呪われた深紅のワンピース

O.K

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呪われたワンピース

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かつて、田舎にある古着屋さんで働いていたとある若い女性がいました。その古着屋さんは、古びた建物の一角に佇んでおり、多くの古着やアンティークが陳列されていましたが、いつも何となく不気味な雰囲気が漂っていました。

ある日、その女性は店内を整理している最中に、ひとつの古着を見つけました。それは深紅のワンピースで、レースがあしらわれた美しいデザインでしたが、なぜか彼女はその服に強い惹かれを感じました。それまで何度も買い物をしていた古着好きな彼女でしたが、こんなにも魅力的な服には出会ったことがありませんでした。

店主にその古着のことを尋ねると、店主は不思議な笑みを浮かべて、「それはとても特別な一着だよ」と言いました。そして、それ以上の説明を避けてしまいましたが、彼女はあまり気にしないでその古着を購入しました。

その晩、彼女はその深紅のワンピースを着て友人との食事に出かけることにしました。友人たちからもその古着の美しさを称賛され、彼女も自慢げに喜んでいました。しかし、夜が更けるにつれて、彼女はなんとなく違和感を覚え始めました。

その深紅のワンピースを着ていると、周囲の人々が次第に冷たくなっていくような気がしたのです。彼女の視線が通る先には、妙に不気味な笑みを浮かべた人々が見えたり、不吉な予感が胸をよぎりました。そして、夢の中でもそのワンピースが頭から離れず、鮮血のような深紅の色が彼女を取り巻くように感じたのです。

それでも彼女は、ただの思い込みだと自分に言い聞かせ、そのワンピースを着続けました。しかし、次第に体調を崩すようになりました。不思議なことに、その深紅のワンピースを着ていると、体がだるくなり、吐き気や頭痛に襲われるようになったのです。

彼女は次第に古着屋での日々を耐えることができなくなり、やがて家に引きこもるようになりました。友人たちや家族が心配そうに訪ねてきますが、彼女はその深紅のワンピースを手放すことができず、何も話そうとはしませんでした。

ある日、友人が勇気を出してそのワンピースを持ち帰り、捨てることを提案しました。しかし、彼女はそれに対して激しく抵抗し、ワンピースを取り戻すようになったのです。それが原因で友人たちとの関係も悪化し、彼女はますます孤立してしまいました。

ある晩、彼女は夢の中で不気味な笑みを浮かべた人々に囲まれ、絶望的な状況に陥りました。その夢から覚めた彼女は、ついに気づいたのです。その深紅のワンピースが自分の心を乗っ取り、不幸を招く呪われた服だということに。

恐れおののく彼女は、そのワンピースを一刻も早く手放さなければならないと悟りました。彼女は泣きながらそのワンピースを包み、古着屋さんに戻りました。店主は驚いた表情で彼女の様子を見つめながら、そっと受け取りました。

その後、彼女は少しずつ回復していきましたが、あの深紅のワンピースの呪いは彼女の心に深い傷を残しました。彼女は決して古着屋さんに足を踏み入れることなく、怖い話としてその店とその呪われたワンピースのことを人々に語り続けました。

そして、町の人々はその古着屋さんを敬遠し、そのワンピースを着る者はもはやいなくなりました。だが、時折夜になると、その古着屋さんから不気味な声や気味の悪い光が漏れるという噂が広まっていったのでした…。
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