2 / 9
二人の下校
しおりを挟む
高校に入学し、私は西山くんと同じクラスで、隣の席になった。
高校だから、机同士がくっついているわけではなくて、通路を挟んでの隣。
私のクラスに中学からの知り合いは一人しかいなくて、その一人もサッカー部の菅野勇太という、ずば抜けて明るい男子で、話せないこともないけれど、特別仲良くすることもない、私とは違い過ぎるタイプの人だった。
私は、友達作りの波に完全に乗り遅れ、クラスで浮いた存在になりかけていた。
中学からの友達が、他クラスから話しに来てくれていたから良かったものの、そんなことも長く続かないだろうなと不安になっていた。
そんな私と似たような立ち位置にいたのが、西山くんだった。
西山くんの第一印象としては、凛々しい顔立ちにスラッとした細い体型で、正直これはモテるだろうなというものだった。
でも、休み時間に誰かが話しかけることもなく、西山くんは黙ってスマホを見たり、イヤホンをつけていることもあった。
顔を伏せて寝ていることも多かった。
何度か菅野が話しかけようとしているのを目撃したけれど、イヤホンのせいで断念していた。
私は、クラスの人とまともに話していない中で、最初に話しかけるには西山くんが気楽だろうと思った。
私たちの座席が一番後ろだったのももちろん好都合だったけれど、西山くんを、無視されたらされたで別にいい類だと見限っていた。
話す者のいない同士なら親切にしてくれるかも、という浅はかな期待もしていた。
それに本当は、一匹狼的な存在として、少し憧れてもいる部分もあった。
私は騒がしい教室内で一人、イヤホンで音楽を聴く勇気すらなかったから。
ただ、西山くんとの肝心な最初の会話を私は思い出せないのだった。
「何聴いてるの?」
だった気もするけれど、それは親しくなってからの問いかけだった気もするし、もしかすると、授業中の何かしら隣の人との会話が必要なタイミングだった気もする。
英語の時間のペアでの会話だったかもしれない。
私の英語の発音が良いと言って、西山くんが褒めてくれたこともあった。
私は調子に乗って、Rの発音を強調したことも覚えている。
とにかく、私が西山くんを、自分の孤立を避ける為に利用しようとしたのは確かだった。
同時に、その事実がありながらも、西山くんの一匹狼的な魅力を羨ましく思い、気になっている自分がいるのもまた事実だった。
きっかけは忘れてしまったものの、私は西山くんと話すようになった。
最初は、次の授業はどうだとか、そういう会話の繰り返しだったと思う。
そこから、少しずつお互いのことを話し始めた。
西山くんが、父親の転勤を理由に東京から引っ越してきて、高校入学に合わせて北海道に来たということを知った。
その話をしたのは、初めて一緒に帰っていた時だった。
もう五月で、そのことだけは、はっきりと覚えている。
私たちは学校に一番近いバス停ではなく、少し歩いたところにあるバス停から乗る必要があった。
そういう偶然もあり、自然な流れだったように思う。
学校に近いバスに比べると、学生の数がだいぶ少なく、基本的には座るほどの余裕もあった。
西山くんが北海道に来たのが三月の末。
積もった雪を見て驚いたと、どこか嬉しそうに話していた。
「まだあんなに雪があるのって面白い。っていうか、あれじゃあまだ、冬だよね。だって、到着した日の夜、雪降ってきたし」
バス停に向かい歩いている時に、西山くんは言った。
この時にはもう、西山くんは私にとって話しやすい人で、一緒にいて楽しい人だった。
だから自然と一緒に下校する流れになったし、西山くんの凛々しい顔立ちと、笑った時の柔らかくなる表情のギャップがなんだか面白くて、私の気持ちを和ませた。
