1 / 3
初めての“おしごと”
しおりを挟む
わたしは“メイド”だ。
…といっても、資格はなく、協会に所属しているわけでもない。
あくまで、“個人的な依頼”として、この仕事をさせていただいている。
依頼主は、裕福な家庭の親御様で、普段は海外に出張しているため、家にいない。
その家に住む、“みさきちゃん”の身の回りのお世話を任された。
みさきちゃんは、まだランドセルを卒業しないくらいの年齢で、わたしと同じクラスの“同級生”だ。
わたしの家が貧しく、家賃の支払いすらぎりぎりの生活状況を見かねて、海外にいる両親に頼み込んでくれたらしい。
それから後日、わたしは“メイド”として、みさきちゃんが住むマンションで雇ってもらえることになった。
・
「じゃあ、まずは足を舐めて。」
わたしがメイドとなった初日。みさきちゃんから発せられた“第一声”がその言葉だった。
てっきり、家事を申しつけられるのだとおもっていたわたしは、動揺を隠すことができなかった。
「み、みさきちゃん…、あの…。」
「みさきじゃなくて、“お嬢様”でしょ。
これから、ここで働く時間はそう呼んでね。」
「は、はい…。み…お、お嬢様…。」
「ん…。いい子。」
頭を撫でられ、わたしは頰を赤くしてしまう。
お嬢様は椅子に座ると、くつ下を脱ぎ、左足を軽くわたしの方に伸ばした。
「じゃあ“ふうか”、足を舐めて?」
そして、はじめの状態に戻ってしまい、再度、困惑してしまう。
そもそも、これは“メイド”がする仕事なのだろうか。
疑問の念が消えず、つい口を開いてしまう。
「メイドって、家事をするのが仕事じゃないの?」
「そうね。家事と“私の身の回りのお世話”をするのが仕事よ。」
「……これは、身の回りのお世話なの?」
「そうよ。契約書に書いてあるでしょ?」
わたしの雇用が決まった日。家に郵送で契約書が届いていた。
そこには契約に関すること。仕事内容や注意事項も記載されている。
「その契約書にある、身の回りのお世話に関すること“注釈2”を見てみなさい。」
ランドセルから契約書を取り出し、言われた項目を確認する。
指で辿りながら項目を探すと、そこには
『※身の回りとは、身体に関すること。教育・掃除もここに含まれる。』
と記載されていた。
「つまり、私の足を舐めて綺麗に“掃除”することも、あなたの仕事なのよ?」
「………。」
「どうしても嫌なら、“辞める”?この仕事。」
お嬢様は残念そうに、くつ下を履き戻そうとした。
ここで辞めれば、また苦しい生活に戻ってしまう。
「な、舐めますっ!舐めさせてくださいっ!!」
「そう、よかった♫」
途中まで履いたくつ下を再度脱ぎ、足を向けられる。
わたしは、近くで膝立ちになり、両手で丁寧に足を支えると、“恐る恐る”足の親指を口の中に入れる。
「今日は体育で疲れたから、念入りに掃除してね?」
頰を赤らめながら、笑顔で話すお嬢様の期待に応えようと、指先を舌で舐める。
汗のこもった匂いと、少ししょっぱい味が口のなかに広がり、涙目になる。
だが、むせるわけにはいかないため、必死で飲み込み、別の場所を舐める。
その後も、別の指・足裏と順番に舐め、足全体を舐め終わる。
「いい子ね。今日は初めてだし、“このくらい”でいいわ。」
また、頭を撫でられ、わたしの顔が赤く染まる。
その後は、普通の家事をこなし、時間が過ぎていく。
普段、家の家事は自分でしているため、特に苦戦することもなく、一通り終えることができた。
「まだ時間があるし、一緒に宿題をしましょう?」
やることがなく、困っていたわたしにお嬢様が助け舟をくれた。
その上、勉強が苦手なわたしに、わかりやすく解き方まで教えてくれる。
そのおかげで順調に進み、かなり早い時間で終わることができた。
「ねえ、ふうか。…“お仕置き”って知ってる
?」
