邪悪なインコの視線

O.K

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恐ろしい夜から

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その恐ろしい夜から数週間が経ちましたが、そのインコの存在は私の生活から逃れることができませんでした。傷が癒え、物理的な苦痛は和らいだものの、心の中には不安と恐怖が残り続けました。

新しい友人たちは私の話を信じてくれず、家族は私が妄想にとりつかれたと思ったのかもしれません。しかし、私はそのインコの異常性を感じていました。それはただの鳥の行動ではなく、何か邪悪なものがその鳥に宿っているように感じたのです。

ある晩、私は窓の外でそのインコを見かけました。夜空に浮かび上がる月の光が、その羽毛を奇妙に輝かせました。そして、その鳥は私を見つめ続けました。何かを伝えようとしているように感じました。

その瞬間、私は決意しました。この恐ろしいインコの謎を解き明かすために、その鳥を追い詰めることにしました。私は網と手袋を持参し、窓を開けて外に出ました。そのインコは少し離れた場所に止まっていましたが、私に対するその冷たい視線は変わりませんでした。

ゆっくりと近づき、網でその鳥を捕まえようとしました。しかし、その瞬間、そのインコは空に舞い上がり、私の頭上を回り始めました。そのまま高く高く上昇し、消えてしまいました。私はただの空に向かって手を伸ばすことしかできませんでした。

その夜以降、そのインコは二度と姿を現しませんでした。私は何が起こったのかを理解できず、ただ怖さだけが残りました。私は新しいアパートに引っ越すことを決意し、その恐ろしい出来事を忘れようとしました。

しかし、どんなに遠くへ行っても、どんなに新しい場所に住んでも、私はそのインコの視線が忘れられません。それはまるで私を見つめ続け、私を追いかけ続けているかのようでした。私の心にその不気味な鳥の存在は永遠に刻まれ、私の生活を暗闇に引き込んでいます。

それからというもの、私は夜になると窓を閉め切り、そのインコの呪縛から逃れようとしています。しかし、いつか、その恐ろしい鳥が再び私を見つけ、私の人生に戻ってくる日が来るのではないかという不安が私を苦しめています。
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