「そうなの。気温的には真冬とまでは言えないけど、景色的にはまだ冬なの。だって、桜が一番綺麗なのは、四月末とか、五月の始めだよ。三月末とか四月中旬までは本当の春とは言えない」
「そうなんだ、本当の春か。東京で、満開ではなかったけど、もう桜を見てきたから、これからもう一回、春を楽しめるってことだね」
「おおっ、それすごいじゃん。西山くん得してるね」
「でも、浅田さんも得してるかも」
「えっ、なんで?」
「楽しみは最後にっていうか、東京で桜が散ってちょっと切なくなって、そんなことも忘れかけている頃に、北海道ではようやく桜が咲いて楽しいから」
「うーん、そうかな?」
西山くんの発想を否定しようとしたわけではなかった。
でも、私の微かな表情の変化に気づいたのだと思う。
西山くんは、
「浅田さんは、本当はどう思ってる?」
と聞いてきた。
「本当は・・・」
誰かに話すのが嫌というのではない。
ただ、話す自信がないだけだった。
誰かに話せたら、少しは気持ちが楽になりそうだと思っていたけれど、その誰かの気分を自分のせいで落としたりしたくないだけだった。
それなのに私はこの時にはもう、涙が溢れてしまっていた。
すぐに泣きたくなる自分が嫌い。
優しく意見を求められると、それに縋るように、隠してきたものを解放したくなる弱さが嫌い。
「浅田さん、大丈夫?こんなんだけど、話聞くよ?」
もう、その言葉でダメだった。
自分のことを、こんなんだけど、と表現するあたりも妙に優しさを含んでいた。
私の涙は止まらず、肩と手の震えは抑えられなかった。
西山くんは私の手を引き、少し歩くとどこかに座らせた。
私は涙で視界が揺れ、いくら拭っても溢れる涙のせいでどこにいるのかも把握できていなかった。
「これは、本当の春だよね?」
西山くんのその声に、ようやく私は顔を上げた。
そこには、満開とは言えないものの、綺麗な桜が咲いていた。
私は、公園のベンチに座っていて、西山くんはそんな私を優しく見下ろしていた。
一切、厳しさのない、優しげな目だった。
目を逸らし、桜を見上げた西山くんの横顔は、教室で覗き見ていた凛々しい横顔とはまた別の、等身大の姿に思えた。
「そう。これが本当の春」
泣きすぎてうまく呼吸ができず、ヒクッと肩が上下する。
恥ずかしくて私が笑うと、ようやく西山くんも笑ってくれた。
私の隣に腰を下ろすと西山くんは、
「最初に話しかけてくれてありがとうね」
と言い、
「今さらだけど、高校生活やばいって思ってたからさ」
と、戯けるように笑った。
この時の私なら、私たちの最初のきっかけをしっかりと覚えていたはずだ。
「やばいって思ってたのは同じ。西山くんのこと利用しただけなのかも」
そんな風に返した気がする。
「利用だなんて。それなら僕もそうだよ」
「でも、西山くんのことがなんだか気になって、話してみたいって思ったのは本当だよ。自分のためだけってわけじゃないのは信じて」
「信じるし、分かるよ」
西山くんと一緒にいることがもっと気楽になったのは、この瞬間だったはずだ。
私は自ら、誰かに聞いてほしかった話をし始めたから、間違いない。
「話、聞いてもらってもいいかな?」
「もちろん」
私は、本当の春の中で、少しだけ何かに急かされるように、自分の話を語り始めようとした。
過去を語るには早過ぎるタイミング。
ドラマなら、早くても中盤までは語られない登場人物の過去。
私と西山くんとの間で、あまりにも早く共有されようとしていた。
西山くんのその時の表情を覚えているつもりでも、どこか自分の中で創り出したイメージに替えられている可能性は高い。
西山くんと出会って、たった一ヶ月ほどで、あの日の記憶はあっても、同じ匂いに出会わない限り、自ら思い出すことができない感覚がある。