お嬢様の部屋で、冷蔵庫に入っていたケーキを一緒に食べていると、頰を赤くしながら聞いてきた。
「知ってるよ。悪いことをした子に、痛いことや嫌なことをするんでしょ?」
「そう。それよっ!」
“話が早い”
そんな様子を漂わせながら、お嬢様は、自分の膝を“ポンポンッ”として、わたしを見つめる。
「ふうか。いまからお仕置きするから、膝の上にきて?」
「えっ!?…でも、わたし悪いこと何もしてないよ。」
「一度、お仕置きがどうゆうものか、勉強したいの。“私の教育”もあなたの仕事でしょ?」
「うっ…。」
“仕事”と言われてしまうと、反論する理由が生まれることはなかった。
わたしは覚悟を決め、正座しているお嬢様の横に歩み寄る。
「…どうすればいいの?」
「膝の上に腹ばいになって。」
「それって…。」
「あら?もうわかったの?…本当に話が早くて助かるわ。」
お仕置きの内容が“なに”か、気づいてしまったわたしへ、お嬢様は笑顔を向ける。
そしてわたしは言われたとおり、膝の上に腹ばいになる。
「さぁて、悪いお尻を私に見せてね♫」
「…えっ!?ちょっとっ!?」
気がつくとわたしのズボンとパンツは、足首あたりまで降ろされていた。
恥ずかしさからお尻を隠そうと、手を伸ばすが、“グイッと”捻られ、背中の方に持ってこられた。
「こらっ、ダメでしょ?隠しちゃ。」
「だってぇ……。」
「ちゃんと反省できないなら“お仕置き”増やすよ?」
「うぅ……。」
同性の前とはいっても、お尻を出すこと自体が恥ずかしい。
“スースー”とする下半身が、わたしの羞恥心をひどく煽ってくるようだった。
「ちゃんと反省するから、せめて、パンツは履かせて。」
「だーめ。直接叩かないと意味がないでしょ。……それとも、どうしても“嫌”なの?」
「う…。」
「……どうするの?」
ここでわたしが嫌といえば、お仕置きは免れるだろう。
ただ、それはここでの仕事を“失う”という意味にもなる。
「…お、お仕置きを受けます。」
「違うでしょ。お仕置きを受ける時は、“お仕置きをお願いします”っていうのよ。」
「…はい、お仕置きをお願いします。」
「ん…。いい子。」
ここでも頭を撫でられる。
…ただ、今回は別の感情が勝り、すでに頰は真っ赤になっている。
「じゃあ、始めるわよ。“今日は”初めてだから、10発ね。」
「…はい。」
わたしは、手を“ぎゅっと”握り、衝撃がくるのを待った。
…だが、お嬢様は焦らしているのか、なかなか叩いてくれなかった。
パァンッ!
「ひぃっ!」
「1つ。」
完全に油断していたところに、平手が振り下ろされた。
当たったところがモミジの形のように、“じんじん”する痛みが発せられる。
バシッ!
「たぁいっ!」
「2つ。」
今度は真ん中より上の方に平手が当たる。
相変わらず鈍い痛みが、面積を広げわたしに襲いかかってくる。
バヂンッ!
「いったいっ!」
「3つ。」
右尻の下側、お尻と太ももの境目に振り下ろされる。
皮の薄い部分への衝撃は、最初の2発より、はるかに痛いものとなった。
「ちょっとまってっ!痛すぎるよっ!」
「お仕置きなんだから、痛くて当たり前でしょ?」
「いや…でも、…。」
「……やめる?」
「…………続きをお願いします…。」
“なでなで”
お尻を撫でられ、わたしの羞恥心がピークを迎えようとしている。
撫でられていた手は離れ、「はぁー」っと手に息を吹きかける音がした。
バヂンッ!バヂンッ!バヂンッ!バヂンッ!
「んっ!あぁっ!たいっ!きゃあっ!」
「4つ。5つ。6つ。7つ。」
帰ってきた平手は4発。わたしのお尻に跡を残す。
ここでついに、目から“暖かい雫”が流れ出てきた。
一度流れた雫は、勢いが止まらず、洪水となって押し寄せてくる。
「残り3回は本気で叩くから。覚悟してね?」
「…うぅ…。」
バッヂン!!
