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“ダメダメ”なお姉ちゃんと、“しっかり者”の妹ですっ!

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「もう、お姉ちゃんっ!早く起きないと遅刻するよっ!」

スズメのさえずりが朝を知らせる時刻。
部屋の中に“目覚まし代わり”の声が鳴り響いた。

わたしは掛け布団を引き剥がし、“こたつで丸くなった猫”のような姉を夢から戻す。

「…んー。あと、ごふん…。」

「それさっきも聞いたからっ!……もう、“お仕置き”するよ?」

“パチッ!”

そんな効果音が聞こえてきそうな程に、お姉ちゃんの目が勢いよく開く。
普段、“聴き慣れている”であろうこの言葉は、いつもわたしの手を焼かすお姉ちゃんへの“いい薬”となっている。

「おはよう、お姉ちゃんっ♫」



わたしには、1つ年上の姉がいる。
…といっても、“ダメダメ”なので、普段、仕事で家にいない母の代わりに、わたしが“しつけ”を任されている。

姉とは血が繋がっておらず、わたしは父の連れ子だ。
父は2年前に事故で亡くなり、今は母と姉の3人暮らしをしている。

戸籍上では、義理の姉だが、わたしにはそんなことは関係ない。
むしろ、血が繋がっている姉妹よりも、仲が良い自信があるくらいだ。



窓から差し込む西日が、部屋をオレンジに照らす頃。
学校から帰ったわたしは、キッチンで夕飯の支度をしていた。

「ゆい…。ただいま…。」

リビングのドアが開く音と同時に、お姉ちゃんの声が聞こえてきた。
…なんだろう、元気がない。

「おかえり、お姉ちゃん♫今日は遅かったね?」

「うん、ちょっとね…。」

その時、お姉ちゃんがカバンを庇うようにする仕草を見逃さなかった。
『…?もしかして…。』

「お姉ちゃん、そういえばこの前、テストの勉強教えてあげたよね?
…そろそろ結果がくる頃じゃないかな?」

「…っ!?」

『…やっぱり。』

さらにカバンを大事そうに庇う様子に、
もはや確信したわたしは、冷ややかな目でお姉ちゃんを見つめた。

「お姉ちゃん、わたしに何か隠してない?」

「べ、別に隠してなんか…」

「もし嘘をついたら…、わかってるよね?」

満面の笑みで、お姉ちゃんを見つめる。
…すると観念したのか、涙目でカバンの中身をわたしに差し出した。

「この前のテストが、帰ってきました…。」

「…17点。」

予想よりも遥かに低い点数が、テスト用紙に“でかでか”と記載されていた。
…いや、そのことよりも問題なのは。

「この前、わたしが教えてあげたとこ、全部空欄じゃんっ!?」

「ご、ごめんなさい。」

「……言い訳はお膝の上で聴きます。
ご飯が出来たら呼ぶから、“覚悟”しててね?」

「…はい。」

お姉ちゃんが“トボトボ”と、自分の部屋に行くのを見届けると、わたしは夕飯の支度を再開した。



「さて、お姉ちゃん。何か言うことはあるかな?」

膝の上にいる姉のお尻を“ペンペンッ”としながら問いかける。
すでにズボンとパンツは足首らへんまで下ろして、お尻は丸見えの状態だ。

「…思ったより問題が難しくて…。」

「わたしが教えたところは?ほとんど、そのままで出てたよね?」

「途中でシャーペンの芯が切れちゃって…。換えの芯も、買い忘れてたの…。」

「そのこと、途中で先生には言わなかったの?」

「……シャー芯が切れたなんて言うの、恥ずかしくて。」

「……はぁ。」

相変わらずの“ダメダメっぷり”に、つい、ため息が出てしまった。
今に始まったことではないが、そろそろ直してほしいと思うのも、事実である。

「お姉ちゃん、お仕置きをします。」

「はい…。」

「テストの点が悪かったこと・シャー芯を買い忘れたこと・…そして、わたしが教えてあげたところをできなかったこと。
この罰として、お尻を30回“ペンペン”します。…耐えられるね?」

「………。」

パァンッ!

「いっ!?」

「…返事は?」

「は、はいっ!!」

真っ白なお尻に1つ、くっきりと“モミジマーク”ができる。
普段はつい甘やかしてしまうが、お仕置きの時にはきっちりとするのが、わたしのモットーである。
今は心を“鬼”にして、モミジが出来た部分をさすった。

「じゃあ、始めるよ。」

「…お仕置き、お願いしますっ!」

バッヂンッ!

「いだいっ!」

「…1つ。」

さっきよりも濃い赤色で、2枚目のモミジが浮かぶ。
叩く手も“じんじん”とするが、気を引き締めるため、“ぎゅっと”拳を握りしめる。

「次、連続でいくよっ!」

「は、はいっ!」

バッヂンッ!!バヂンッ!パァンッ!パァンッ!パァン!
バッヂンッ!!パァンッ!バシッ!バシッ!バヂンッ!

「だぁぁいっ!いっだぁぁぁいっ!」

「2・3・4・5・6・7・8・9・10・11」

“痛々しい”モミジの跡が彩られていく。
もはや、お尻に白い部分はほとんどなく、満開となったモミジが“赤々”と散りばめられていた。

「はあっ…はぁ…。」

「ほら、気を抜かないっ!」

バッヂィン!