簡単に自分のことを語ろうとする私は、この段階で、何か違う未来に向けて進み始めていたのかもしれない。
「泣いたからには、理由を話さないとだよね」
私は、また泣いてしまうのを恐れながら、冷静になる努力をしていた。
「別に無理しなくてもいいよ。なんか、僕のせいで辛いことを思い出させたならごめん」
「ううん、違うの。西山くんのせいじゃなくて、季節のせい」
「季節?春ってこと?」
「うん」
迷惑だろうと思う。
確かに西山くんと話すのは気を使わず、穏やかでいられて良かった。
でも、容易く涙を見せてしまうほどに、優しすぎた。
「僕は平気だから。平気って表現は良くないか。その・・・迷惑じゃないっていうか、むしろ、話してほしいって思うよ。出会ったばかりだからとか、関係なく」
西山くんはすごい。
私の心を読んでいるようだった。
「ありがとう、西山くん」
私が語ったのは、一年前の春の、親友の死についてだった。
春と言っても、本当の春ではない。
桜が咲く前の、まだ足りない春の日のことだ。
高校だから、机同士がくっついているわけではなくて、通路を挟んでの隣。
私のクラスに中学からの知り合いは一人しかいなくて、その一人もサッカー部の菅野勇太という、ずば抜けて明るい男子で、話せないこともないけれど、特別仲良くすることもない、私とは違い過ぎるタイプの人だった。
私は、友達作りの波に完全に乗り遅れ、クラスで浮いた存在になりかけていた。
中学からの友達が、他クラスから話しに来てくれていたから良かったものの、そんなことも長く続かないだろうなと不安になっていた。
そんな私と似たような立ち位置にいたのが、西山くんだった。
西山くんの第一印象としては、凛々しい顔立ちにスラッとした細い体型で、正直これはモテるだろうなというものだった。
でも、休み時間に誰かが話しかけることもなく、西山くんは黙ってスマホを見たり、イヤホンをつけていることもあった。
顔を伏せて寝ていることも多かった。
何度か菅野が話しかけようとしているのを目撃したけれど、イヤホンのせいで断念していた。
私は、クラスの人とまともに話していない中で、最初に話しかけるには西山くんが気楽だろうと思った。
私たちの座席が一番後ろだったのももちろん好都合だったけれど、西山くんを、無視されたらされたで別にいい類だと見限っていた。
話す者のいない同士なら親切にしてくれるかも、という浅はかな期待もしていた。
それに本当は、一匹狼的な存在として、少し憧れてもいる部分もあった。
私は騒がしい教室内で一人、イヤホンで音楽を聴く勇気すらなかったから。
ただ、西山くんとの肝心な最初の会話を私は思い出せないのだった。
「何聴いてるの?」
だった気もするけれど、それは親しくなってからの問いかけだった気もするし、もしかすると、授業中の何かしら隣の人との会話が必要なタイミングだった気もする。
英語の時間のペアでの会話だったかもしれない。
私の英語の発音が良いと言って、西山くんが褒めてくれたこともあった。
私は調子に乗って、Rの発音を強調したことも覚えている。
とにかく、私が西山くんを、自分の孤立を避ける為に利用しようとしたのは確かだった。
同時に、その事実がありながらも、西山くんの一匹狼的な魅力を羨ましく思い、気になっている自分がいるのもまた事実だった。
きっかけは忘れてしまったものの、私は西山くんと話すようになった。
最初は、次の授業はどうだとか、そういう会話の繰り返しだったと思う。
そこから、少しずつお互いのことを話し始めた。
西山くんが、父親の転勤を理由に東京から引っ越してきて、高校入学に合わせて北海道に来たということを知った。
その話をしたのは、初めて一緒に帰っていた時だった。
もう五月で、そのことだけは、はっきりと覚えている。