「いだいっ!!」
「8つ。」
これまでよりも明らかに強い一撃が、“無防備”なお尻を襲う。
もう痛くない部分がわからないほど、お尻全体から“鈍い痛み”が発せられていた。
バッヂィンッ!!
「いだぁぁっ!!」
「9つ。」
“ジクジク”と刺さるような痛みがお尻の真ん中を埋め尽くす。
『早く終わってっ!!』この思考が頭を埋め尽くすころに、また、「はぁー」っと息を吹きかける音が、頭の中にこだました。
バッヂィィンッ!!!
「だいぃぃぃっ!!」
「10。」
最後の1発が振り下ろされる、
お尻から手が離れると、当たった部分が、手形の範囲で“ズキズキ”と痛み出した。
「ひっぐ……グスッ…。」
「はい、おしまい♫」
ようやく掴まれていた手が離され、自由となる。
真っ先に手を当てると、お尻全体から“熱”が発せられている状態だった。
それと同時に、“ジクジク”とした痛みが一気に襲いかかってくる。
「いっ!?」
「いきなり触っちゃダメよっ。
今タオルを持ってくるからちょっと待ってて。」
わたしをお膝から下ろすと、部屋を出ていった。
帰ってくるころには、大きめの洗面器が手に握られていた。
「ちょっと染みるけど、我慢してね。」
「んっ!?」
洗面器の中に浸していたタオルを絞ると、わたしのお尻に乗せる。
突然の感覚に、つい声を上げてしまう。
「痛くしないで…。」
「もうお仕置きじゃないから、痛くしないわよ。」
その後、お尻に塗り薬も塗られ、心地よい気分に浸っていた。
お嬢様はわたしの身体を抱き上げると、ほっぺにキスをする。
「お母様への提示報告で“このこと”は言わないで欲しいの。」
わたしの耳元で、恐々とささやかれる。
その可憐な様子に、少し、意地悪をしたくなってくる。
「えー、どうしようかな…。」
「お願いっ!ふうか。」
「…じゃあ、一つ条件があるの。」
「な、なに?」
「…しばらく、このままの姿勢でいさせて。」
「…いいわよ。」
お嬢様は笑顔で応じてくれた。
了承を得たわたしは、お嬢様の胸に顔をうずめた。
柔軟剤の香りと暖かい体温が安心感を与えてくれる。
・
しばらくすると、わたしは電話で“秘書さん”に提示報告を終え、帰宅の準備をする。
お嬢様は寂しそうにしていたが、明日も会えると説得し、なんとか笑顔になってくれた。
夏の夕暮れが夜を告げるころ、マンションを出たわたしに、生ぬるい風が迎えてくれる。
『いろいろあったけど、続けられそうな気がする。』
そう思ったわたしは、明るい街灯の下、胸が高鳴なりながら、夜道を踏みしめた。
…といっても、資格はなく、協会に所属しているわけでもない。
あくまで、“個人的な依頼”として、この仕事をさせていただいている。
依頼主は、裕福な家庭の親御様で、普段は海外に出張しているため、家にいない。
その家に住む、“みさきちゃん”の身の回りのお世話を任された。
みさきちゃんは、まだランドセルを卒業しないくらいの年齢で、わたしと同じクラスの“同級生”だ。
わたしの家が貧しく、家賃の支払いすらぎりぎりの生活状況を見かねて、海外にいる両親に頼み込んでくれたらしい。
それから後日、わたしは“メイド”として、みさきちゃんが住むマンションで雇ってもらえることになった。
・
「じゃあ、まずは足を舐めて。」
わたしがメイドとなった初日。みさきちゃんから発せられた“第一声”がその言葉だった。
てっきり、家事を申しつけられるのだとおもっていたわたしは、動揺を隠すことができなかった。
「み、みさきちゃん…、あの…。」
