愛してると伝えるから

さいこ

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証人

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   ふと目が覚めた
 アラームの音なんかは聞こえていない
 まだ外も静かな時間…みたいだった

 無駄に体力を使って昨日はすぐに熟睡できたってことだろうか


 それにしても瀧のやつ「引かないでね」なんて…
 
 男2人で散々して、今更なにで引けっていうんだよ
 まぁ瀧が急に「女の方が良い」とか言い出したら分かんねぇけどさ


 昨日の瀧の…気持ち良かったなぁ
 と、なんとなく瀧の股間に指を伸ばした

 俺がにぎにぎしていると段々硬くなるソレ…
 交代で今してみようか?
 

 瀧はどうしていたっけ?
 けっこうガン見してたからなぁと思い出す 
 
 こう先端から裏のほうに舌を這わせてみる
 
 「…ん~」

 死んだように寝ていた瀧がモゾモゾして声を出した
 これは気持ちいい夢だ瀧、楽しめ


 俺は先を咥え、手も使って瀧の真似をする
 
 「…んんっ、一条さん…」 

 起こしたか、と顔を確認しようと思ったが、瀧の手が俺の後頭部を押さえて見えなかった


 よしよし、気持ちいいはいいんだな、と続けようとすると
 瀧が口の奥にイチモツを突っ込んでくる

 そのままグイグイと繰り返す瀧…

 「んっ!んーーーっ!!!」
 (瀧の太腿をタップする)

 「…あぁっ、ん…一条…さん…」

 息が…苦しいデス…もうそろ死ぬんじゃないか…そう諦めたとき


 「んっ、あっ……!!!」

 喉の奥が苦しいのに、そこに瀧の体液がぶちまけられた

 

 「ごほっ、ごほっ…えっへ~…」
  
 ちょっとすると瀧の腕力が緩んで解放された
 喉の奥が痛い、顎も痛いし、変な味がする…

 
 「…は?!…一条さん?やだ!なにしたの?!」

 「…無茶苦茶しやがって…ぺっ…」

 
 夢から覚めた瀧は青い顔をしていた
 ざまーみろ、過去の俺の気持ちが分かったか

 視界が自由になり時計を見るとまだ6:30だった
 朝からなにやってんだ…



 俺は顔を洗いに行った
 なんか、まだ鼻とか喉の奥に瀧の精子が居るような気がする…

 シュガーとミルクを入れた甘い珈琲を飲んで誤魔化した

 ベランダで煙草に火をつける
 朝の空気が気持ち良かった
 
 「一条さんのえっち…」

 瀧まで起きてきた、なんでだよ寝てろよ


 「エロいのはお前のソレだよ」

 と、瀧の股間に視線をやった


 「…気持ち良かった?」

 「…そ、それはもう…ほんと寝ぼけてたとはいえスイマセン…でした…」



 「なぁ、毎日俺とずっとこんなことしてさぁ、飽きたり…なんて、しないよな?」 

 「一条さんこっち来て…」

 俺は煙草を持ったまま瀧の上に座った
 瀧は煙いから紙の煙草は嫌だと言ったが、煙を吐いた俺の唇にキスをした


 「こうして毎日隣に一条さんが居て嬉しいのに、飽きるなんて言わないでよ」

 「じじぃがガッツいてさ、嫌じゃないかなって…」

 「じじぃはウケる…!!」

 瀧は最高に可愛い顔で笑った


 
 俺は瀧の肩に頭を乗せた

 「俺さぁ、ほんとにお前のこと好きだ…」

 「うん、だから勃っちゃうんでしょ?…俺だって一緒だよ」

 分かってるけど怖いんだ
 俺はいつも怖くてしょうがないよ
 
 だから安心させてくれ
   いつもお前の心音が聞こえるように

   俺は腕を回して瀧に体を寄せた



 …グググッ、、、


 へ?


   瀧のデカいナニが漲って俺の股間に当たる


 「いやあの…そういうんじゃなくってぇ!…最近こう、適度にやって来るがマジで…ヤバイッ…!」
 
 もういい!死ぬって!!
 

 こうしてまた2人で疲れ果て、泥のように二度寝をした…




 ーーー日曜日



   ピピピピピ…ピピピピピ…

 アラームが鳴っている

 俺…?なんか用事あったっけ……



 時間は12:00
 瀧はまだ爆睡しているが、こいつはいつも自分でアラームをセットしているから大丈夫だろう

 とりあえず自分のスケジュールを確認する
 …あぁ、そういえば今日は理人から頼まれ事があったんだ
 まぁ夕方からの用事だ


 しかし身体がだっるい…
 中年が若い彼氏とはしゃぎ過ぎた結果だ

 ひとまず風呂に入った
 それから瀧が起きたら食べさせるものを作った
 そしてベランダに出た


 朝は静かだったけど、昼になると外を行き交う人や車の音が賑やかだ

 俺は日に何度もこうしてここで喫煙をするが、深夜の静けさが落ち着いて一番好きだった


 
 「…もう起きたの~?」

 目の開いていない瀧が出てきた
 だからなんで…お前は寝てろよ…

 部屋に戻り瀧にも珈琲をいれる

 「お前もう起きる時間なの?」

 「ううん、今日は休みだからあとで部屋の荷物を車に積んでこようかと思って」

 そうか休みなんだな


 瀧に飯を出しながら話す

 「なぁ、今日夕方からこないだ話したカップルがさ…」


 …瀧が泉という後輩と店に来たとき

 慶ちゃんが体調不良なのだと、なんとなく会話を聞いて知ったが
 翌日理人からおめでた報告があったのだ

 病気じゃなくて良かったのと理人がそれは泣いて喜んでいて
 俺はこんな報告を貰うのも悪くないって思った

 
 瀧と理人は知り合いみたいだから、理人ということは伏せて
 俺の店で知り合ったカップルが子供を授かったんだということだけを瀧にも聞かせた…

 

 「夕方から俺に挨拶に来るって言うから…」

 瀧には17:00前にはここを空けてくれとお願いする
 
 瀧と理人…そのうち衝撃的な会わせ方をしたいから、その時までこのカードは取っておきたい(性格)

 

 「それが終わったらお前の部屋に行くね」

 「りょ」

 「お前の狭いベッドでセックスしよ…」



 「…すぐ、そーゆーこと言う~!」


 瀧、クソ可愛い…   


 そして16:00頃「じゃあ…先行ってるから…」と、ちょっとモジモジしながら瀧は出て行った
 
 ほんと瀧と居ると俺はダメだなぁ
 切り替えて理人に会わなきゃ…



 17:00前に店で理人を待つ 
 一服していると階段から足音が聞こえ、理人が慶ちゃんを連れてやってきた

 「…待ってたよ」

 「ちょっと~!慶さん煙草我慢してるんだから!」

 と理人が小姑みたいなことを言う

 「…はいはいそうだった…」

 

 今日は理人が慶ちゃんにプロポーズをするのだ
 俺はその立会人?証人?…そんなお役を頼まれた

 理人もおそらく人生初のプロポーズで緊張もあるだろう
 「この店で知り合った2人だから」ということでこの店が場に選ばれたというわけだ 
 
 
 最初は理人にどうこう出来る女性では無さそうだと思って見ていたが
 今年に入って随分親しげに話すのを見るようになった
 
 いつの間にか一緒に住んでるし子供は授かるしで、まったく男と女は分からないよな


 俺の前で、プロポーズを受けた慶ちゃんもペアリングをつけた理人も、本当に幸せそうな顔をしていた…

 

 「それではお2人さん…」

 場所を変えて2人の話をゆっくり聞こうじゃないか
 ということで、俺の部屋へと移動した

 マスター視点ではいつどこで急接近したのかなんて全然見えなかったからな
 まぁ急展開で色々あるのが男と女ってことだ
 
 ところで、俺はもうひとつ理人に頼まれていることがある
 
  
 慶ちゃんはこれから急な体調不良には注意が必要なので、理人が不在のときになにかあれば、目と鼻の先に居る俺に対応を頼めないかということだった

 もちろん急を要するようなことがあればのハナシで
 まぁ先のことを言えば陣痛なんかも理人の都合なんて関係なく来るだろうから
 
 そういう保険として若い2人を安心させる意味で受けてやろうというわけだ

 慶ちゃんの方はポカーンとしていたが、理人と喧嘩でもしたら逃げてこいとも言っておいた


 
 
 


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