私たちは学校に一番近いバス停ではなく、少し歩いたところにあるバス停から乗る必要があった。
そういう偶然もあり、自然な流れだったように思う。
学校に近いバスに比べると、学生の数がだいぶ少なく、基本的には座るほどの余裕もあった。
西山くんが北海道に来たのが三月の末。
積もった雪を見て驚いたと、どこか嬉しそうに話していた。
「まだあんなに雪があるのって面白い。っていうか、あれじゃあまだ、冬だよね。だって、到着した日の夜、雪降ってきたし」
バス停に向かい歩いている時に、西山くんは言った。
この時にはもう、西山くんは私にとって話しやすい人で、一緒にいて楽しい人だった。
だから自然と一緒に下校する流れになったし、西山くんの凛々しい顔立ちと、笑った時の柔らかくなる表情のギャップがなんだか面白くて、私の気持ちを和ませた。
「そうなの。気温的には真冬とまでは言えないけど、景色的にはまだ冬なの。だって、桜が一番綺麗なのは、四月末とか、五月の始めだよ。三月末とか四月中旬までは本当の春とは言えない」
「そうなんだ、本当の春か。東京で、満開ではなかったけど、もう桜を見てきたから、これからもう一回、春を楽しめるってことだね」
「おおっ、それすごいじゃん。西山くん得してるね」
「でも、浅田さんも得してるかも」
「えっ、なんで?」
「楽しみは最後にっていうか、東京で桜が散ってちょっと切なくなって、そんなことも忘れかけている頃に、北海道ではようやく桜が咲いて楽しいから」
「うーん、そうかな?」
西山くんの発想を否定しようとしたわけではなかった。
でも、私の微かな表情の変化に気づいたのだと思う。
西山くんは、
「浅田さんは、本当はどう思ってる?」
と聞いてきた。
「本当は・・・」
誰かに話すのが嫌というのではない。
ただ、話す自信がないだけだった。
誰かに話せたら、少しは気持ちが楽になりそうだと思っていたけれど、その誰かの気分を自分のせいで落としたりしたくないだけだった。
それなのに私はこの時にはもう、涙が溢れてしまっていた。
すぐに泣きたくなる自分が嫌い。
優しく意見を求められると、それに縋るように、隠してきたものを解放したくなる弱さが嫌い。
「浅田さん、大丈夫?こんなんだけど、話聞くよ?」
もう、その言葉でダメだった。
自分のことを、こんなんだけど、と表現するあたりも妙に優しさを含んでいた。
私の涙は止まらず、肩と手の震えは抑えられなかった。
西山くんは私の手を引き、少し歩くとどこかに座らせた。
私は涙で視界が揺れ、いくら拭っても溢れる涙のせいでどこにいるのかも把握できていなかった。
「これは、本当の春だよね?」
西山くんのその声に、ようやく私は顔を上げた。
そこには、満開とは言えないものの、綺麗な桜が咲いていた。
私は、公園のベンチに座っていて、西山くんはそんな私を優しく見下ろしていた。
一切、厳しさのない、優しげな目だった。
目を逸らし、桜を見上げた西山くんの横顔は、教室で覗き見ていた凛々しい横顔とはまた別の、等身大の姿に思えた。
「そう。これが本当の春」
泣きすぎてうまく呼吸ができず、ヒクッと肩が上下する。
恥ずかしくて私が笑うと、ようやく西山くんも笑ってくれた。
私の隣に腰を下ろすと西山くんは、
「最初に話しかけてくれてありがとうね」
と言い、
「今さらだけど、高校生活やばいって思ってたからさ」
と、戯けるように笑った。
この時の私なら、私たちの最初のきっかけをしっかりと覚えていたはずだ。
「やばいって思ってたのは同じ。西山くんのこと利用しただけなのかも」
そんな風に返した気がする。
「利用だなんて。それなら僕もそうだよ」
「でも、西山くんのことがなんだか気になって、話してみたいって思ったのは本当だよ。自分のためだけってわけじゃないのは信じて」
