わたしの家の“変わったルール”

ロアケーキ

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お姉ちゃんからの“看病” (番外編)

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お姉ちゃんがお皿を割り、“わたし”に罰が与えられた翌日。
わたしのお尻は限界を超えて叩かれ、長時間椅子に座ること・まともに歩くことが困難な状態になっていた。

その日は本来学校に行く日だが、お尻の様子を見た母から「3日間のお休み」を宣言された。

…ただ、母は今日から5日ほど家を開けるため、家にはわたししか居なくなってしまう。

……なので、“優しい”お姉ちゃんがわたしの「看病」をするといい、一緒にお休みを取ることになった。

………そしてこれが、わたしの“地獄”の3日間の始まりとなる。

・・・

「じゃあ行ってくるけど、まいのことお願いね。」

「うんっ!任せてっ!!…ママッ、いってらっしゃいっ♫」

「いってきます。」

玄関の方から母と姉の会話が聞こえる。

わたしは一人で大丈夫だと言ったのに、結局姉も一緒に残ることになってしまった。
お姉ちゃんは普段優しいけど、たまに“イジワル”になるときがある。
今日はそんな“イジワル”をされなきゃいいんだけど…。

わたしは少し“憂鬱”な気持ちを感じながら、ベッドの上でうつ伏せになっていた。
…お尻がこの状態なので、下半身は何も履いていない。

……もはや“お仕置き”を待つような格好だが、今日は母がいないので少しだけ安心できる。

『だからお姉ちゃん、…お願いだからそっとしておいてね。』

そんな淡い期待を抱きながらわたしはそっと目を閉じる。

…だが、この期待が長く続くことはなった。

ガチャッ

「まい、おはようっ♫」

わたしの部屋の扉が開き、満面の笑みでお姉ちゃんが入ってくる。

『うぅ…、お姉ちゃん…。』

心のどこかで予想をしていた展開に、わたしは少しやつれた表情でお姉ちゃんを見上げた。

「お、お姉ちゃん…、おはよう。」

「まい、お尻の様子はどう?」

ピクッ

お尻をこんな状態にした“原因”を作ったお姉ちゃんが、そんなことを聞いてくる。
そのことにわたしの眉が冷静を保つことができなかった。

「う、うん…。すっごく痛いけど、…なんとか大丈夫。……たぶん。」

『誰のせいだと思っているのっ!?』

本当はこう言ってやりたい気分だが、後でお母さんにバラされると、わたしは二度と椅子に座れなくなってしまうかも知れない…。

そのため、頰を膨らませながら、お姉ちゃんを軽く睨みつけることしかできなかった。

「……そっか、大丈夫ならよかったっ♫…こことか特に腫れてるよね。……そうだ、早く治るように、またお姉ちゃんがなでなでしてあげるね♫」

「さ、触らないでっ!?」

相変わらずわたしのお尻を撫でようとする姉へ、わたしはまた条件反射のように言葉を投げつける。
…大体、お姉ちゃんがあの時撫でたから、“こんなに酷く”なったのだ。

わたしはつい涙目で睨むと、お姉ちゃんの手が止まった。

「ま、まい…。グスッ…ごめんなさい、……ただ、まいが早く良くなればって思って…。」

その瞬間、お姉ちゃんの目からは涙が決壊したように流れ出す。

「な、泣かないでっ!?」

「グスッ…ごめんなざぃ。…ごべんなざい。」

『ま、まずいっ!?』

いまは母がいないとはいえ、お姉ちゃんが泣いてしまったことは後で“必ず”報告されてしまう。
…そうなれば当然、わたしのお尻はまた悲鳴をあげることになる。

「お、お姉ちゃん…、好きなだけ触っていいから。……だからお願い。……いま泣いたことはお母さんに言わないで…。」

「グスッ……ありがとう、まいっ♫…じゃあいっぱいなでなでしてあげるねっ♫」

いま泣いていたのが嘘のように、お姉ちゃんは満面の笑みになる。

…こうするしかなかったのだ。
……でなければ、“後から”わたしのお尻が。

そんなことを考えていると、お姉ちゃんの手がすうっと手が伸びてくる。

ピトッ

ズキィィッ

「っ。……ぎゃぁぁぁぁっ!?」

お尻の中で特に強く叩かれた部分に手が当てられる。
…その瞬間、わたしのお尻から激痛が押し寄せてきた。

「だ、大丈夫、まいっ!?」

なでなでなでなで

「い、いっだぁぁいっ!?」

「…ほら、きっと少しずつ良くなってきてるよっ♫」

「お、おねぇぢゃん…、も、もう…、げんか…」

「次はここを良くしてあげるねっ♫」

なでなでなでなでなでなで

「あ゛あぁぁぁっ!?」

お姉ちゃんの手がひと撫でするごとに、わたしの身体からは脂汗が吹き出していく。
ベッドのシーツを強く握り締めながら必死で耐えるが、それも時間の問題になってきた。

「でも撫でるだけじゃ駄目だよね…。……そうだっ!!」

お姉ちゃんは撫でる手を離すと、そのまま部屋から出て行く。

「はぁ…、はあ…。」

残されたわたしは身体をビクッビクンッと痙攣させ、少しでもダメージが逃げるように息を荒くしていた。

「まいっ、お待たせっ♫」

そんな中、お姉ちゃんの元気な声が聞こえる。

ゆっくりと声のした方を見ると、…その手にはチューブ状の“ワサビ”が握られていた。



「お、お姉ちゃん…、それ…。」

なんでいま“そんなもの”を持ってきたのだろう。
まったく状況がわからない展開に、わたしの頭は混乱していった。

「だってまい、ワサビ好きでしょ?…お寿司の時はよく付けてるの見てたし。」

「そ、そうだけど…。」

確かに最近になってワサビが好きになったが、それは質問の答えにはなっていない。
尚もつきない疑問に、お姉ちゃんは言葉を続ける。

「だから、好きな食べ物を食べれば元気になると思って、…あと、お尻のお薬が切れてるからこれを“代わり”に塗ってあげるねっ♫」

…。

……。

お姉ちゃんは一体なんと言ったのだろう。
一応何か言った気がしたが、わたしはまったく理解をすることが出来なかった。

ワサビを食べる?しかもお尻に塗る?……なんで?

そんなわたしの思考がまとまる前にお姉ちゃんはワサビの蓋を外し、笑顔で近づいてくる。

「じゃあまずはお口からね、…ほら、お口を開けてっ、まいっ♫」

チューブのキャップを取ったワサビの先端がわたしの口元に近づけられる。

「ま、まって、お姉ちゃん…、…お姉ちゃんは食べないから知らないかもしれないけど、ワサビはすごく辛いのっ。…だからそれだけじゃ食べられな…」

「ふーん、そうなんだっ♫」

グリッ

「んぐっ!?」

「でも好きなんだから…、食べられるよね♫」

その瞬間、わたしの口の中にワサビの先端が入れられた。

ま、まさか…。

グリュッ

…そして、効果音が響くと、先端からは大量のワサビが流しこまれる。
しかも結構口の奥につっこまれたため、そのまま飲み込んでしまった。

「…どう?おいしい?…美味しいよね?」

「あ…、あ、…ぎゃぁぁぁぁっ!?」

からいっ!がらいっ!?あづいっ!いだいぃぃっ!?

口の中・喉の奥から発せられるさまざまな刺激が、わたしの声を上げさせる。
なんとか吐き出そうとするが、すでに飲み込んでしまっているため、身体の中に段々と“熱い”感覚が襲いかかってきた。

「お、お゛ねえぢゃんのばあぁぁっ!?」

「っ!?」

わたしは大粒の涙を流しながらベッドから起きあがろうと腰を上げる。
だが、その瞬間ズキィィッとした痛みが下半身から発せられ、そのままベッドに倒れ込んでしまった。

「お、おみずっ!?おみずぅっ!!」

「…まい、お水持ってきてあげよっか?」

「っ!?は、はやくっ!はやくもってきてぇっ!!」

「……じゃあ、これお尻に塗り終わったら持ってきてあげる。」

グリュッ、グリュッ

そういうとお姉ちゃんはワサビをわたしのお尻に出し、手で染み込ませるように塗りだした。

「ぎゃぁぁぁぁっ!?」

「あぁ…、もう無くなっちゃった。」

「いだいぃぃっ!?あづいぃぃっ!!」

お尻から発せられる危険信号が、わたしの叫びとなっていく。
すでに痣だらけのお尻では、新たにジクジクとした痛みが生まれていた。

「わー、まいのお尻緑色だよぉっ!きっとこれでお尻も良くなるねっ♫」

「おねえぢゃんっ!おねがいだがらおみずもっできてぇっ!!」

わたしのお尻を見て笑顔を浮かべるお姉ちゃんに、ついにイライラのピークがきてしまう。

「…しょうがないなぁ。……じゃあ、約束だからお水持ってきてあげるね。」

お姉ちゃんはしぶしぶといった表情になった後、部屋を出て行く。

ズキィィッ

「い゛っ!?」

恐る恐るゆっくりと自分のお尻に触れてみると、想像を絶する痛みへと変わっていた。



「まい、おまたせっ♫」

少し時間が経ったころ、ようやくお姉ちゃんが戻ってくる。
たぶんそんなに時間は経っていないのかも知れないけど、わたしにとっては何時間も待たされた気分だった。

「はい、お水だよっ♫」

お姉ちゃんが手に持ったコップをわたしへと渡す。
わたしは急いで受け取りお水を口に入れた。

「…ん゛っ、ゴホッゴホッ、づ、づめだいっ!?」

口の中に広がる焼かれるような痛みに、わたしはお水を少し吐き出してしまう。
手元を見ると、コップの中には大量の“氷”が入っていた。

「だって、“熱い”って言ってたから、冷ましてあげようと思ってっ♫」

…。

「それよりまい、お水をこぼしちゃ駄目じゃない。」

「……ご、ごめんなざい…。」

「だーめ、お水をこぼす悪い子には“お仕置き”しなくっちゃねっ♫」

「えっ!ちょっ!?」

お姉ちゃんはベッドの上に座り、わたしの腕を掴む。
そのままわたしはお膝の上に連行され、腹ばいにさせられた。

「お、…お姉ちゃん?」

「ママからまいの“躾”も任されてるから、ちゃんとお仕置きするよ?」

「しつけ……お仕置きって何するの…?」

「もっちろんっ♫お尻ペンペンだよ?」

そういうとお姉ちゃんはわたしの背中を押さえる。

バヂンッ!

「っ!…いっだぁぁぁいっ!?」

お尻にいきなり衝撃が走り、それと同時にズキズキとした痛みが押し寄せてきた。
あまり強く叩かれていないはずなのに、昨日までに蓄積されたダメージがわたしに襲いかかってくる。

「お、お姉ちゃん、…おじりすっごくいだいの…。だから、お尻ペンペンだけはゆるして…。」

「お仕置きなんだから、痛いのは当たり前でしょ?…ほら、次は連続で行くよ?」

「ま、まってぇっ!?」

バヂンッ!バヂンッ!バヂンッ!

「ぎゃぁぁぁぁっ!!」

バッヂィィンッ!!

「っ!…もうゆるじてぇっ!?」

すでにわたしの目からは涙が溢れ出し、床には水たまりを作っている。
…でも、お姉ちゃんのお仕置きは、まだまだ終わりそうにない。

……せっかくお休みをもらって安静にするはずのお尻をどんどん痛みつけられていく感覚が、わたしの中に“絶望感”を抱かせていった。



「ほら、お尻ペンペンはもう終わりだよ?」

「……グスッ。…おじりいだいぃぃ。」

結局あの後散々お尻を叩かれ、せっかく少し引いてきた痛みが倍以上になって戻ってきた感じだった。

…なんで、わたしだけ“こんな目”にあわなくちゃいけないの?

……。

「じゃあお風呂でお尻流そっかっ♫…ほら、いくよ?」

お姉ちゃんはわたしを膝から落ろし、腕を引っ張る。
昨日散々“おまた”を叩かれたこともあり、わたしはぎこちなく足を動かした。

「じゃあ服をめくって水がつかないようにして。」

お風呂場に着くとお姉ちゃんはわたしの後ろにしゃがみ、シャワーを持った。

そしてお湯の温度を調節すると、ゆっくりとお尻に向ける。

バシャァァァ

「ひゃうぅっ!?」

きちんと調節されているはずなのに、シャワーの強さがわたしのお尻を痛めつける。
だが、お姉ちゃんは気にせずお尻全体にシャワーを浴びせていった。

ギュッ

「い゛いぃぃっ!」

「ほら、動かないの。これも“お仕置き”なんだから、ちゃんと受けないとお尻つねるよ?」

「えっ!お仕置きってもう終わりじゃ…。」

「終わったのは“お尻ペンペン”だけだよ?…ほら、また動いた。」

ギュウッ

「あ゛あぁぁぁっ!?」

ダンッ!ダンッ!

お姉ちゃんの指が、わたしの特に痛がっている部分をつねりだす。
想像を絶する痛みから、わたしは地団駄を踏んでしまう。

「ちょっとまいっ!私にお水かかったじゃないっ!!」

「ご、ごめんなざいっ!?」

「……ふーん。そんなにつねって欲しいんだ?」

「ち、ちがっ!?」

ギュウゥゥゥ

「ぎゃぁぁぁぁっ!?」

お姉ちゃんの指が、また同じ場所をつねり出した。

「…お尻だけじゃ足りないよね?」

そういうとお姉ちゃんはわたしの正面に来て、わたしの“おまた”をジーっと見つめ出す。

…ま、まさか。

「“ここ”もいっぱいつねってあげるねっ♫」

「お、お姉ちゃん…、そこだけは…。」

ギュッ

「い゛いぃっ!?」

ギュッ ギュウゥゥゥ

「いだぃぃぃぃっ!!」

お姉ちゃんはわたしの秘部の両唇を摘み、力いっぱいにつねり出す。

「私よりも“成長”してるんだから、…我慢できるよね♫」

ギュウッ

「いぎぃぃぃっ!?」

お姉ちゃんのつねる強さが更に増し、それに比例してわたしのおまたから発せられる悲鳴も強くなっていく。

「…次は太ももをつねるから覚悟してねっ♫」

「も、もういやぁ…。」

お姉ちゃんの右手が昨日“何回も叩かれた場所”に近づいて来るのがわかる。

…でも、わたしにはその様子をただ“眺める”ことしか出来なかった。



「はいっ、つねる時間はこれでおしまいっ♫」

「はぁ…はあ…。」

あれから結局、わたしの下半身全体がつねられ、細かい痣で覆われるまでこの時間は続いた。

「よしよし、よく頑張ったねっ!えらいよ、まいっ♫」

お姉ちゃんは“そのつねった手”でわたしの頭を優しく撫で、抱きしめてくる。

「グスッ…、お姉ちゃん…。」

その瞬間、不思議とこれまであったお姉ちゃんへの怒りの感情が薄れて行くのを感じる。

…いつも母からお仕置きを受けた後は、こんなに“優しく”されないのに。

「まい、ご飯にしよっか、…久しぶりに私が作ってあげるから待っててねっ♫」

「あ…。」

お姉ちゃんはわたしの下半身を丁寧にタオルで拭くと、手を“繋いで”キッチンまで連れて行ってくれる。

「まい、お尻を少しずつ下ろして。」

「…うん。」

そしてキッチンに着くとわたしを“ゆっくり”椅子に座らせ、朝ごはんの準備を始めていた。

「じゃあ、今日はまいの好きなチャーハンにするよっ♫」

エプロンをつけたお姉ちゃんが振り向き、満面の笑みを見せてくれる。

トントントンッ ジューッ

手際良くお野菜・お肉の順に火を通し、キッチンにいい匂いが漂ってきた。

グー…

不意にわたしのお腹が鳴ってしまい、お姉ちゃんがチラリとこちらを見る。

「もうちょっとで出来るから待っててねっ♫」

お姉ちゃんはまた笑顔を見せると、ご飯を卵を絡ませてフライパンに入れた。



「はいっ完成だよっ♫」

お姉ちゃんは2人分のお皿にチャーハンを分け、わたしの前に置いてくれる。

「はい、これスプーンとお水っ。“これは”お仕置きじゃないからゆっくり食べてねっ♫」

“優しい”お姉ちゃんが何もかもを準備してくれる。

「…いただきます。」

恐る恐るチャーハンを口に入れると、口の中には旨みが広がっていく。
…意外とお姉ちゃんは料理が得意なのだ。

「美味しい。」

「そう、よかったっ♫」

「……グスッ。」

「ん?…まい、どうしたの?」

料理を食べていると、自然とわたしの目からは涙が溢れ出してくる。

「…ごめんなさい。……こんなに“優しく”してもらえたのは久しぶりだから。」

「まい…。」

先程のお仕置きの時の涙とは違い、“温かさ”が感じられる気がした。

わたしは涙を拭うと、チャーハンの残りを頬張る。
…だが、一度出た涙はなかなか止まらず、結局チャーハンを食べ切るまで涙が溢れ続けた。



「ごちそうさまっ♫」

「…ごちそうさまでした。」

朝食が終わりわたしが一息付いていると、お姉ちゃんはわたしの食器ごと後片付けを始めた。

「…お姉ちゃん、ごめんなさい。わたしも今手伝うから…」

「いいから、まいはそのまま座ってて。」

「…うん。ありがとう。」

今日のお姉ちゃんは不思議と“頼もしく”見える。
…“あの日”以来こんなお姉ちゃんを見たのは初めてかも知れない。

「ふうっ、これでよしっとっ♫」

洗い物を済ませたお姉ちゃんは、笑顔でわたしのそばに寄ってくる。

「まい、一緒にリビングに行こっか?」

「うん。…その…お姉ちゃん……。」

「ん?どうしたの?」

「……さっきみたいに手を繋いでいい?」

「くすっ、いいよっ…ほらっ♫」

お姉ちゃんはわたしを抱き起こすと、手を差し出してくれる。
わたしはその手を握るとお姉ちゃんはリビングの方に歩き出した。



「じゃあまい、“お仕置き”の続きしよっか?」

「…え。」

リビングについて早々、お姉ちゃんは笑顔でそう告げてきた。

「お仕置き内容は、…さっきのお料理で足が疲れちゃったし、マッサージの意味も込めて“足舐め”ねっ♫」

その言葉を聞いて、わたしの中にいた“頼れるお姉ちゃん”のイメージが、またスウッと薄くなっていく。

ポスッ

「ほら、舐めて?」

そんなわたしの気も知らずに、お姉ちゃんはソファに座り、右足をわたしの前に突き出した。

「お、…お姉ちゃん。…今日はもうお仕置き許して……。久しぶりにお姉ちゃんと“仲良く”したいの。」

わたしは精一杯の願いを込めて、お姉ちゃんを見つめる。
正直、“仲良くしたい”という気持ちは本当なのだ。
…せめて、母がいないこの“貴重”な数日間だけでも。

「だーめ、お仕置きはお仕置きだよっ。……それとも、今日の夜ママに電話する?まいが“わがまま”言って私を困らせるって。」

「そ、それだけはっ!?」

「…じゃあ、……わかってるよね?」

そういうと、お姉ちゃんは再度わたしの方に足を向ける。

…どうして。
……ねえどうして、“お姉ちゃん”。

その瞬間、わたしの中にいた“頼れるお姉ちゃん”は完全に消え、いまは“いつもの”イジワルなお姉ちゃんがはっきりと現れている。

「ほら、最後のチャンスだよ?…足を舐めて。」

「…グスッ。」

わたしはお姉ちゃんの前で膝立ちになると、右足を両手で持つ。

「ちゃんと舐めれたら“今日の”お仕置きは許してあげるからね。」

そして、また“いつもの”ようにスマホをわたしの方に向けた。

ピッ

……たぶん、動画の撮影が始まったんだと思う。

わたしは涙目になりながら舌を足の指に近づける。

…うっ。

その味は予想通りとても不味く、吐き気を堪えるのが精一杯だった。

「…もっとちゃんと舐めて。」

お姉ちゃんの方を見ると顔が赤く染まり、足からも暖かさを感じていた。

…よく見ると、ミニスカートからチラッと見える下着には濃い色の“シミ”が付いている。
……なんでシミなんか付いてるんだろう。

「まい、…次は太ももを舐めて。」

「…うん。」

言われた通りに太ももへと舌を近づける。
下着の近くは舐めにくいため、スカートを捲りながら少しずつ舌を伝わせていった。

その味は足の指よりは少し“マシ”と言ったところだ。

「ん…、あ…。」

下着に近づくにつれ、お姉ちゃんの声が漏れ始める。
その下着は、なぜか先程見た時よりもシミが“濃く”なっていた。

「まい、次は左足を舐めて…。」

「…わかった。」



左足を舐め終わると、お姉ちゃんは自分の部屋に戻っていった。

わたしはぎこちなくキッチンに戻り、必死に“うがい”をしているところだ。

「うぇ…。口の中に“あの味”が残って気持ち悪い。」

何度うがいをしても消えることのない“味”に、涙が出てくる。

「まい、…うがい終わった?」

後ろを見ると、何故かワンピース姿に着替えたお姉ちゃんが立っている。

「ごめんね。…流石に私の足不味かったよね?」

「……大丈夫。…でもなんで着替えたの?」

「ちょっと“濡らし”ちゃって。」

…。

「…もうお仕置き終わりでいいんだよね?」

「うん、“今日の”お仕置きは終わりだよっ♫」

「…じゃあわたしは部屋に戻るね。」

そういうと、わたしはぎこちなく歩き出す。

本当は“仲良く”したかったのに、あんなことを言われてしまってはその気持ちも消え失せてしまった。

「まって、まい。」

「…なに?」

「んっ!?」

お姉ちゃんのほうを見た瞬間、いきなり抱きつかれた。

「お仕置き厳しくしちゃってごめんね。」

「…。」

「私がまいを“好き”な気持ちは変わんないから、…だから。」

「お姉ちゃん…。」

…お姉ちゃんは“ずるい”。
涙目になりながらわたしを見つめる様子に、さっきまでの“気持ち”が薄れていくようだった。

「だから、“これからも”仲良くしようねっ♫」

わたしのほっぺにキスをしたお姉ちゃんは、頰を赤くしながらまた抱きしめてきた。

それと同時に、わたしの目からはまた涙がツゥっと流れる。

…でも。
……この涙が“何に対して”の涙なのか、自分の中の感情がわからなくなっていた。

「まい、大好きっ♫」

「……わたしも、…お姉ちゃんのことダイスキ。」


「完」
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