愛してると伝えるから

さいこ

文字の大きさ
上 下
30 / 30

あとがき

しおりを挟む





 今の時代、男性も女性も無いだろ、と思う
 生活も働き方も、家庭の在り方も正解というものは無い

 もちろん恋愛においても

  
   しかし今自分がそう思えるのは、ここまで年齢を重ねた結果だとも言える

   人生経験の蓄積によって今はそう思えるというのが正しいのかもしれない

   
   この話の主人公、一条は大人である
   他人と自分の違いを理解し、どんなことも受け入れることが出来る年齢だ

   勘違いアタックを仕掛けてくる女性客こそ相手にはしないが、誰に対しても素で向き合っている

   瀧がゲイだと言ったところで「そっか」と受け入れ、妹の件については「俺はこう」と自分の意見を素直に伝える

   藤原の女遊びも波多野のセフレも理人の本気の恋も、一条は黙って見守るいいポジションだ


   年齢を重ねたから生まれた余裕
   心が穏やかであるから、どんなものを見ても「あるよね」と否定はしない

   そんな大人の男をイメージした

   しかし「聖人君子」では人として色気がなさ過ぎるので、少しの性格の悪さを搭載した


   友人である理人が意中の人に勝負をかけているため、今まで通りに遊ぶことが無くなった
   
   そんな中での瀧の出現
   

   もう久しく誰かを愛するという情熱から離れていた中年の男が、その熱を思い出すとき

   そして愛を自覚してからのデレが可愛い
   一条にとって失いたくない大切なものになっていく瀧


   瀧はおそらく、一条に声をかけられた時に恋に落ちているのではないだろうか
   
   「あの人…めちゃくちゃドキドキした!好き…」

   と、妹に話していそうな気配がある



   番外編では一条が学生時代の話を書いた

   人はときに成り行きでとんでもない経験をする事がある

   まだ若い一条は大人の女とのセックスに飛びつきながらも、小さなあおいを預かるということには真剣に取り組んだ…
   いや、セックスにも情熱を持って取り組んだといえるし、ちゃっかり稼ぎもした

   彼の物事に対する姿勢が良きオーナーとの縁を引き寄せることに繋がるという話

   私はこの番外編が好きである


   
   もし貴方がこれに目を通してくれたのなら
   それも何かの縁といえる
   
   私の脳内でうるさく騒いでいた男どもの物語を共有してくれてありがとう
 

   今回の作品に登場した波多野という男が居るが、彼はいったいどんな生活を送っているのか…

   マスターにはセフレの話もしていたが、果たしてそれだけなのだろうか…
   


   また会う日まで


   
   
   ーさいこー
 
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...