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序章
5 奈落での初戦闘
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「ゴアアアアア!!」
「くそっ!!」
奈落を進んでいると、早速魔物に見つかってしまった。今相手をしているのは手に棍棒を持った一つ目の巨人、サイクロプスだ。
サイクロプスのサイズは人間の二倍以上。そして、その体躯に見合う巨腕から放たれる強力な一撃で恐れられている魔物だった。
俺は攻撃を受けない様に避ける事に専念していた。身体が大きく、攻撃も大振りで回避するのも難しくはない。が、俺の方も回避の事を考えると軽い攻撃をすることしかできない。
「このままじゃ、ジリ貧か……」
このまま攻撃を避け続けるよりは、ダメージ覚悟で、重い一撃を与えるしかない。
「ゴアアアアアアア!!」
サイクロプスが再び攻撃を仕掛けてきた。
今だ、そう判断した俺はサイクロプスが腕を振り下した後、すぐさま外側に回り込み、右手首に向かって剣を振り下ろした。
「ウゴアアアアアアアアア!!」
間違いなく渾身の一撃が入った、手首からも血が出た。が、それだけであった。振り下した剣はサイクロプスの腕の中央辺りで勢いを失ってしまった。サイクロプスはその斬られた右腕を無造作に俺の方に横薙ぎに振う。回避するには時間が足りなかった。腕の動きで思わず剣の柄から手を離してしまう。そして、腹部に棍棒の一撃が直撃してしまった。
「がはっ!
大きく吹き飛ばされて壁と激突してしまう。ふらつきながらも急いで道具袋からポーションを取り出し嚥下する。流石最高級のポーションだけあって、ダメージが無かったかのように回復した。これで傷自体は治ったが、もし今の一撃が、腕力の落ちているであろう右腕ではなく、左腕での一撃であったなら、即死していたとしてもおかしくは無かったかもしれない。これ以上むやみに攻撃を食らうわけにはいかない
サイクロプスは右手首に刺さったままの剣を左手で抜き無造作に投げ捨てた。
今の攻撃で分かったのは俺の腕力ではサイクロプスの体に大きなダメージを与えるのは難しいという事だ。
「なら、これしかないか……」
そう呟くと、槍を取り出す。俺は槍に関しては素人も同然である。今まで剣だけしか使った事が無いからだ。だが素人であっても槍を一回、目的の場所に突き刺すだけなら難しくは無い。
「ウガアアアアア!!」
俺が死んでいない事が気に喰わないのかサイクロプスは叫び声を上げながら、こちらに走りながら向かってくる。
そして、その勢いのまま腕を振り下してきた。それを、避けるとそのまま棍棒に飛び乗りそれを足場に、腕に飛び乗る。そうやって、サイクロプスの体そのものを足場にして、槍が眼球まで届く距離まで近づくと、そのまま突き刺した。
槍の最大の特徴はそのリーチと一点への刺殺攻撃だ。身体の中でも比較的柔らかい部分である眼球にそんな槍が突き刺さったのだからダメージは少なくないはずだ。
「ウゴアアアアアアアアア!!」
事実、サイクロプスは両手で槍が刺さったままの一つ目を押さえている。だが、その隙間から見える目からは、血が今も流れ出ていた。
俺は道具袋からもう一つ剣を取り出し、隙だらけのサイクロプスの右足めがけて剣を横に振う。これだけの隙と、聖気を纏った剣なら今度こそ切断できるかもしれない。
「ちっ!!」
だが右足の中央まで切り裂いた所で、サイクロプスが暴れ出した。失明状態なためだろう、振われる腕は、適当な軌道であったがその力だけは更に増していた。咄嗟からから手を離し離脱する。
「ならっ!!」
俺は道具袋からバーストジェムを取り出した。使い捨てのバーストジェムは出来るだけ使いたくは無かったがこの際仕方がない。取り出したバーストジェムを砕くと同時にサイクロプスの右足にマジックジェムを放り投げた。足元で同じ爆発が起こり、サイクロプスが転倒する。
「ウギャアアアアアア!!」
爆発で足場が消えたサイクロプスがそのまま倒れ込んだ。地面に顔面から衝突した事で槍がさらに深々と刺さり、まるで倒れているサイクロプスの頭部から槍が生えている様な状態となった。
倒れながらもジタバタと暴れてはいるが既に裏側に回り込んでいる。ジタバタする左足、そして右足も関節部を突き刺すことで、その勢いが衰えていく。
両足の関節部を突き刺し動かなくなった時点で、サイクロプスの上半身の勢いもかなり衰えていた。出血多量が原因だろう。そのまま、少しするとサイクロプスは完全に動かなくなってしまう。念には念を入れて、動かなくなったサイクロプスを何度も剣で突き刺してみるが、何度やろうともピクリともしなかった。そして、その時俺はやっと戦いが終わったと安堵したのだった。
「くそっ!!」
奈落を進んでいると、早速魔物に見つかってしまった。今相手をしているのは手に棍棒を持った一つ目の巨人、サイクロプスだ。
サイクロプスのサイズは人間の二倍以上。そして、その体躯に見合う巨腕から放たれる強力な一撃で恐れられている魔物だった。
俺は攻撃を受けない様に避ける事に専念していた。身体が大きく、攻撃も大振りで回避するのも難しくはない。が、俺の方も回避の事を考えると軽い攻撃をすることしかできない。
「このままじゃ、ジリ貧か……」
このまま攻撃を避け続けるよりは、ダメージ覚悟で、重い一撃を与えるしかない。
「ゴアアアアアアア!!」
サイクロプスが再び攻撃を仕掛けてきた。
今だ、そう判断した俺はサイクロプスが腕を振り下した後、すぐさま外側に回り込み、右手首に向かって剣を振り下ろした。
「ウゴアアアアアアアアア!!」
間違いなく渾身の一撃が入った、手首からも血が出た。が、それだけであった。振り下した剣はサイクロプスの腕の中央辺りで勢いを失ってしまった。サイクロプスはその斬られた右腕を無造作に俺の方に横薙ぎに振う。回避するには時間が足りなかった。腕の動きで思わず剣の柄から手を離してしまう。そして、腹部に棍棒の一撃が直撃してしまった。
「がはっ!
大きく吹き飛ばされて壁と激突してしまう。ふらつきながらも急いで道具袋からポーションを取り出し嚥下する。流石最高級のポーションだけあって、ダメージが無かったかのように回復した。これで傷自体は治ったが、もし今の一撃が、腕力の落ちているであろう右腕ではなく、左腕での一撃であったなら、即死していたとしてもおかしくは無かったかもしれない。これ以上むやみに攻撃を食らうわけにはいかない
サイクロプスは右手首に刺さったままの剣を左手で抜き無造作に投げ捨てた。
今の攻撃で分かったのは俺の腕力ではサイクロプスの体に大きなダメージを与えるのは難しいという事だ。
「なら、これしかないか……」
そう呟くと、槍を取り出す。俺は槍に関しては素人も同然である。今まで剣だけしか使った事が無いからだ。だが素人であっても槍を一回、目的の場所に突き刺すだけなら難しくは無い。
「ウガアアアアア!!」
俺が死んでいない事が気に喰わないのかサイクロプスは叫び声を上げながら、こちらに走りながら向かってくる。
そして、その勢いのまま腕を振り下してきた。それを、避けるとそのまま棍棒に飛び乗りそれを足場に、腕に飛び乗る。そうやって、サイクロプスの体そのものを足場にして、槍が眼球まで届く距離まで近づくと、そのまま突き刺した。
槍の最大の特徴はそのリーチと一点への刺殺攻撃だ。身体の中でも比較的柔らかい部分である眼球にそんな槍が突き刺さったのだからダメージは少なくないはずだ。
「ウゴアアアアアアアアア!!」
事実、サイクロプスは両手で槍が刺さったままの一つ目を押さえている。だが、その隙間から見える目からは、血が今も流れ出ていた。
俺は道具袋からもう一つ剣を取り出し、隙だらけのサイクロプスの右足めがけて剣を横に振う。これだけの隙と、聖気を纏った剣なら今度こそ切断できるかもしれない。
「ちっ!!」
だが右足の中央まで切り裂いた所で、サイクロプスが暴れ出した。失明状態なためだろう、振われる腕は、適当な軌道であったがその力だけは更に増していた。咄嗟からから手を離し離脱する。
「ならっ!!」
俺は道具袋からバーストジェムを取り出した。使い捨てのバーストジェムは出来るだけ使いたくは無かったがこの際仕方がない。取り出したバーストジェムを砕くと同時にサイクロプスの右足にマジックジェムを放り投げた。足元で同じ爆発が起こり、サイクロプスが転倒する。
「ウギャアアアアアア!!」
爆発で足場が消えたサイクロプスがそのまま倒れ込んだ。地面に顔面から衝突した事で槍がさらに深々と刺さり、まるで倒れているサイクロプスの頭部から槍が生えている様な状態となった。
倒れながらもジタバタと暴れてはいるが既に裏側に回り込んでいる。ジタバタする左足、そして右足も関節部を突き刺すことで、その勢いが衰えていく。
両足の関節部を突き刺し動かなくなった時点で、サイクロプスの上半身の勢いもかなり衰えていた。出血多量が原因だろう。そのまま、少しするとサイクロプスは完全に動かなくなってしまう。念には念を入れて、動かなくなったサイクロプスを何度も剣で突き刺してみるが、何度やろうともピクリともしなかった。そして、その時俺はやっと戦いが終わったと安堵したのだった。
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