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私をまだ見つけないで
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あの曲が何という曲だったのか、知ることは一生できないだろう。
知ることができないのに抱え続けるというのは、切ないようで、本当はとても素敵なことだと思う。
回想と幻想が心地よく合わさった、私だけの思い出になるから。
「ピエロのお兄さん、その楽器って何?」
私が抱え続けることになる二曲のうちの一曲を弾き終えたピエロのお兄さんは、拍手を送った私に、その楽器について教えてくれた。
「アコーディオンっていう楽器だよ」
お兄さんはしゃがんで、私の近くでその楽器を見せてくれた。
「アコーディオン?」
「そう。こうやって左手を動かしたら音が鳴ります。ここ、押してみて?」
私は言われた通り、鍵盤を押した。
「音鳴らないよ?」
「今は左手を動かしてなかったからね。じゃあ、次は音が鳴るから押してみて」
「うん」
お兄さんが左手を動かすと、鍵盤から音が鳴った。
「凄い!」
音を鳴らせて私も嬉しかったけれど、お兄さんも何だか嬉しそうだった。
「ええと・・・今、何歳ですか?」
そう聞かれて、
「5歳」
と、手をパーにして見せた。
遠慮気味にパーを出した記憶がある。
そのポーズ自体が子供っぽいかなと思っていたからだ。
「じゃあ、小学校に行ったらきっと、音楽室にアコーディオンがあるよ」
「本当?」
「あっ、そうか。僕が小学校に通っていたのは、もう15年も前だから・・・絶対とは言えないけれど、多分あると思う」
「お兄さんは、小学生の時に弾いてたの?」
「うん。小学3年生の時に初めて弾いたんだ」
「そうなんだ。じゃあ、音楽室にあったらいいな」
「そうだね、あったらいいですね」
今思い返すと、お兄さんがピエロとしての経験が浅いのは明らかだった。
時々敬語が入り混じっていて、どこか辿々しくて、子供の私から見ればきっと接しやすかっただろうけど、ピエロとしてはどうなのだろう。
そもそも、ピエロは話さずに、ジェスチャーで伝えるイメージの方が強い。
「あの・・・ご家族は?」
「私は速くて怖いの乗れないから、今待ってるの。お兄ちゃんと妹があの小さいジェットコースターに乗りに行った。お母さんは、あっちのお休みする所にいる」
「そうなんだ。じゃあ、お兄さんと妹さんが戻ってくるまでに、風船で何か作ってあげようか?」
お兄さんは立ち上がり、アコーディオンを下ろそうとした。
「風船じゃなくて・・・」
勇気を出した私の小さな声に、お兄さんはもう一度しゃがんでくれた。
「風船は嫌いかな?」
「うん、割れた時の音が怖いの。だから、その・・・アコデ・・・」
「アコーディオン」
「そう、アコーディオン。もう少し聴かせてほしいな」
「もちろん。僕も、風船よりアコーディオンの方が好きだよ」
そして、ピエロのお兄さんはもう一曲、それも私のために演奏してくれた。
最初の曲が明るい曲なら、二曲目は少しゆったりとしていて、お兄さんに似合ってると感じたのを覚えている。
その旋律は、もう私の中から消えてしまってるし、偶然同じ曲を耳にしたって、気づかないままだろう。
ただ、私の中には、ピエロのお兄さんの姿と、お兄さんがその時奏でてくれた曲という素敵な思い出として刻まれている。
私はその思い出を、大切に抱え続けてきたのだ。
たった一回の、ほんの短い時間の出会いを、今でも宝物のように思ってる。
私のために演奏してくれたピエロのお兄さんに、最初とはまた違う、どこか憧れのような想いを込めた拍手を送った。
「ありがとう」
お兄さんが笑いかけてくれたところで、妹が私を探す声が聞こえてきた。
「呼ばれてるから、行かないと」
あの惜しい気持ちだけは、はっきりと思い出すことができる。
優しいピエロのお兄さんの奏でる曲や、優しい語り口調とお別れしたくなかった。
「聴いてくれてありがとうございました。とっても楽しかったです」
ピエロに似合わないほどの深いお辞儀をしてから、ようやく自分がピエロであることを思い出したかのように、私に手を振ってきた。
「またここに来たら、会える?」
私は、ピエロのお兄さんとの思い出を、お兄ちゃんや妹に邪魔されたくなくて、私をまだ見つけないでと祈っていた。
「うーん。僕、嘘つきになりたくないから正直に言うと、多分、もう会えないと思う」
「どうして?」
