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お披露目
しおりを挟む金曜日の夜、理人が仕事仲間を集めてくれた
…まぁ、私が「仲間に紹介しろ」と詰め寄った形ではあるが
マスターの店を貸し切りで押さえたと言っていたので帰りの心配は要らない(お向かいさん)
「理人…なに着て行ったらいいと思う?」
「丈の短いのと首が開いてるのはNG!」
即答…てかそれNGリストじゃん…
どんなものを選べばいいか、ってところを聞いたんだよ
「…じゃあ理人はどれ着て行くの?」
私は質問を変えた
すると理人が後ろから私の身体に腕を回して、首筋にキスをする
「んんっ、聞いてるの…?」
「ん~~~…聞いてるよ」
理人はそう言いながら、私の着ている薄手のロンTの上から胸の先を撫で始めた
「あっ、ねぇ…やだ…」
「嘘つき、慶さんこっち向いて」
左の耳元で理人が低い声で囁くと、私は抗えずにそちらに顔を向けた
「…可愛いね」
理人の熱っぽいキスに身体の奥がジンジンする
私も理人の身体に手を伸ばし、もっと欲しいというのを伝える
「んっ…」
すぐ横のベッドに倒れ込んだ
理人はこれから自分の仲間と会うのに、こんなこと…
強引に紹介しろ、なんて言ったからナーバスにさせちゃったのかもしれない
私も初対面の人に会ってエネルギーを使うというのに
2人で本能の赴くままに快楽を貪った…
ーーーーーーーーーー
集合が21:00ということで、私と理人は少し早めにマスターの店に行った
「マスター今日はお世話になります~」
「いらっしゃいませ…いえ、こちらこそ使っていただけて光栄です」
はぁ~、本当に言うことが素敵なんだよな、この人は
「お揃いになるまでなにかお出ししましょうか?」
「いや…お水クダサイ!」
我先にとアルコールを飲み始めたら今日は寝てしまいそうだった(疲労)
21:00を過ぎると、最初に6人組が一度に入ってきた
私的には「え!6人を一気に覚えるのか!」と一瞬焦ったけれど、別に私が正確に記憶する必要はない
ひとまず理人がテーブル席の奥から案内して、私も簡単に挨拶を済ませた
男性が4人、そして2人が女性だった…
その後も1人、2人…と徐々に集まり、15人ほどになったところで一旦乾杯をすることになった
「はいはいはーい!じゃあ今日は俺の彼女も紹介したいし、ってことで…」
と、理人の挨拶で乾杯する面々
乾杯が済んだタイミングで店に入って来る人も居て、最終的に何人ほどの予定なのか私はなにも聞かされていなかった
理人が私を連れて各テーブルに挨拶して回る
集まった面々は、配信者の人、絵師さん、プロゲーマー、音を作る人…と様々な職業の方々だった
私が知らないことが多すぎて失礼じゃないかと心配になるほどだった
この場で「はじめまして」と初対面の挨拶をする方々も見られて、こうして理人を介して輪が広がるのは非常に嬉しいことだと思った
「あれぇ?ヨシノさん、久々じゃない??」
そう理人が話しかけた女性の配信者の方は…
過去に人づてで動画の編集をお願いしたことから理人と知り合ったとのこと
その後は複数人でプレイするゲームの仲間に入れてもらいゲーム仲間でもある、ということだった
最近はご自身の活動が多忙を極めていて、この日集まった面々とも久しぶりだと言っていた
「私みたいなおばさんでも、若い方が本当に色々教えてくださって、こうして普通にお話ししていただけるんです…」
ヨシノさんと呼ばれたその女性はそう言った
「私ね、今年38歳なんです…でもほら、ここの皆さん年齢なんて気にしてないから」
と、本当に楽しくてここのメンバーに会いに来たのだという様子だった
「ヨシノさん、あれからご主人どうしてる?」
と、普通の友人のように話しかける理人…
ヨシノさんは理人の問いに少し言葉を選んでいるようだったが
「最近はね、その…ちょっといい感じなのよ!ほんとありがとね~」
「マジ…?!破局だー!ってあれだけ騒いでたのどこ行ったのよw」
理人を筆頭にそばに居た方から総ツッコミが入る
…周りを見るとヨシノさんより上であろう方も見受けられたし、若そうな子と大人とが半々くらいに見えた
ここにいるみんなの意識に年齢という垣根が存在しないのなら、純粋に友人として付き合えるのかもしれないと思えた
そうして最後にカウントした時には、参加人数が24名になった全員の所へ回ることが出来た
ヨシノさん以外の女性陣も、下は19歳という若い娘さん含め9名にもなったが、皆さんとても穏やかな人で私が変なモヤっと感を覚えるような女性は居なかった
「…今日来れるのはこれで全員だと思う」
理人がそう言った
普段はオンライン上でのやり取りがメインと言ってはいたけれど、こうして直接会って親睦を深める関係というのは、見ていて楽しそうだった
しばらく各々が積もる話に花を咲かせていたが、貸し切りの時間が0:00までとなっていて、そろそろ解散の時間が迫っていた
「みんな今日はありがとう!」
また次回ね、と理人が一旦この場を締める
二次会へ向かう方、明日の予定で帰宅の方…それぞれにマスターの店を後にした
…結構な人数だったな
テーブルの上に並んでいる、飲み残しのグラスたちを見て改めて思った
あの人たちが理人の仲間なんだなぁ…
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