「信じるし、分かるよ」
西山くんと一緒にいることがもっと気楽になったのは、この瞬間だったはずだ。
私は自ら、誰かに聞いてほしかった話をし始めたから、間違いない。
「話、聞いてもらってもいいかな?」
「もちろん」
私は、本当の春の中で、少しだけ何かに急かされるように、自分の話を語り始めようとした。
過去を語るには早過ぎるタイミング。
ドラマなら、早くても中盤までは語られない登場人物の過去。
私と西山くんとの間で、あまりにも早く共有されようとしていた。
西山くんのその時の表情を覚えているつもりでも、どこか自分の中で創り出したイメージに替えられている可能性は高い。
西山くんと出会って、たった一ヶ月ほどで、あの日の記憶はあっても、同じ匂いに出会わない限り、自ら思い出すことができない感覚がある。
簡単に自分のことを語ろうとする私は、この段階で、何か違う未来に向けて進み始めていたのかもしれない。
「泣いたからには、理由を話さないとだよね」
私は、また泣いてしまうのを恐れながら、冷静になる努力をしていた。
「別に無理しなくてもいいよ。なんか、僕のせいで辛いことを思い出させたならごめん」
「ううん、違うの。西山くんのせいじゃなくて、季節のせい」
「季節?春ってこと?」
「うん」
迷惑だろうと思う。
確かに西山くんと話すのは気を使わず、穏やかでいられて良かった。
でも、容易く涙を見せてしまうほどに、優しすぎた。
「僕は平気だから。平気って表現は良くないか。その・・・迷惑じゃないっていうか、むしろ、話してほしいって思うよ。出会ったばかりだからとか、関係なく」
西山くんはすごい。
私の心を読んでいるようだった。
「ありがとう、西山くん」
私が語ったのは、一年前の春の、親友の死についてだった。
春と言っても、本当の春ではない。
桜が咲く前の、まだ足りない春の日のことだ。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
ひょっとしてHEAVEN !?
シェリンカ
青春
【第13回ドリーム小説大賞奨励賞受賞】
三年つきあった彼氏に、ある日突然ふられた
おかげで唯一の取り柄(?)だった成績がガタ落ち……
たいして面白味もない中途半端なこの進学校で、私の居場所っていったいどこだろう
手をさし伸べてくれたのは――学園一のイケメン王子だった!
「今すぐ俺と一緒に来て」って……どういうこと!?
恋と友情と青春の学園生徒会物語――開幕!
恋とは落ちるもの。
藍沢咲良
青春
恋なんて、他人事だった。
毎日平和に過ごして、部活に打ち込められればそれで良かった。
なのに。
恋なんて、どうしたらいいのかわからない。
⭐︎素敵な表紙をポリン先生が描いてくださいました。ポリン先生の作品はこちら↓
https://manga.line.me/indies/product/detail?id=8911
https://www.comico.jp/challenge/comic/33031
この作品は小説家になろう、エブリスタでも連載しています。
※エブリスタにてスター特典で優輝side「電車の君」、春樹side「春樹も恋に落ちる」を公開しております。
何故か超絶美少女に嫌われる日常
やまたけ
青春
K市内一と言われる超絶美少女の高校三年生柊美久。そして同じ高校三年生の武智悠斗は、何故か彼女に絡まれ疎まれる。何をしたのか覚えがないが、とにかく何かと文句を言われる毎日。だが、それでも彼女に歯向かえない事情があるようで……。疋田美里という、主人公がバイト先で知り合った可愛い女子高生。彼女の存在がより一層、この物語を複雑化させていくようで。
しょっぱなヒロインから嫌われるという、ちょっとひねくれた恋愛小説。
