呪われたワンピースの幻影

呪いのワンピースを贈り物

ある日の暗い夕方、主人公は偶然通りかかった古びた路地裏に不気味な服屋さんを見つけました。そのお店は灯りも薄暗く、薄汚れた窓ガラスには曖昧な姿のマネキンが置かれていました。興味津々の彼は店内に足を踏み入れました。

店内は狭く、棚には奇妙なデザインの服がずらりと並べられていました。その中で主人公は一着の可愛らしいワンピースを見つけました。淡いピンクの生地に小さな花柄が散りばめられ、まるで昔のフランスのような雰囲気を感じさせました。それは彼の彼女にぴったりだと思い、即座に購入しました。

彼女の誕生日にワンピースをプレゼントすると、彼女は喜んでそれを受け取りました。しかし、彼女がそのワンピースを着るようになってから、奇妙な変化が始まりました。まずは彼女が不安そうに見えることが増えました。そして、普段の彼女とは違った、どこか異様な笑みを浮かべるようになったのです。

彼女は次第に友人たちとの関係を断ち、家に引きこもるようになりました。彼女がワンピースを着ると、その日は何も食べずに寝ることばかりになります。主人公は心配し、彼女に何があったのか尋ねるのですが、彼女は何も答えず、ただにこにこと笑いながら、不思議な言葉を繰り返すだけでした。

「私はもう一人じゃない。あの中には他の誰かがいるの。」

主人公は彼女の様子がますますおかしくなるのを見て、ワンピースに何かがあるのではないかと疑い始めました。不安と恐怖が彼を包み込みましたが、同時に彼女の変化に対する愛情も捨てられませんでした。

ある日、主人公は勇気を振り絞り、そのワンピースを店に持ち込み、店主に相談しました。店主は不気味な笑みを浮かべながら、次のように言いました。

「あなたの彼女はワンピースの中に住む霊に憑りつかれてしまったようですね。このワンピースは死者の魂が宿る呪われた服なのです。」

主人公は愕然としましたが、彼女を救いたいという気持ちが勝りました。店主はワンピースを焼却してくれると言ってくれましたが、条件がありました。彼女の身代わりを探し、その人物がワンピースを着た時に霊が移ることで、彼女を解放できるのだというのです。

主人公は苦渋の決断をし、身代わりを探し始めました。しかし、霊を移すためにはその人物にも悲劇が訪れることが分かります。やがて、彼は身代わりを見つけることに成功しましたが、彼の内心は葛藤に苛まれました。

最終的に、主人公は彼女に真実を告げ、自分が身代わりになることを決意しました。彼はワンピースを着て霊に憑依させ、その恐怖の中で彼女に別れのキスをしました。

そして、主人公の体を霊が乗っ取った瞬間、彼の意識は消え失せました。その後、彼女は元の自分に戻り、主人公との記憶も無くなってしまいました。

不気味な服屋さんは、その後も謎のままで、たくさんの人々が不気味なワンピースを手に入れるという奇妙な噂が広まりました。主人公の魂はワンピースの中で永遠に閉じ込められ、闇の中でさまよい続けるのでしょう。