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実物
しおりを挟む翌日、百海からメッセージが入っていた
「…知ってたんですか?」と…
なにも知らないですよ!百海から最初に話を聞いた時点では
ただ、なにげに優のほうにかまをかけたときに「まさか」とは思ったけれど
いやぁ~、続きが気になるweb漫画だわほんと
昨日は何時から会っていたのだろう
…ちなみにお互いの印象がまぁまぁだった場合、あの後セックスしたりなんかは…無いか?さすがにまだか?
ちゅっちゅくらいはしたのかな…
うーん、気になるなぁ!
「はいラテ…てゆーか、なんでニヤニヤしてるのww」
理人が私の顔面を見て爆笑している
「え?…そんなひどい顔してた?」
私の中のおじさんが止まらない件を理人に伝えた
「そんなさぁ、慶さんじゃ無いんだから顔合わせ一発目でセックスはないんじゃない?」
とまともなことを言う理人
そうですね、私じゃ無いんだからネ…
「でも、もし優くんが誘うがの上手だったら分かんないねぇ?」
いやぁ?優はその手のスキルとか無さそう~…私視点から見える限りでは
でも逆に?百海が上手パターンは無いか??
「…もうダメだ、ずっと気になっちゃう」
「じゃあ、なにも考えられなくしてあげようか?」
そう言って理人の指が、私のカップを持っている指の間をゆるゆると撫でる…
「慶さん…」
私を呼ぶ低い声に身体の奥がキュンとなる
「…1マイクログラムは、何グラムでしょうか?」
マ イ ク ロ っ て な ん だ っ け ?
いや今ちょっとえっちな方向しか考えてなかったよ…
えーと…100万分の1??
「んん~…0.000001グラム!」
「…正解!www」
いくらなんでも急に数字の問題はひどいよ!
…それでも効果は抜群だった
百海たちのこともえっちな気分も、一瞬でどこかへすっ飛んで行ってっしまった…
ーーーーーーーーーー
そして平日
私はいつも通り一番に出社して朝の準備を済ませ、本日の業務に備える
「おはようございま~す」
…百海がやってきた
「おはよ、コピー機だけ頼める?」
「了解でぇす」
コピー機には4種類の用紙を各トレイに補充する、また補充後には各用紙の在庫を確認し、切らさないように発注するのも私たちの仕事だ
百海はいつも通りに元気だった
機嫌が悪そうでも、上の空になってもいなかったのに、あの件に関しての話だけは無かった
なんか、寂しいってゆーかなんというか…
報告するようなことが無いだけなのか、それとも優を気に入らなかったのか
そこは彼女が話すタイミングを待つしかなかった
仕事中、席を立つついでにそっと百海の様子を伺うも入力作業に没頭しているようで、長いネイルの先がキーボードを叩くカチャカチャという音が忙しなく聞こえていた
とうとう職場で流しているラジオが12:00のお知らせをする
いつもは百海のほうから「今日はどこどこへ行きましょう!」と言ってくるはずなのに、少し待ってもそれは無かった…
「百海、今日はランチどうする~?」
と声をかけてみた
百海はやっと作業の手を止め、私を見ると
「…公園で」
と言った
公園の屋根付きベンチはいつも空いていて、私たちが座れなかったことが無い
やっぱりみんな鳩が怖いからだよね?鳩…
私はサンドイッチの包装を開けながら話す
「どうだった?優は?会ってみて…」
おそらく公園に来たのはこの話だからだよね?
気を回し過ぎても気持ちが悪いと思って直球を投げてみる
「まさかですよ、慶さんの弟だったって…」
まずソコよね私もびっくりだもん
「でも、なんて言えばいいか分かんないけど控えめに言って好きなんで!」
えぇ?!素直に言っちゃってるし好感触じゃないの!
「…そうなの?実物は大丈夫だったんだ、オンライン上のイメージ壊さなかった?」
「それが!実物がめちゃめちゃ可愛くて、すっごいお喋りでちょっとポンでぇ…」
と、百海はしばらく「実物の優」のかわいいポイントを教えてくれた
いや私はそこに興味は無いんだ百海!
「…でも優くん、また飲もうねって、それで別れたんすよあの日は…」
へぇ…そうだったんだ
web漫画的な展開は無かったのかぁ
それって優の作戦なのかしら?初回から手を出さない、とか?
それともただの鈍感…の説もあるか?
「もう、あたしだけ舞い上がってる感半端なくて…優くんはなんか、普通っていうか…」
あぁ…恋心だなぁ…
百海は恋をしているんだ、優がどう思っているかは知らないけれど
できれば上手く事が運んでくれることを祈るばかりだ
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