ガラス越しの不気味な姿

数週間後

その恐ろしい夜から数週間が経ちましたが、主人公はあの出来事を忘れることができませんでした。日中は忙しい日常の中で、それを避けるようにしていたものの、深夜になると不安な気持ちが押し寄せてきます。

ある日、友人たちとの集まりがありました。その中にはオカルトや怪談が好きな者もいて、主人公はこの機会にあの恐ろしい出来事について話してみることにしました。しかし、話す前から胸が高鳴って、言葉を紡ぐのが難しいほどでした。

「みんな、実は先日…深夜にコンビニで不思議なことがあったんだ。」

主人公がその出来事を伝えると、友人たちは興味津々の表情を浮かべて聞き入ってきました。

「なんだったんだよ？オカルトみたいな話、聞きたいよ！」

一人の友人が興味津々に問いかけます。

「実は、飲み物の販売棚のガラスに、俺じゃない他人の姿が映っていたんだ。しかも、その後ろには不気味な仮面をつけた人物が立っていて…」

主人公は言葉を詰まらせながらも、その出来事を友人たちに伝えました。彼らは興味津々な様子で聞いていましたが、不気味さを感じることはなかったようです。

「それって、もしかしたら幽霊とかじゃないの？」

オカルト好きの友人が冗談めかして言いますが、主人公はその可能性も考えたことがありました。しかし、あの出来事は幻覚や錯覚ではなく、明らかにリアルな存在だったのです。

「いや、でも幽霊なんているわけないじゃん。きっと、疲れてたんだろうな。」

主人公は自分を納得させるようにつぶやきましたが、心の奥底では不安な気持ちが消えることはありませんでした。

集まりが終わり、友人たちと別れると、主人公はふと自宅の近くにある別のコンビニを見つけました。彼はどうしてもあの恐ろしい出来事を受け入れることができなかったため、勇気を振り絞ってそのコンビニへ足を運びました。

入店してみると、そこには明るく清潔なコンビニの姿がありました。店員も元気に挨拶してくれて、主人公は安心しました。しかし、飲み物の販売棚を見ると、あの恐怖の夜と同じようにガラス越しに誰かの姿が映し出されているような気がしてなりません。

主人公は目を疑いましたが、その人影は一瞬で消えてしまいました。彼は自分の目を何度もこすり、確かめようとしましたが、それ以上は何も起こりませんでした。深呼吸をしながら、彼はその場を後にしました。

帰宅すると、主人公は考え込みました。もし、あの出来事がただの錯覚だったのなら、なぜ別のコンビニでも同じような光景が見えたのでしょうか？論理的には説明がつかない状況に彼は苦しんでいました。

それからというもの、主人公は深夜にコンビニへ足を運ぶことを避けるようになりました。恐怖を抱えたまま、彼は日常を送り続けることになりましたが、その出来事が彼の心に永遠に刻まれることは間違いありませんでした。結局、主人公はあの夜に何が起こったのか、そしてあの不気味な人物が何者なのか、一生分からないままでいくのでした。