冬の水葬
束原ミヤコ
青春
夕霧七瀬(ユウギリナナセ)は、一つ年上の幼なじみ、凪蓮水(ナギハスミ)が好き。
凪が高校生になってから疎遠になってしまっていたけれど、ずっと好きだった。
高校一年生になった夕霧は、凪と同じ高校に通えることを楽しみにしていた。
美術部の凪を追いかけて美術部に入り、気安い幼なじみの間柄に戻ることができたと思っていた――
けれど、そのときにはすでに、凪の心には消えない傷ができてしまっていた。
ある女性に捕らわれた凪と、それを追いかける夕霧の、繰り返す冬の話。
【完結】カワイイ子猫のつくり方
龍野ゆうき
青春
子猫を助けようとして樹から落下。それだけでも災難なのに、あれ?気が付いたら私…猫になってる!?そんな自分(猫)に手を差し伸べてくれたのは天敵のアイツだった。
無愛想毒舌眼鏡男と獣化主人公の間に生まれる恋?ちょっぴりファンタジーなラブコメ。
黄昏は悲しき堕天使達のシュプール
Mr.M
青春
『ほろ苦い青春と淡い初恋の思い出は・・
黄昏色に染まる校庭で沈みゆく太陽と共に
儚くも露と消えていく』
ある朝、
目を覚ますとそこは二十年前の世界だった。
小学校六年生に戻った俺を取り巻く
懐かしい顔ぶれ。
優しい先生。
いじめっ子のグループ。
クラスで一番美しい少女。
そして。
密かに想い続けていた初恋の少女。
この世界は嘘と欺瞞に満ちている。
愛を語るには幼過ぎる少女達と
愛を語るには汚れ過ぎた大人。
少女は天使の様な微笑みで嘘を吐き、
大人は平然と他人を騙す。
ある時、
俺は隣のクラスの一人の少女の名前を思い出した。
そしてそれは大きな謎と後悔を俺に残した。
夕日に少女の涙が落ちる時、
俺は彼女達の笑顔と
失われた真実を
取り戻すことができるのだろうか。

ONE WEEK LOVE ~純情のっぽと変人天使の恋~
mizuno sei
青春
永野祐輝は高校3年生。プロバスケットの選手を目指して高校に入学したが、入学早々傷害事件を起こし、バスケット部への入部を拒否されてしまった。
目標を失った彼は、しばらく荒れた生活をし、学校中の生徒たちから不良で怖いというイメージを持たれてしまう。
鬱々とした日々を送っていた彼に転機が訪れたのは、偶然不良に絡まれていた男子生徒を助けたことがきっかけだった。その男子生徒、吉田龍之介はちょっと変わってはいたが、優れた才能を持つ演劇部の生徒だった。生活を変えたいと思っていた祐輝は、吉田の熱心な勧誘もあって演劇部に入部することを決めた。
それから2年後、いよいよ高校最後の年を迎えた祐輝は、始業式の前日、偶然に一人の女子生徒と出会った。彼女を一目見て恋に落ちた祐輝は、次の日からその少女を探し、告白しようと動き出す。
一方、その女子生徒、木崎真由もまた、心に傷とコンプレックスを抱えた少女だった。
不良の烙印を押された不器用で心優しい少年と、コンプレックスを抱えた少女の恋にゆくへは・・・。
【6/5完結】バンドマンと学園クイーンはいつまでもジレジレしてないでさっさとくっつけばいいと思うよ
星加のん
青春
モブキャラ気取ってるくせにバンドをやってる時は輝いてる楠木君。そんな彼と仲良くなりたいと何かと絡んでくる学園一の美少女羽深さんは、知れば知るほど残念感が漂う女の子。楠木君は羽深さんのことが大好きなのにそこはプロのDT力のなせるワザ。二人の仲をそうそう簡単には進展させてくれません。チョロいくせに卑屈で自信のないプロのDT楠木君と、スクールカーストのトップに君臨するクイーンなのにどこか残念感漂う羽深さん。そんな二人のじれったい恋路を描く青春ラブコメ、ここに爆誕!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる