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嘘
しおりを挟む私はいつも通りの生活に戻っていた
変わったことと言えば、月1回の妊婦検診に行くようになったこと
初めてのことでなにも知識が無かったけど、安定期に入るまでは流産の可能性もあり油断できないとのことだったので、身体のコンディションは気にかけるようになった
あれ以来、極度に緊張するようなイベントは無いので急に気持ち悪くなったりすることは特にない
煙草も吸わなくても全然平気だし、お酒もあれだけ毎日飲んでいたわりには飲みたいと思わなかった
身体はエネルギーを使うのか、めちゃくちゃ眠いときがある
職場の代表にだけは先に話しておいた
体調不良がひどくなった場合、当日の病欠などが発生する恐れもあったから
それと万が一、流産なんてことも無くは無いので…
今後の身の振り方については「安定期」を迎えられたら改めて相談させて欲しいと話してある
うちの両親と理人のご両親にも、やはり安定期を迎えたら報告をしようと思う
それに伴って、私はひとつ不満があった
理人とのセックスについてだ…
元々毎日毎日元気にセックスしていたのだから、妊娠と聞いてもセックスはしたいわけで
普段よりソフトなプレイさえ心がければOK!だというのに
流産のリスクを聞かされた理人が「怖い」と言い出し、及び腰なのである
出産までの期間を「十月十日」というけれど、10か月もセックス無しで過ごせというのか…
そんなに長く肌も触れずに居たら、理人のことを好きでいられるか分からない
というくらい、私にとっては大事な問題だ
それに…理人はどうしてるのよ…
1人で抜いてるから平気~とか言われたら怒りで死ぬかもしれない
世のお母さん方はこうして色んな試練を乗り越えたんだからスゴイなぁ
定時で仕事を終えロッカーに荷物を取りに向かう
百海とお喋りしながらビルを出ると、理人が迎えに来ていた
「慶さん!…ギャルもお疲れ~」
「(チッ)…百海ですぅ」
ほんとこの2人は馬が合わないねぇ…
理人とスーパーに寄って買い物をして帰る
買ったものをエコバッグに入れながら
「ねぇ、帰ったらセックスしよう?」
と言ってみる
「ちょっ!…こんなとこで言う?!」
理人は残りの商品を慌ててバッグに詰めると足早に店を出る
部屋に戻ると
「…今セックスしなくたって、すぐ出来るようになるでしょ?」
と理人がのんきなことを言う
今セックスが無かったら、その先はもう無い!(大袈裟)
「もうしたくないんだ?私に女としての魅力は無くなったってこと?」
「そんなこと絶対にないよ、慶さ~ん…」
理人が私をなだめようと抱きしめる
けど…そうじゃない
「じゃあ…もう結婚しない…」
「またそんなこと言って…」
「セックスしてくれない人とは結婚できない!」
私は寝室に行き布団の中に逃げ込んだ
なんか、前にもあったなぁこんなこと
あの時は実家に逃げたっけ…
などと、以前喧嘩した時のことを思い出していると
ガバッと布団が捲られて理人に取られてしまった
枕に顔をうずめてうつ伏せでふて寝状態だった私を、ぐるんとひっくり返して仰向けにする
「もう…泣いてもやめないからね」
理人が低い声で言う
「泣いても…って…」
一応ベイビーを預かる身の私に対してそれはちょっと過激過ぎやしないか?
ただ、理人の言うそれが嘘だということを私は知っている
理人は私の履いていたものを乱暴に脱がせた
そして両脚を開かせると
「ほら、自分で押さえてて」
と、開いた両脚を私の手で押さえるように言った
そこで待っている私の敏感な場所の周りにキスをする
内腿を強く吸って
「俺のだってマーク付けとかなきゃ…」
と大型犬らしくマーキングする
それから指で敏感なソコをゆっくりと撫で始めた
「…あぁっ…んっ」
理人の指先が撫でるたびにジワジワと脳が痺れる
「ん~?…もっと奥がいい?」
指をその中に潜らせて浅い所を刺激する
指の向きを変えながら、少しずつ奥に移動する
「んんっ…あっ……」
理人の舌が外側の突起を舐る
内側も外側も攻められて、それが徐々に強くなっていく
「んっ…りひと…気持ちいい…」
理人の指と舌の動きが私を追い立てる
「あっ!ああっ…んっ…!!」
身体ががくがくと痙攣して気持ちいい瞬間…
これだよこれ、理人に気持ち良くされたいんだよ私は
「慶さん…イクときのそれ、めちゃめちゃ気持ちよさそうだけど…お腹はダイジョウブなの?」
俺わかんないから怖いよ!と怯える理人
普通に気持ち良かっただけで特に違和感はない
「気持ち良かったぁ…」
素直に感想を述べる私
「…じゃあ俺と結婚してくれる?」
「うん、ちゃんとセックスしてね…」
…これ、返事してから思ったんだけど
まさかこれがプロポーズじゃあナイヨネ??
ちゃんとしたの後であるよね…?
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