「僕ね、好きな女の子のために期間限定で・・・うーん、好きな女の子に手伝ってほしいって言われて、少しだけお手伝いしただけなんだ。だから、もう会えないんだ」
「お兄さんが好きな女の子は、お兄さんのこと好き?」
私がそう聞くと、お兄さんはまた、自分がピエロの姿をしていることを忘れてしまったようだった。
頬をポリポリと掻いて、照れ臭そうにしていた。
指に白色がついちゃうんじゃないかと気になって、お兄さんの指を見たのを覚えている。
「うん。僕の好きな女の子は、僕を好きだって言ってくれたよ」
お兄さんの耳は白く塗られていなかったら、赤くなっているのがバレバレだった。
「良かった・・・両想いで良かったね」
「うん。ありがとう」
そう言ってからお兄さんはふたたび、ピエロであることを思い出したようで、大きく両手で私に手を振ってくれた。
私も大きく手を振り返し、ピエロのお兄さんのアコーディオンの音色の余韻を、騒がしい遊園地の音よりも強く意識した。
数時間後には既に、色んな音に紛れたせいで、純粋なその音色を思い出せなくなってしまった。
それでも私はその思い出を大切に抱え続け、時には補修しながら、宝箱を開けるみたいに愛しく見つめることができる。
今でもこうやって時々、思い浮かべるほど大切に・・・
ちなみに、小学校に入学してすぐ、私は担任の先生に、音楽室にアコーディオンがあるのかを確認した。
アコーディオンは、ピエロのお兄さんの言う通り音楽室にあって、私は3年生になり音楽クラブに入ってから、アコーディオンを弾き始めた。
そんなことはないと思うけど、もしかしたら・・・
ピエロのお兄さんが小学生の時に音楽室で弾いたアコーディオンというのが、私が弾いてたアコーディオンと同じものだったりしないかな、と考えたりもした。
同じ小学校に通う確率なんか低いに決まってるけど、あのタイミングで遊園地で出会えたことだって、私にとっては奇跡のような確率に思えたから。
私は大きくなってからも、アコーディオンを弾くたびに願ってる。
ピエロのお兄さんが今も、好きな女の子と幸せに過ごしていますように・・・
知ることができないのに抱え続けるというのは、切ないようで、本当はとても素敵なことだと思う。
回想と幻想が心地よく合わさった、私だけの思い出になるから。
「ピエロのお兄さん、その楽器って何?」
私が抱え続けることになる二曲のうちの一曲を弾き終えたピエロのお兄さんは、拍手を送った私に、その楽器について教えてくれた。
「アコーディオンっていう楽器だよ」
お兄さんはしゃがんで、私の近くでその楽器を見せてくれた。
「アコーディオン?」
「そう。こうやって左手を動かしたら音が鳴ります。ここ、押してみて?」
私は言われた通り、鍵盤を押した。
「音鳴らないよ?」
「今は左手を動かしてなかったからね。じゃあ、次は音が鳴るから押してみて」
「うん」
お兄さんが左手を動かすと、鍵盤から音が鳴った。
「凄い!」
音を鳴らせて私も嬉しかったけれど、お兄さんも何だか嬉しそうだった。
「ええと・・・今、何歳ですか?」
そう聞かれて、
「5歳」
と、手をパーにして見せた。
遠慮気味にパーを出した記憶がある。
そのポーズ自体が子供っぽいかなと思っていたからだ。
「じゃあ、小学校に行ったらきっと、音楽室にアコーディオンがあるよ」
「本当?」
「あっ、そうか。僕が小学校に通っていたのは、もう15年も前だから・・・絶対とは言えないけれど、多分あると思う」
「お兄さんは、小学生の時に弾いてたの?」
「うん。小学3年生の時に初めて弾いたんだ」
「そうなんだ。じゃあ、音楽室にあったらいいな」
「そうだね、あったらいいですね」
今思い返すと、お兄さんがピエロとしての経験が浅いのは明らかだった。
時々敬語が入り混じっていて、どこか辿々しくて、子供の私から見ればきっと接しやすかっただろうけど、ピエロとしてはどうなのだろう。
そもそも、ピエロは話さずに、ジェスチャーで伝えるイメージの方が強い。
「あの・・・ご家族は?」
「私は速くて怖いの乗れないから、今待ってるの。お兄ちゃんと妹があの小さいジェットコースターに乗りに行った。お母さんは、あっちのお休みする所にいる」
「そうなんだ。じゃあ、お兄さんと妹さんが戻ってくるまでに、風船で何か作ってあげようか?」
お兄さんは立ち上がり、アコーディオンを下ろそうとした。
「風船じゃなくて・・・」
勇気を出した私の小さな声に、お兄さんはもう一度しゃがんでくれた。
「風船は嫌いかな?」
「うん、割れた時の音が怖いの。だから、その・・・アコデ・・・」
「アコーディオン」
「そう、アコーディオン。もう少し聴かせてほしいな」
「もちろん。僕も、風船よりアコーディオンの方が好きだよ」
そして、ピエロのお兄さんはもう一曲、それも私のために演奏してくれた。
最初の曲が明るい曲なら、二曲目は少しゆったりとしていて、お兄さんに似合ってると感じたのを覚えている。
その旋律は、もう私の中から消えてしまってるし、偶然同じ曲を耳にしたって、気づかないままだろう。
ただ、私の中には、ピエロのお兄さんの姿と、お兄さんがその時奏でてくれた曲という素敵な思い出として刻まれている。
私はその思い出を、大切に抱え続けてきたのだ。
たった一回の、ほんの短い時間の出会いを、今でも宝物のように思ってる。
私のために演奏してくれたピエロのお兄さんに、最初とはまた違う、どこか憧れのような想いを込めた拍手を送った。
「ありがとう」
お兄さんが笑いかけてくれたところで、妹が私を探す声が聞こえてきた。
「呼ばれてるから、行かないと」
あの惜しい気持ちだけは、はっきりと思い出すことができる。
優しいピエロのお兄さんの奏でる曲や、優しい語り口調とお別れしたくなかった。
「聴いてくれてありがとうございました。とっても楽しかったです」
ピエロに似合わないほどの深いお辞儀をしてから、ようやく自分がピエロであることを思い出したかのように、私に手を振ってきた。
「またここに来たら、会える?」
私は、ピエロのお兄さんとの思い出を、お兄ちゃんや妹に邪魔されたくなくて、私をまだ見つけないでと祈っていた。
「うーん。僕、嘘つきになりたくないから正直に言うと、多分、もう会えないと思う」
「どうして?」
「僕ね、好きな女の子のために期間限定で・・・うーん、好きな女の子に手伝ってほしいって言われて、少しだけお手伝いしただけなんだ。だから、もう会えないんだ」
「お兄さんが好きな女の子は、お兄さんのこと好き?」
私がそう聞くと、お兄さんはまた、自分がピエロの姿をしていることを忘れてしまったようだった。
頬をポリポリと掻いて、照れ臭そうにしていた。
指に白色がついちゃうんじゃないかと気になって、お兄さんの指を見たのを覚えている。
「うん。僕の好きな女の子は、僕を好きだって言ってくれたよ」
お兄さんの耳は白く塗られていなかったら、赤くなっているのがバレバレだった。
「良かった・・・両想いで良かったね」
「うん。ありがとう」
そう言ってからお兄さんはふたたび、ピエロであることを思い出したようで、大きく両手で私に手を振ってくれた。
私も大きく手を振り返し、ピエロのお兄さんのアコーディオンの音色の余韻を、騒がしい遊園地の音よりも強く意識した。
数時間後には既に、色んな音に紛れたせいで、純粋なその音色を思い出せなくなってしまった。
それでも私はその思い出を大切に抱え続け、時には補修しながら、宝箱を開けるみたいに愛しく見つめることができる。
今でもこうやって時々、思い浮かべるほど大切に・・・
ちなみに、小学校に入学してすぐ、私は担任の先生に、音楽室にアコーディオンがあるのかを確認した。
アコーディオンは、ピエロのお兄さんの言う通り音楽室にあって、私は3年生になり音楽クラブに入ってから、アコーディオンを弾き始めた。
そんなことはないと思うけど、もしかしたら・・・
ピエロのお兄さんが小学生の時に音楽室で弾いたアコーディオンというのが、私が弾いてたアコーディオンと同じものだったりしないかな、と考えたりもした。
同じ小学校に通う確率なんか低いに決まってるけど、あのタイミングで遊園地で出会えたことだって、私にとっては奇跡のような確率に思えたから。
私は大きくなってからも、アコーディオンを弾くたびに願ってる。
ピエロのお兄さんが今も、好きな女の子と幸せに過ごしていますように・・・
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※他サイトからの転載(2018/11に書き上げたものです)
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※※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
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