「みさきじゃなくて、“お嬢様”でしょ。
これから、ここで働く時間はそう呼んでね。」
「は、はい…。み…お、お嬢様…。」
「ん…。いい子。」
頭を撫でられ、わたしは頰を赤くしてしまう。
お嬢様は椅子に座ると、くつ下を脱ぎ、左足を軽くわたしの方に伸ばした。
「じゃあ“ふうか”、足を舐めて?」
そして、はじめの状態に戻ってしまい、再度、困惑してしまう。
そもそも、これは“メイド”がする仕事なのだろうか。
疑問の念が消えず、つい口を開いてしまう。
「メイドって、家事をするのが仕事じゃないの?」
「そうね。家事と“私の身の回りのお世話”をするのが仕事よ。」
「……これは、身の回りのお世話なの?」
「そうよ。契約書に書いてあるでしょ?」
わたしの雇用が決まった日。家に郵送で契約書が届いていた。
そこには契約に関すること。仕事内容や注意事項も記載されている。
「その契約書にある、身の回りのお世話に関すること“注釈2”を見てみなさい。」
ランドセルから契約書を取り出し、言われた項目を確認する。
指で辿りながら項目を探すと、そこには
『※身の回りとは、身体に関すること。教育・掃除もここに含まれる。』
と記載されていた。
「つまり、私の足を舐めて綺麗に“掃除”することも、あなたの仕事なのよ?」
「………。」
「どうしても嫌なら、“辞める”?この仕事。」
お嬢様は残念そうに、くつ下を履き戻そうとした。
ここで辞めれば、また苦しい生活に戻ってしまう。
「な、舐めますっ!舐めさせてくださいっ!!」
「そう、よかった♫」
途中まで履いたくつ下を再度脱ぎ、足を向けられる。
わたしは、近くで膝立ちになり、両手で丁寧に足を支えると、“恐る恐る”足の親指を口の中に入れる。
「今日は体育で疲れたから、念入りに掃除してね?」
頰を赤らめながら、笑顔で話すお嬢様の期待に応えようと、指先を舌で舐める。
汗のこもった匂いと、少ししょっぱい味が口のなかに広がり、涙目になる。
だが、むせるわけにはいかないため、必死で飲み込み、別の場所を舐める。
その後も、別の指・足裏と順番に舐め、足全体を舐め終わる。
「いい子ね。今日は初めてだし、“このくらい”でいいわ。」
また、頭を撫でられ、わたしの顔が赤く染まる。
その後は、普通の家事をこなし、時間が過ぎていく。
普段、家の家事は自分でしているため、特に苦戦することもなく、一通り終えることができた。
「まだ時間があるし、一緒に宿題をしましょう?」
やることがなく、困っていたわたしにお嬢様が助け舟をくれた。
その上、勉強が苦手なわたしに、わかりやすく解き方まで教えてくれる。
そのおかげで順調に進み、かなり早い時間で終わることができた。
「ねえ、ふうか。…“お仕置き”って知ってる
?」
お嬢様の部屋で、冷蔵庫に入っていたケーキを一緒に食べていると、頰を赤くしながら聞いてきた。
「知ってるよ。悪いことをした子に、痛いことや嫌なことをするんでしょ?」
「そう。それよっ!」
“話が早い”
そんな様子を漂わせながら、お嬢様は、自分の膝を“ポンポンッ”として、わたしを見つめる。
「ふうか。いまからお仕置きするから、膝の上にきて?」
「えっ!?…でも、わたし悪いこと何もしてないよ。」
「一度、お仕置きがどうゆうものか、勉強したいの。“私の教育”もあなたの仕事でしょ?」
「うっ…。」
“仕事”と言われてしまうと、反論する理由が生まれることはなかった。
わたしは覚悟を決め、正座しているお嬢様の横に歩み寄る。
「…どうすればいいの?」
「膝の上に腹ばいになって。」
「それって…。」
「あら?もうわかったの?…本当に話が早くて助かるわ。」
お仕置きの内容が“なに”か、気づいてしまったわたしへ、お嬢様は笑顔を向ける。
そしてわたしは言われたとおり、膝の上に腹ばいになる。
「さぁて、悪いお尻を私に見せてね♫」
「…えっ!?ちょっとっ!?」
気がつくとわたしのズボンとパンツは、足首あたりまで降ろされていた。
恥ずかしさからお尻を隠そうと、手を伸ばすが、“グイッと”捻られ、背中の方に持ってこられた。
「こらっ、ダメでしょ?隠しちゃ。」
「だってぇ……。」
「ちゃんと反省できないなら“お仕置き”増やすよ?」
「うぅ……。」
同性の前とはいっても、お尻を出すこと自体が恥ずかしい。
“スースー”とする下半身が、わたしの羞恥心をひどく煽ってくるようだった。
「ちゃんと反省するから、せめて、パンツは履かせて。」
「だーめ。直接叩かないと意味がないでしょ。……それとも、どうしても“嫌”なの?」
「う…。」
「……どうするの?」
ここでわたしが嫌といえば、お仕置きは免れるだろう。
ただ、それはここでの仕事を“失う”という意味にもなる。
「…お、お仕置きを受けます。」
「違うでしょ。お仕置きを受ける時は、“お仕置きをお願いします”っていうのよ。」
「…はい、お仕置きをお願いします。」
「ん…。いい子。」
ここでも頭を撫でられる。
…ただ、今回は別の感情が勝り、すでに頰は真っ赤になっている。
「じゃあ、始めるわよ。“今日は”初めてだから、10発ね。」
「…はい。」
わたしは、手を“ぎゅっと”握り、衝撃がくるのを待った。
…だが、お嬢様は焦らしているのか、なかなか叩いてくれなかった。
パァンッ!
「ひぃっ!」
「1つ。」
完全に油断していたところに、平手が振り下ろされた。
当たったところがモミジの形のように、“じんじん”する痛みが発せられる。
バシッ!
「たぁいっ!」
「2つ。」
今度は真ん中より上の方に平手が当たる。
相変わらず鈍い痛みが、面積を広げわたしに襲いかかってくる。
バヂンッ!
「いったいっ!」
「3つ。」
右尻の下側、お尻と太ももの境目に振り下ろされる。
皮の薄い部分への衝撃は、最初の2発より、はるかに痛いものとなった。
「ちょっとまってっ!痛すぎるよっ!」
「お仕置きなんだから、痛くて当たり前でしょ?」
「いや…でも、…。」
「……やめる?」
「…………続きをお願いします…。」
“なでなで”
お尻を撫でられ、わたしの羞恥心がピークを迎えようとしている。
撫でられていた手は離れ、「はぁー」っと手に息を吹きかける音がした。
バヂンッ!バヂンッ!バヂンッ!バヂンッ!
「んっ!あぁっ!たいっ!きゃあっ!」
「4つ。5つ。6つ。7つ。」
帰ってきた平手は4発。わたしのお尻に跡を残す。
ここでついに、目から“暖かい雫”が流れ出てきた。
一度流れた雫は、勢いが止まらず、洪水となって押し寄せてくる。
「残り3回は本気で叩くから。覚悟してね?」
「…うぅ…。」
バッヂン!!
「いだいっ!!」
「8つ。」
これまでよりも明らかに強い一撃が、“無防備”なお尻を襲う。
もう痛くない部分がわからないほど、お尻全体から“鈍い痛み”が発せられていた。
バッヂィンッ!!
「いだぁぁっ!!」
「9つ。」
“ジクジク”と刺さるような痛みがお尻の真ん中を埋め尽くす。
『早く終わってっ!!』この思考が頭を埋め尽くすころに、また、「はぁー」っと息を吹きかける音が、頭の中にこだました。
バッヂィィンッ!!!
「だいぃぃぃっ!!」
「10。」
最後の1発が振り下ろされる、
お尻から手が離れると、当たった部分が、手形の範囲で“ズキズキ”と痛み出した。
「ひっぐ……グスッ…。」
「はい、おしまい♫」
ようやく掴まれていた手が離され、自由となる。
真っ先に手を当てると、お尻全体から“熱”が発せられている状態だった。
それと同時に、“ジクジク”とした痛みが一気に襲いかかってくる。
「いっ!?」
「いきなり触っちゃダメよっ。
今タオルを持ってくるからちょっと待ってて。」
わたしをお膝から下ろすと、部屋を出ていった。
帰ってくるころには、大きめの洗面器が手に握られていた。
「ちょっと染みるけど、我慢してね。」
「んっ!?」
洗面器の中に浸していたタオルを絞ると、わたしのお尻に乗せる。
突然の感覚に、つい声を上げてしまう。
「痛くしないで…。」
「もうお仕置きじゃないから、痛くしないわよ。」
その後、お尻に塗り薬も塗られ、心地よい気分に浸っていた。
お嬢様はわたしの身体を抱き上げると、ほっぺにキスをする。
「お母様への提示報告で“このこと”は言わないで欲しいの。」
わたしの耳元で、恐々とささやかれる。
その可憐な様子に、少し、意地悪をしたくなってくる。
「えー、どうしようかな…。」
「お願いっ!ふうか。」
「…じゃあ、一つ条件があるの。」
「な、なに?」
「…しばらく、このままの姿勢でいさせて。」
「…いいわよ。」
お嬢様は笑顔で応じてくれた。
了承を得たわたしは、お嬢様の胸に顔をうずめた。
柔軟剤の香りと暖かい体温が安心感を与えてくれる。
・
しばらくすると、わたしは電話で“秘書さん”に提示報告を終え、帰宅の準備をする。
お嬢様は寂しそうにしていたが、明日も会えると説得し、なんとか笑顔になってくれた。
夏の夕暮れが夜を告げるころ、マンションを出たわたしに、生ぬるい風が迎えてくれる。
『いろいろあったけど、続けられそうな気がする。』
そう思ったわたしは、明るい街灯の下、胸が高鳴なりながら、夜道を踏みしめた。
0
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
シチュボ(女性向け)
身喰らう白蛇
恋愛
自発さえしなければ好きに使用してください。
アドリブ、改変、なんでもOKです。
他人を害することだけはお止め下さい。
使用報告は無しで商用でも練習でもなんでもOKです。
Twitterやコメント欄等にリアクションあるとむせながら喜びます✌︎︎(´ °∀︎°`)✌︎︎ゲホゴホ
さくらと遥香
youmery
恋愛
国民的な人気を誇る女性アイドルグループの4期生として活動する、さくらと遥香(=かっきー)。
さくら視点で描かれる、かっきーとの百合恋愛ストーリーです。
◆あらすじ
さくらと遥香は、同じアイドルグループで活動する同期の2人。
さくらは"さくちゃん"、
遥香は名字にちなんで"かっきー"の愛称でメンバーやファンから愛されている。
同期の中で、加入当時から選抜メンバーに選ばれ続けているのはさくらと遥香だけ。
ときに"4期生のダブルエース"とも呼ばれる2人は、お互いに支え合いながら数々の試練を乗り越えてきた。
同期、仲間、戦友、コンビ。
2人の関係を表すにはどんな言葉がふさわしいか。それは2人にしか分からない。
そんな2人の関係に大きな変化が訪れたのは2022年2月、46時間の生配信番組の最中。
イラストを描くのが得意な遥香は、生配信中にメンバー全員の似顔絵を描き上げる企画に挑戦していた。
配信スタジオの一角を使って、休む間も惜しんで似顔絵を描き続ける遥香。
さくらは、眠そうな顔で頑張る遥香の姿を心配そうに見つめていた。
2日目の配信が終わった夜、さくらが遥香の様子を見に行くと誰もいないスタジオで2人きりに。
遥香の力になりたいさくらは、
「私に出来ることがあればなんでも言ってほしい」
と申し出る。
そこで、遥香から目をつむるように言われて待っていると、さくらは唇に柔らかい感触を感じて…
◆章構成と主な展開
・46時間TV編[完結]
(初キス、告白、両想い)
・付き合い始めた2人編[完結]
(交際スタート、グループ内での距離感の変化)
・かっきー1st写真集編[完結]
(少し大人なキス、肌と肌の触れ合い)
・お泊まり温泉旅行編[完結]
(お風呂、もう少し大人な関係へ)
・かっきー2回目のセンター編[完結]
(かっきーの誕生日お祝い)
・飛鳥さん卒コン編[完結]
(大好きな先輩に2人の関係を伝える)
・さくら1st写真集編[完結]
(お風呂で♡♡)
・Wセンター編[不定期更新中]
※女の子同士のキスやハグといった百合要素があります。抵抗のない方だけお楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる