呪われた深紅のワンピース

O.K

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不気味な語り

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町の人々は、古着屋さんから漏れる不気味な光と声の噂を耳にしても、それを確かめる者はいませんでした。呪われたワンピースの恐ろしさと、あの店にまつわる不気味な雰囲気には誰も近づきたくないと感じていたのです。

しかし、ある夜、若い冒険心にあふれる青年がその噂を聞きつけ、興味津々で古着屋に足を踏み入れることにしました。彼は友人たちに自分の勇気を自慢し、店内の不気味な光景を目の当たりにしたくてウズウズしていました。

その青年は、古着屋の扉をゆっくりと開け、足音が響く店内に一歩踏み込みました。すると、暗がりの中にぼんやりと浮かび上がる数々の古着やアンティークが、まるで生きているかのように見えたのです。彼の背筋は寒気に襲われ、気持ちを奮い立たせながらも進みました。

奥のほうに進むほど、店内の不気味さが増していきます。青年は心臓がどんどん速くなるのを感じながらも、なんとか足を進め続けます。すると、やがて彼の視界に深紅のワンピースが捨てられたままの状態で現れました。

呪われたワンピースは、なんとも不気味な光を放っているように見えました。それを見た瞬間、青年の心にも不穏な気配が広がりました。しかし、彼は何かに引き寄せられるようにそのワンピースに近づき、手に取ってしまいました。

すると、あたりの空気が一変し、寒気と共に不気味な笑い声が店内に響き渡りました。青年はワンピースを捨てようとするものの、手が思うように動かず、身体が動かなくなってしまったのです。彼の心臓は激しく脈打ち、あたりがぐるぐると回るように感じられました。

「助けて!誰か助けてくれ!」青年が必死に叫ぶと、奇怪な声が応えました。「誰かを助けるものか?あなたは私たちの一員になるのですよ。」

青年は自分を取り巻く異様な空気に苛まれながらも、なんとか腕を動かし続けました。そして、思い切りワンピースを払いのけると、その場から逃げ出しました。足取りは不安定で、呪われた力に引きずられながらも、彼はなんとか店から逃げ出すことができました。

青年はその夜以来、病床に伏せることとなりました。彼の体力は奪われ、心には恐ろしい不安が残りました。友人たちにその古着屋の恐ろしい体験を語ったところ、彼らは彼を心配して同情しましたが、同時にその場所から距離を置くよう忠告しました。

古着屋は以前よりもさらに呪われた場所となり、街の人々はそれを避けるようになりました。そのワンピースを着た者は誰も現れなくなり、店はますます薄汚れ、荒れ果てていきました。

やがて、その古着屋は人々の記憶からも薄れていき、廃墟となってしまいました。そして、深紅のワンピースはどこかに消えてしまったとされています。それが完全に消え去る日が来るのか、永遠に呪われた存在として残り続けるのかは誰にもわかりませんが、街の人々はかつての古着屋さんの怖い話を口々に語り継ぐのでした…。
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