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森にいる魔物を討伐し続けるリク達一行
しおりを挟む「30……予想よりも多いな……それだけいたという事は、他にもいると考えた方が良いだろうな」
「そうね。私達が行った方にも1体いたわ」
「フィリーナ達の方にもいたのか」
あちらにもゴーストはいたらしい。
1体だけだったからフィリーナが魔法で対処したようだ。
魔法が使えないユノとソフィーさんだけだったら対処出来なかっただろうな。
フィリーナ達の方は、俺が探査したようにサマナースケルトンが4体。
それを取り巻くようにオーガとオーク、コボルトやウルフが数体いたようだ。
ソフィーさんを先頭に、フィリーナが魔法で援護、ユノが盾で攻撃をガードしながらウッドイーターを倒した時のような剣捌きで魔物達をあっさり倒し切ったらしい。
ソフィーさんもフィリーナも、その事を話す時、ほとんどユノ任せだったと苦笑していた。
ユノはすごい子だなぁ……神様だからこれくらい出来て当然なのかもしれないけどね。
「ゴーストの方は何か対処を考えておきましょう。今日は皆疲れたと思います。ゆっくり休んで下さい」
「わかりました」
エヴァルトさんの方でゴーストの対処は考えていてくれるそうだ。
話が長くならなくて良かった……さっきからエルサが頭にくっ付いたままキューを出せとうるさいからね。
もしかしたら、エヴァルトさんもそれを見て話を切り上げてくれたのかもしれないけど。
居間に移動し、食事にする。
今日はフィリーナが出ていたから、他のエルフ達が料理を運んで来てくれていた。
量は最初の頃より大分減ったけど、やっぱり少し多い気がする。
今日もまた、動くのも辛くなるくらい食べて、お風呂に入ってゆっくり寝る事になった。
お風呂の後、女性陣がドライヤーを要求して来て、髪を乾かした後にお風呂に入ったから、俺だけ寝るのが少し遅れたけどね……。
―――――――――――――――――――
翌朝、昨日のような魔物の襲撃も無く、今日は平和な寝起きだった。
朝食を食べたり、朝の支度を終えると、昨日と同じように持ち運びできる料理を作ってもらい、それを持って石の家を出る。
今日もまた、サマナースケルトンを探して数を減らすためだ。
サマナースケルトンの絶対数が減れば、召喚する速度は遅くなって魔物の数が増える速度も遅くなる。
先に他の魔物達を倒しても、すぐに召喚されるようじゃキリが無いからね。
ウッドイーターは集落に近付きすぎたもの以外は基本的に無視。
何も考えずに倒してしまったら、魔物達が森から襲って来る道を作ってしまう事になるからだ。
ゴースト対策の方は、森へ行く前エヴァルトさんが合流して来てくれて教えてくれた。
集落を囲んでる柵に氷の魔法を使っておいて、延焼を防ぐ事。
各家にいつもの生活で使う量より多めに水を用意しておく事等を周知させるそうだ。
氷の魔法を使うのは柵だけだから、家を燃やされるのは防げないが、柵を燃やされるより消火しやすいだろう。
それに、水の備えがあるのなら消火もしやすい。
どれだけのゴーストが残ってるかはわからないけど、備えあれば憂いなし、だ。
防衛にあたるエルフ達も、森の方に少数を残してほとんどを西の入り口に集中させてるようだ。
東側が手薄と思うかもしれないけど、俺が探査した限り、森の東側には魔物はほとんどいなかった。
サマナ―スケルトンや他の魔物の反応も西から南の洞窟までに集中してたから、それを伝えたエヴァルトさんは、ウッドイーターという障害物を避けて通りながら、出来るだけ最短で移動するだろうと、西に集中で大丈夫と判断した。
それから念のためという事で、俺達が森に入る時は集落の南東、つまり森の東側から入って魔物を捜索し討伐して行く事になった。
そうする事で、魔物を東側に来させないという考えだね。
俺達の役目は、最優先としてサマナースケルトンの数を減らす事。
サマナースケルトンを討伐しに移動する際、近くにいる魔物達を倒しながら移動する事。
魔物達の総数を減らして集落への危険を減らすのが目的だ。
ただし、ウッドイーターと遭遇した場合、集落の位置との関係で魔物達が集落に襲撃する通り道になりそうな場所では無視する事。
しかし、集落のツリーハウスに近い場所では討伐をして、集落に被害を出さない事を優先する。
それらの事をエヴァルトさん達と話し合って決めた。
「私達もリクと一緒に行動するわ」
「そうだな。森の案内も必要だ。魔物達はリク一人でも十分だろうけどな」
そう言って、フィリーナとアルネも俺達とサマナースケルトン捜索に参加する事になった。
昨日までと一緒のメンバーになった。
エヴァルトさんとしては集落の戦力として参加して欲しかったようだが、最終的には俺達と一緒に行動した方が魔物討伐の効率が良くなるだろうとの判断だ。
まぁ、ほとんど中を知らない森に入って動き回るから、案内は必要だと思う。
俺の探査の魔法があれば広範囲を把握できるけど、昨日のように二手に別れて行動という事あるかもしれないし、ゴーストのように知らない魔物が出て来た時の対応策を考える事も出来るだろうしね。
「それじゃあ、森の中に入ろうか」
行動の指針を決め、皆で森に入る。
エルサだけはいつものように、我関せずで俺の頭にくっ付いたまま暢気にしてたけどな。
それから数日、俺達は森での行動を中心にサマナースケルトンを始め魔物達を討伐した。
大体サマナースケルトンは数十体、他の魔物達は種類合算で200~300体くらい倒したと思う。
正確には数えて無いからわからないけども。
途中そういえばと思い出したんだけど、討伐証明部位を取っておけば冒険者報酬がもらえたなぁと考えた。
でも数が多くて荷物になるうえ、集落にギルド支部が無いので手間になるからと諦めた。
まぁ、お金には困ってないから良いんだけどな。
「しかし、これだけ魔物達を倒したのに、減った気がしないな……」
日も沈み、夕食も食べ終えた居間でアルネが呟いた。
数日……この集落に来てからだと10日が経った。
毎日確実にサマナースケルトンを始め、各種魔物達を討伐しているのは間違いない。
俺の探査の魔法で魔物達の場所を探り、その場所に行って魔物を討伐するの繰り返しだ。
森に入った初日程魔物達が集まっている事は無かったけど、それでもある程度の数がいて、日が経つごとに討伐数が減るという事も無かった。
「でも、段々と集落付近にはいなくなって来てるわよ」
「そうだな。確実に成果は出ていると思う」
フィリーナとソフィーさんの言う通り、ここ2、3日は集落の周りでは魔物の姿を見る事が少なくなった。
たまにはぐれたと思われる魔物と遭遇するくらいだ。
「発生源の洞窟には近付いてるわよね」
モニカさんも言っているけど、魔物達がまとまっている場所が段々と集落から離れて行き、森の南端にあるという洞窟方面に近付いてるのははっきりとわかる。
「今日、エヴァルトとも話したんだが……そろそろ洞窟に皆で総攻撃をかけるのはどうだ?」
「……アルネ……それは危険よ。総攻撃をかけるという事は集落を皆が離れるという事よ。その時に魔物が襲撃して来たら……」
「そうね、集落を守るのが第一だと思うわ。洞窟から魔物が出て来なくなるくらいまで減らしてからでも良いんじゃないかしら?」
「私は総攻撃に賛成だ。集落のエルフ達もいつ魔物が攻めて来るかわからに状況で、疲れが出始めている。早めに終わらせた方が良いのではないか?」
アルネとソフィーさんは魔物達が洞窟周辺に集まってる今がチャンスと、魔物達を一度に討伐しようと言ってる。
それに対して、モニカさんとフィリーナはもう少し様子を見ながら数を減らして行った方が良いという意見のようだ。
どちらの意見も間違いでは無いと思うけど……俺は違う事も考えていた。
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おまけに上官から剣の腕を妬まれて、単独任務を任されてしまった。
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