と同程度。
そして威力もあまりない。ステータスは開眼している夏希の方が上だ。
しかし、夏希に勝ってしまうほどの拒否を向けられた。
今まで見たことが無い。
少し体力が回復し、全員で作戦会議をする。
「どうする…?」(拒否されるってどういう事なんだろう…?)
「何とかしないと。誰よりも深い闇を抱えてる…!」
「それは大変ですね。」(あの人がそんな物を持ってるとは思えないけど…)
「じゃあ、どうするんですか?」(たまに死んでる目をしてたけど…気のせいじゃ無かったってことかな?)
「単に私が強くなる。」
「それしか無いよね。」(それ以外の方法が思いつかないし…)
「じゃあ…スキル持ってる人にやり方聞きに行くのが一番良い方法じゃないですか?」(やっぱり。)
「でも…」(そういう人で一番心当たりがあるの緋色先輩何だけど…)
「緋色に聞く?」
「マジで言ってんの!?」(大丈夫なのそれ!?)
「多分大丈夫。皆がいるから。」
「そういえば私も攻撃系の能力一つしか持ってないです。」(って言えば、緋色先輩も教えてくれると思うし~)
「何事も無かったかのように私らで教えて貰うってことですか?」(大丈夫かなぁ…?)
「そゆこと。そゆこと。大丈夫!…多分。」
と言う事になり、特訓する事になった。
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