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第19話「お祭りで」
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俺は大学が終わると浅川と一緒に浅川が行こうと言うところにそのままついていった。
浅川が俺を連れていった場所は俺達が通っている大学の最寄りの駅から昇りの電車で3つ先にいったところでやっていたお祭りだった。
「え、こんなところで祭りやってたんだ」
このお祭りはこの地域のちょっとした名物のお祭りだと浅川が教えてくれた。
「お祭り嫌い?」
「いや、でも、もうこういう祭りには随分、行ってなかったな」
中学生までは年に1度、家の近くでやっていたお祭りに美香といつも一緒に行っていたけど。
だけど、高校生になって離れてからはそういえばこんなお祭りに誰とも行ってなかったなと思った。
それに多分、美香以外の誰かと行っても楽しくないだろうと思っていたから。
でも、今日は何だかこのお祭りの風景を見て、少し心が弾んだ気がした。
「じゃあ、良かった。ね、このお祭りで、お面買ったり、りんご飴とか綿菓子とか食べたりしたら、童心に帰って、きっと癒されるんじゃないかなと思ってね」
浅川のその言葉にそうかもしれないなと今は素直に思った。
今は美香のことは忘れて、このお祭りのイベントに夢中になったら、心をリセットできるかもしれない。
そうも思って、俺は浅川と一緒に自分がやりたいと思ったものにチャレンジして、また、食べたいと思ったものも迷わずにすぐに買って食べた。
「本田くん、楽しい?」
綿菓子を舐めた後、浅川が言った。
今はもう2人ともが随分、このお祭りのイベントを楽しんだ後だった。
「ああ、楽しい。こんなに楽しいの久しぶりかも」
「なら、良かった」
そう浅川が言った時、突然、何処からか2人の男性が現れて、凄い勢いでこっちに走ってきて、浅川にぶつかり、浅川が突き飛ばされた。
「きゃっ!」
俺はぶつかった奴らに文句を言いたかったけれど、浅川が道の端に突き飛ばされ倒れていたので、浅川のところに行った。
その間に2人の男性はもういなくなっていた。
「大丈夫か? あいつら一体、何なんだよ」
俺はそう言いながら倒れている浅川を起こした。
「うん、ごめんね。あ、でも、何か足、くじいたみたい」
「え? マジ。なら、歩けないよな。ほら」
俺はそう言い浅川の方にしゃがんで背を向けた。
「え?」
浅川は戸惑ったような声を出す。
「歩けないんだろ。だから、駅までおぶるよ。で、駅でタクシー捕まえて、もう帰ろう」
「そんな悪いよ。でも、ちょっと身体を掴ませてくれるかな? そうしたら、自分で歩けると思うから」
「大丈夫。それに浅川は何も悪くないんだから素直に俺に甘えなさい」
俺がそう言うと浅川は申し訳なさそうにごめんねと言い、俺の背中におぶさった。
そして、俺は浅川をおぶって駅まで歩いていった。
俺にとってはただ怪我をした人が知り合いで、他に誰も頼れる人もいないから、行ったこの行為。
だけど、この行為が美香の心を引き裂くことになるなんてこの時は思いもしなかった。
浅川が俺を連れていった場所は俺達が通っている大学の最寄りの駅から昇りの電車で3つ先にいったところでやっていたお祭りだった。
「え、こんなところで祭りやってたんだ」
このお祭りはこの地域のちょっとした名物のお祭りだと浅川が教えてくれた。
「お祭り嫌い?」
「いや、でも、もうこういう祭りには随分、行ってなかったな」
中学生までは年に1度、家の近くでやっていたお祭りに美香といつも一緒に行っていたけど。
だけど、高校生になって離れてからはそういえばこんなお祭りに誰とも行ってなかったなと思った。
それに多分、美香以外の誰かと行っても楽しくないだろうと思っていたから。
でも、今日は何だかこのお祭りの風景を見て、少し心が弾んだ気がした。
「じゃあ、良かった。ね、このお祭りで、お面買ったり、りんご飴とか綿菓子とか食べたりしたら、童心に帰って、きっと癒されるんじゃないかなと思ってね」
浅川のその言葉にそうかもしれないなと今は素直に思った。
今は美香のことは忘れて、このお祭りのイベントに夢中になったら、心をリセットできるかもしれない。
そうも思って、俺は浅川と一緒に自分がやりたいと思ったものにチャレンジして、また、食べたいと思ったものも迷わずにすぐに買って食べた。
「本田くん、楽しい?」
綿菓子を舐めた後、浅川が言った。
今はもう2人ともが随分、このお祭りのイベントを楽しんだ後だった。
「ああ、楽しい。こんなに楽しいの久しぶりかも」
「なら、良かった」
そう浅川が言った時、突然、何処からか2人の男性が現れて、凄い勢いでこっちに走ってきて、浅川にぶつかり、浅川が突き飛ばされた。
「きゃっ!」
俺はぶつかった奴らに文句を言いたかったけれど、浅川が道の端に突き飛ばされ倒れていたので、浅川のところに行った。
その間に2人の男性はもういなくなっていた。
「大丈夫か? あいつら一体、何なんだよ」
俺はそう言いながら倒れている浅川を起こした。
「うん、ごめんね。あ、でも、何か足、くじいたみたい」
「え? マジ。なら、歩けないよな。ほら」
俺はそう言い浅川の方にしゃがんで背を向けた。
「え?」
浅川は戸惑ったような声を出す。
「歩けないんだろ。だから、駅までおぶるよ。で、駅でタクシー捕まえて、もう帰ろう」
「そんな悪いよ。でも、ちょっと身体を掴ませてくれるかな? そうしたら、自分で歩けると思うから」
「大丈夫。それに浅川は何も悪くないんだから素直に俺に甘えなさい」
俺がそう言うと浅川は申し訳なさそうにごめんねと言い、俺の背中におぶさった。
そして、俺は浅川をおぶって駅まで歩いていった。
俺にとってはただ怪我をした人が知り合いで、他に誰も頼れる人もいないから、行ったこの行為。
だけど、この行為が美香の心を引き裂くことになるなんてこの時は思いもしなかった。
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