「あ゛あぁっ!!」

「12。」

無防備なお尻に強めの1発を打ち据える。
すでに赤いお尻に、真っ赤なモミジがくっきりと浮き上がった。

…ここで、お姉ちゃんの身体が“もぞもぞ”と動き出す。

“ギュッ”

「い゛っ!」

「……お姉ちゃん、“この手”は何かな?」

わたしは笑顔で、“お尻に伸びた”お姉ちゃんの手の甲を抓りあげる。

「…反省ができないなら、ペンペンだけじゃなくて、“もっと厳しい”お仕置きに変更する?」

「ひぃっ!?」

…実際これは脅しではない。
前もこういうことがあり、わたしは“別のお仕置き”をしたことがあった。

あの時のお仕置きは、正直、少し“やり過ぎ”てしまったということを、覚えている。

その話は、また別の機会にしようと思う。

「…どうなの?」

“ギュゥゥゥッ”

「い゛ぃぃっ!!…ちゃんと受けれますっ!もう庇いませんっ!!」

涙を流しながら、必死でわたしにお願いする。
その愛くるしい姿に、お姉ちゃんを抱きしめたくなるが、必死に我慢した。

「……じゃあ、今回だけは見逃してあげる。」

“パッ”とお姉ちゃんの手を離すと、急いで元の姿勢に戻している様子だった。

「……グスッ…。」

「…お礼は?」

バヂンッ!

「いっだいっ!…あ、ありがとうございますっ!!」

お礼の言えないお姉ちゃんへ“きつい一撃”を与える。

そして、お姉ちゃんの背中を抑える手が次第に熱くなり、汗をかき始めているのがわかった。

『…早く終わらせなきゃっ。』

あまり“厳しすぎ”てもいけないため、わたしは額に流れる汗を拭い、気を引き締める。

「お姉ちゃん。また連続だよっ!…覚悟はいい?」

「…グスッ…。はい、おねがいじます。」

バッヂィンッ!バヂンッ!バヂンッ!バヂンッ!バッヂィィンッ!!
パァンッ!パァンッ!パァァンッ!!バヂンッ!バヂンッ!

「あ゛ぁぁぁっ!!いっだぁぁいっ!!」

「13・14・15・16・17・18・19・20・21・22」

さっきよりも強めに平手を打ち下ろし、そのたびにお姉ちゃんの身体が仰け反った。

それと同時に、わたしの手にも“ビリビリ”と痛みが押し寄せてくる。

「…うぇぇーんっ!ゆいぃぃっ!ごめんなざいぃぃっ!!」

ついにお姉ちゃんは“小さい子供”のように泣き出してしまった。

わたしはその“小さな”お尻をさすりながら、お姉ちゃんが落ち着くまで少し待つことにする。



「…グスッ…。いだいぃ…。」

「……お姉ちゃん。そろそろ続きするよ?」

わたしはお姉ちゃんのお尻を“ペンペンッ”として、続きを促す。

「あ゛ぃ…。」

健気に返事をしてお尻に力を入れるのを確認できた。

「ここからは“本気”で叩くからね。」

わたしはそう宣言し、自分の手に“はぁーっ”と息を吐きかける。

“ビクッ”

お姉ちゃんは震えながら、必死に厳しい平手打ちを待っている状態のようだった。

バッヂィンッ!バッヂィンッ!バッヂィンッ!

「いっだいっ!!」

「23・24・25」

3連続で真ん中の部分を叩く。
もはや痛々しいその様子は、わたしも“ゴクリッ”と息を呑むほどのものだった。

パァァンッ!!パァァンッ!!

「んぐぅっ!!もうゆるじてぇっ!!」

「26・27」

「…ほら、あと3回だよ。」

左右のお尻に平手を浴びせる。
もはや心が折れかけているお姉ちゃんを鼓舞するように、わたしは残りの回数を伝えた。

バッヂィィンッ!!

「あ゛あぁんっ!!」

「28」

バッヂィィンッ!!

「いっだぁぁいっ!!」

「29」

真ん中にこれまでよりも強めの平手を1発ずつ与える。

息が乱れたお姉ちゃんを待つ間、わたしは再び自分の手に“はぁーっ”と息を吹きかけた。

バッヂィィィンッ!!!

「ぎゃあぁぁぁっ!!」

「30」

渾身の力をお姉ちゃんへとぶつける。
真っ赤なお尻の真ん中に、少し紫がかった手形が浮かび上がるのを確認できた。

「はい、おしまいだよっ!」

「うぇぇーんっ!!いだいよぉっ!!」

「よしよしっ。お仕置きちゃんと受けられて偉かったよ、お姉ちゃんっ♫」

罪を償い終わったお尻を優しく撫でると、“ビクッ”とお姉ちゃんが反応した。

「あっ…、ごめん。お尻は痛かったね。……じゃあこっちを。」

「うぅぅ。…ゆいのいじわる。」

少し“からかい”を交えながら、わたしはお姉ちゃんの頭を撫でて、なだめていく。

お姉ちゃんの真っ赤になってる頰は、“別の恥ずかしさ”も加わり、更に赤くなっている予感がした。

「ほらっ。せっかく作ったご飯が冷めちゃうよ?もうご飯にしよ?…今日はお姉ちゃんが好きなハンバーグだよっ♫」

わたしの作るハンバーグは、いまだにお姉ちゃんが1番好きな料理らしい。

好物に釣られたお姉ちゃんは、真っ赤に腫れたお尻を庇いながら、必死に起き上がろうとしていた。

“ぎゅっ”

「っ!?…ゆい?」

「こ、これは…お仕置きを頑張ったお姉ちゃんへの“ご褒美”だよ。……だから、少しこのままでいてね。」

もはや、我慢ができなかった“わたし”は、お姉ちゃんの胸に顔を押しつける。

きっと、わたしの“きもち”に気づいているであろうお姉ちゃんは、優しくわたしを抱きしめた。

「ほんと、ゆいはいつまでも子供なんだから。」

「……お姉ちゃんのバカ。」

…すっかり立場が逆転してしまったけど、これが“わたしたち”の日常である。

そして、この優しい時間は、わたしたちの心を優しく満たしていくのだった…。


「完」
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