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キッチン

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 私は百海の件(優の件でもある)に頭を支配されていた


 過去に男女両者ともを知っていて、その2人が交際を始めたり別れたりという経験はある
 でもその2人が顔も見たことが無い関係で、これから…というのはもうweb漫画かな?!みたいなトキメキがある
 
 …気になり過ぎるよ
 
 そうして頭を支配されながらも、理人に食べさせる夕飯の買い物をして部屋へと帰った



 「…イイ男のことでも考えてるの~?」
 
 そう理人に声をかけられてハッとした
 ご飯の支度をしながらも、また明日の夜に思いを馳せてしまっていた

 「あ…ごめん」

 そう言って再び手を動かす


 「え?ごめんってなに!!」

 私が理人の発言を否定しなかったことで理人が私のところへすっ飛んできた
 いや違う違う、そうじゃない…

 「今ね、ある件にすっかり頭を支配されてて正直しんどいの」
 
 「…それって聞いても大丈夫なやつ?」

 なにも知らない理人は何の話かと少し怯えていたけれど、私は百海の恋心の話を聞かせた


 
 「…そんなことある?!」

 理人がそう言った
 そうなのよ、本当にそんなことがあるのかと、こちらがソワソワしてヤバいのよ

 「それでね、明日の夜なんだって…もう気になっちゃってさぁ~」

 有名人の結婚・離婚・熱愛報道なんかにはまったく興味が無いが、今回だけは興味津々だ


 「あのギャルがねぇ…優くんジェントルマンなんじゃない?」

 「はぁ?そんなわけ無くない??」

 理人がとんでもないことを言い出す


 理人曰く、オンラインでのやり取りで好印象を与えるということは、優が非常に紳士的な振る舞いをしているはずだということ…らしい 
  
 「俺だって普段オンラインで人とやり取りしてるけど、まず会ってみたいと思うことは無いもん」 

 ましてオンラインでの人付き合いというのは、対面じゃないからかマナーが良くない人も多いという

 
 「そんな中で、女子に会いたいって思わせたわけでしょ?」
 
 しかも「あのギャルにだよ?」と、理人は百海の「人を見る目の厳しさ」をけっこう理解しているようだった
 確かに以前は、マスターの店で私に声をかけに理人が寄って来ると百海にめちゃくちゃ敵視されていたもんなw 
 
 …そんな理人にそういう言い方をされてしまうと、そうなのかもと思えてしまう(優ジェントル説)

 

 夕飯を済ませ、私が食器を洗っていると 

 「俺も慶さんに誘われた日のことを思い出しちゃった…」
  
 と言う理人
 それは違わないか?百海たちは恋心だよ?純粋だよ!

 私を後ろからハグして

 「ねぇ、あの時慶さんがセックスしたいって言うから緊張しちゃったじゃん…」

 と、耳元で言いながら私に体重をかける
 大型犬がのしかかってきた勢いで私はシンクに両手をついた

 「ちょっと、洗い物がまだなんだけど…」

 口ではそう言いながら、理人に触れられると早くベッドに連れて行って欲しいと思う正直な私


 「いいよ、洗い物してて」
  
 と、聞き間違いでなければ理人はそう言った

 …ん???

 セックスは洗い物の後でいいってこと?
 お前は余裕か??
 と、私が脳内でバグっていると急に理人の体重から解放された

 「…え?」

 
 「洗い物してていいから、ちょっとだけ
 
 と、私が期待してしまうようなことを言う理人
 立ったままストレッチをするときのように、肩幅くらいにおずおずと脚を開く
 
 続いて理人が私の腰をグイッと後ろに引いた 
 私は後ろにお尻を突き出すような格好になる

 …期待で速くなる心音が理人に聞こえてしまうんじゃないかと思った

 
 理人は立っている私の後ろで足元にかがんで私の下着に指をかける
 そのまま下着をぐっと横に引っ張ると同時に、私の身体に震えが走った

 「あぁっ…」

 理人の舌が私のソコを優しく往復して
 わざと恥ずかしい音をたてて煽るようなことをする…

 水道も出しっぱなしになっているけど、もうそれをただ眺めながら、理人の舌に与えられる刺激に喘いだ


 しばらくして立ち上がった理人が

 「ちゃんと洗い物してよ、終わんないでしょ…?」

 と言いながら、さっきまでペロペロしていたソコに理人のを押し当てる


 「いやぁ…もうできない…」

 理人に全神経を持っていかれてるので同時に洗い物は無理である
 そんなことより…熱を持ったソコを理人に乱暴にされたい…ということしか考えられない

 「なんで出来ないの…?」

 そう言って理人はソレの先端で私の入り口付近をゆるゆると撫でて遊んでいる

 「や、だ…理人きらい…」

 「嘘つき~!もう離れられないくせに…」

 私の「きらい」をスルーして、やっと理人のソレが私の奥まで侵入する
  

 「…慶さんコレが無いと生きていけないでしょ?」

 そう言って、私の期待が透けているかのように激しく攻める理人

 「んっ!あっ…」

 肌のぶつかる音が心地よく、理人が突き上げるたびに快感の波が押し寄せる
 理人が触れている指が動いただけでも気持ちいい 
 
 「ちゃんと捕まえててあげるから大丈夫…」

 理人はそう言ってラストスパートに入る
 ここからが最高に気持ち良いのだと身体が知っている
 悪寒にも似たゾワゾワがこみ上げてくる

 「…あぁっ、もう…だめっ…!」

 「いいよ、慶さんイキな…」

 

 …こうしてキッチンで立たされたままぶっ飛んでしまった…

    
    理人とのセックスは気持ちいい
    
 確かに、理人と「セックス無し」になったら私は生きていけないのかもしれない
 






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