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お皿を割った罰 (前編)
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わたしの名前は“宮野 まい”
普通の女の子だ。
でも、わたしの家には普通じゃないことがある。
それは、わたしとこの家で暮らす他の家族の血が繋がっていないことだ。
わたしは父の連れ子で、姉は母の子。
父は1年前にわたしを置いて逃げ出し、わたしは母の元で暮らすことになった。
まあ、そこだけ見れば、まだ同じ条件の人がいるかもしれない。
ただ、わたしの家にはそのほかに、決定的な違いがある。
・
休日の日。わたしはリビングで宿題をしていた。
吹き抜けのキッチンには、1つ年上の姉がいる。
母は2階で持ち込んだ仕事をし、穏やかな日常を過ごしていた。
…バリンッ!
何かガラスが割れる音がしたと思う。
その破裂音が、わたしの日常を壊していった。
「どうしたのっ!?」
音を聞き、2階から大慌てで降りてきた母が、状況を把握する。
母の大事にしていたアンティーク物のお皿。
このお皿だった物は粉々になって床に散らばり、無残な姿となっていた。
「どこか怪我してないっ!?」
いつもは冷静な母が血相を変え、怖い顔で姉の状態を確認した。
幸い姉に怪我はなく、母はホッとし、素早く割れたお皿を片付けた。
「ママ…ごめんなさい…」
「いいのよ…お姉ちゃんは悪くないんだから」
母は姉を抱きしめると、頭を撫でた。
「さて、まい?わかってるわね?」
さっきまで、お姉ちゃんに向けていた優しい顔はどこに行ったのか、
怖い顔をわたしに向け、冷たい声でいい放った。
わたしは宿題をしていた手を止め、母の方を向いた。
「これから大事なお皿を割ったお仕置きをします。準備しなさい。」
「ママ…、でも割ったのはわたしだよ?」
「いつも言ってるでしょ。姉の罪は妹が償う決まりだって。」
そう。わたしの家の決定的な違いはこれだ。
どんなに“姉が”100パーセント悪くても、“わたしが”その罪を代わりに受けなければいけない。
わたしが悪いことをしても、怒られるのはわたしなのに…。
「聞こえなかったの?お仕置きを増やされたいの?」
「ご、ごめんなさいっ!今準備しますっ!」
思えば父がいなくなったあの日から、わたしへのお仕置きは日常茶飯事だった。
たぶん、父に似た性格のわたしにストレスをぶつけているんだ思う…。
そんなことを考えながら、ジーパンとパンツを脱いで、下半身裸となり、気をつけの姿勢をした。
最近、胸が膨らみ、大事なところにも産毛が生えてきている。
そんな中でされるお仕置きは、恥ずかしいという感情で一杯だった。
「それじゃ、まずは太ももを叩きましょうか。腕を頭の上に組みなさい。」
「…はい。」
今日のお仕置きは、太もも叩きから始まる。
厳しいお仕置きの日は決まってこのスタートだから、わたしは内心憂鬱だった。
バヂンッ!
「いっ…!?」
左側の太ももに母の真っ赤な手形ができた。
次第に“じんじん”という痛みに変わり、わたしの目からは、一筋の涙が流れた。
バヂンッ!
「いっだぃっ!」
また、同じところを叩かれる。
母の手形が少しずれて重なり、その部分は更に鋭い痛みが襲っている。
バッヂンッ!
「いっだぁぁぁい!!」
3回目も同じ場所、しかもさっきよりも強く叩かれ、青紫に染まった母の手形が出来ていた。
わたしは姿勢を崩しそうになるが、必死に我慢し、母の次の一撃に備えた。
『お願いだから、別のところを叩いてっ!』
心の中でそう叫ぶと、願いが通じ、今度は別の場所に衝撃が走った。
パァンッ!
「いったぁ」
今度は先程叩かれたより少し下の部分、膝の上くらいに手形が出来た。
相変わらず、“じんじん”と痛むが、同じ場所に4発目を叩かれるよりはマシである。
バッヂン!!
「きゃぁぁあ!」
完全に油断をしていて、母がそこを見逃すはずがなかった。
太ももを見ると、同じ場所に4つ目の青紫色をした手形が出来ていた。
そんな感じで、左太もも全体と“同じところ”を交互に叩かれ、わたしの太もも全体が痣だらけになるまで、太もも叩きは続いた。
・
「さて、ウォーミングアップは終わりよ。着ている服を全て脱ぎなさい。」
痣だらけになった太ももを押されながらうずくまっているわたしに母の声が響いた。
そう、これはお仕置き前のウォーミングアップ的なものでしかない。
本番のお仕置きは“こんなもの”ではないのだ。
わたしは泣きながら服を脱いで全裸となり、気をつけの姿勢となった。
先程、散々叩かれた太ももが“じんじん”と痛むが、きちんと姿勢を取らないと罰が増えるため、必死で姿勢を保つ。
「次は悪いお尻にお仕置きするわ。ヘアブラシで百叩きよ。」
「うぅ…はい…」
「わかったら、お膝の上に来なさい?」
母は椅子に座り、膝の上を指差す。
わたしは嫌々膝にのり、母が叩きやすいよう、位置を調整する。
「さあ、今日は本気で叩くわよ。覚悟はいい?」
「はい、お仕置きお願いします…。」
母が“本気”と口にするときは本当に手加減をしない。
『せめて、明日椅子に座れますようにっ!』
淡い希望を抱きながら、拳をぎゅっと握り、いつ来るかわからない痛みを待った。
バッヂィン!!!
「ぎゃぁぁぁあ!!」
お尻が壊れるんじゃないかという痛みが広がり、わたしの身体が仰け反った。
先程の太もも叩きと比べ物にならないほどの痛みが“ズキズキ”と残り、その威力を物語っていた。
「本気で叩くって言ったでしょ?暴れたら数を増やすからね。」
「ひ、ひぃぃっ!」
わたしは恐怖で何も考えられなくなり、その間に、1発、また1発とヘアブラシが振り下ろされ、その度に身体がしなっていく。
お尻には内出血を伴った青紫色の痣が無数にでき、もはや目を背けたくなるような有様になるまで、ヘアブラシは振り下ろされ続けた。
普通の女の子だ。
でも、わたしの家には普通じゃないことがある。
それは、わたしとこの家で暮らす他の家族の血が繋がっていないことだ。
わたしは父の連れ子で、姉は母の子。
父は1年前にわたしを置いて逃げ出し、わたしは母の元で暮らすことになった。
まあ、そこだけ見れば、まだ同じ条件の人がいるかもしれない。
ただ、わたしの家にはそのほかに、決定的な違いがある。
・
休日の日。わたしはリビングで宿題をしていた。
吹き抜けのキッチンには、1つ年上の姉がいる。
母は2階で持ち込んだ仕事をし、穏やかな日常を過ごしていた。
…バリンッ!
何かガラスが割れる音がしたと思う。
その破裂音が、わたしの日常を壊していった。
「どうしたのっ!?」
音を聞き、2階から大慌てで降りてきた母が、状況を把握する。
母の大事にしていたアンティーク物のお皿。
このお皿だった物は粉々になって床に散らばり、無残な姿となっていた。
「どこか怪我してないっ!?」
いつもは冷静な母が血相を変え、怖い顔で姉の状態を確認した。
幸い姉に怪我はなく、母はホッとし、素早く割れたお皿を片付けた。
「ママ…ごめんなさい…」
「いいのよ…お姉ちゃんは悪くないんだから」
母は姉を抱きしめると、頭を撫でた。
「さて、まい?わかってるわね?」
さっきまで、お姉ちゃんに向けていた優しい顔はどこに行ったのか、
怖い顔をわたしに向け、冷たい声でいい放った。
わたしは宿題をしていた手を止め、母の方を向いた。
「これから大事なお皿を割ったお仕置きをします。準備しなさい。」
「ママ…、でも割ったのはわたしだよ?」
「いつも言ってるでしょ。姉の罪は妹が償う決まりだって。」
そう。わたしの家の決定的な違いはこれだ。
どんなに“姉が”100パーセント悪くても、“わたしが”その罪を代わりに受けなければいけない。
わたしが悪いことをしても、怒られるのはわたしなのに…。
「聞こえなかったの?お仕置きを増やされたいの?」
「ご、ごめんなさいっ!今準備しますっ!」
思えば父がいなくなったあの日から、わたしへのお仕置きは日常茶飯事だった。
たぶん、父に似た性格のわたしにストレスをぶつけているんだ思う…。
そんなことを考えながら、ジーパンとパンツを脱いで、下半身裸となり、気をつけの姿勢をした。
最近、胸が膨らみ、大事なところにも産毛が生えてきている。
そんな中でされるお仕置きは、恥ずかしいという感情で一杯だった。
「それじゃ、まずは太ももを叩きましょうか。腕を頭の上に組みなさい。」
「…はい。」
今日のお仕置きは、太もも叩きから始まる。
厳しいお仕置きの日は決まってこのスタートだから、わたしは内心憂鬱だった。
バヂンッ!
「いっ…!?」
左側の太ももに母の真っ赤な手形ができた。
次第に“じんじん”という痛みに変わり、わたしの目からは、一筋の涙が流れた。
バヂンッ!
「いっだぃっ!」
また、同じところを叩かれる。
母の手形が少しずれて重なり、その部分は更に鋭い痛みが襲っている。
バッヂンッ!
「いっだぁぁぁい!!」
3回目も同じ場所、しかもさっきよりも強く叩かれ、青紫に染まった母の手形が出来ていた。
わたしは姿勢を崩しそうになるが、必死に我慢し、母の次の一撃に備えた。
『お願いだから、別のところを叩いてっ!』
心の中でそう叫ぶと、願いが通じ、今度は別の場所に衝撃が走った。
パァンッ!
「いったぁ」
今度は先程叩かれたより少し下の部分、膝の上くらいに手形が出来た。
相変わらず、“じんじん”と痛むが、同じ場所に4発目を叩かれるよりはマシである。
バッヂン!!
「きゃぁぁあ!」
完全に油断をしていて、母がそこを見逃すはずがなかった。
太ももを見ると、同じ場所に4つ目の青紫色をした手形が出来ていた。
そんな感じで、左太もも全体と“同じところ”を交互に叩かれ、わたしの太もも全体が痣だらけになるまで、太もも叩きは続いた。
・
「さて、ウォーミングアップは終わりよ。着ている服を全て脱ぎなさい。」
痣だらけになった太ももを押されながらうずくまっているわたしに母の声が響いた。
そう、これはお仕置き前のウォーミングアップ的なものでしかない。
本番のお仕置きは“こんなもの”ではないのだ。
わたしは泣きながら服を脱いで全裸となり、気をつけの姿勢となった。
先程、散々叩かれた太ももが“じんじん”と痛むが、きちんと姿勢を取らないと罰が増えるため、必死で姿勢を保つ。
「次は悪いお尻にお仕置きするわ。ヘアブラシで百叩きよ。」
「うぅ…はい…」
「わかったら、お膝の上に来なさい?」
母は椅子に座り、膝の上を指差す。
わたしは嫌々膝にのり、母が叩きやすいよう、位置を調整する。
「さあ、今日は本気で叩くわよ。覚悟はいい?」
「はい、お仕置きお願いします…。」
母が“本気”と口にするときは本当に手加減をしない。
『せめて、明日椅子に座れますようにっ!』
淡い希望を抱きながら、拳をぎゅっと握り、いつ来るかわからない痛みを待った。
バッヂィン!!!
「ぎゃぁぁぁあ!!」
お尻が壊れるんじゃないかという痛みが広がり、わたしの身体が仰け反った。
先程の太もも叩きと比べ物にならないほどの痛みが“ズキズキ”と残り、その威力を物語っていた。
「本気で叩くって言ったでしょ?暴れたら数を増やすからね。」
「ひ、ひぃぃっ!」
わたしは恐怖で何も考えられなくなり、その間に、1発、また1発とヘアブラシが振り下ろされ、その度に身体がしなっていく。
お尻には内出血を伴った青紫色の痣が無数にでき、もはや目を背けたくなるような有様になるまで、ヘアブラシは振り下ろされ続けた。
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