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「初めての本気 リターンズ」
第13話
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理菜がまだ家に帰っていないと山内から連絡を受けて、俺は花蓮さんの連絡先を山内から教えてもらい、携帯に電話をかけた。
「もしもし」
花蓮さんはすぐに電話に出た。
「俺、長原だけど、花蓮が家に帰ってないって山内から連絡もらって」
「そうなのよ。今日、長原、理菜と夏期講習行ってたんだよね」
「うん、一緒だった。でも、帰りは理菜がトイレに行くって言って教室で待ってたら、同じクラスの……あ、花蓮さんもよく知ってる奴だと思うけど、佐々野って奴が一旦帰ったのに忘れ物したって教室に戻ってきて、その時に理菜が家の急用があるから、先に帰ってって伝えてくれって言われたって聞いて、俺は帰ったんだけど」
俺がそう言うと花蓮さんは、
「今、佐々野って言った?」
と少しトーンの低い声で言った。
「うん、佐々野。花蓮さん、中学の時、生徒会で一緒だったんだろ」
「ええ、一緒だったわ。やっぱりその佐々野なんだ」
「え? どうしたの」
何だか花蓮さんの様子が変なので俺はそう聞いた。
「佐々野は中学生の時はいい子だったのよ。人望も厚かったし。でも、佐々野と同じ高校に進んだ子から、高校生になって佐々野は変わったって聞いたの」
「変わった?」
「ええ、最悪な方にね」
花蓮さんのその言葉で俺は青ざめた。
そして、もしかして、佐々野が教室に戻って来たのって、俺に理菜は先に帰ったって嘘をつくためだったんじゃ。
でも、そうだとしたら、どうしてそんな嘘を俺についたんだ。
また、俺に嘘をついたとしたら、理菜の居場所は佐々野が知ってるってことなのか?
俺は何だか凄く胸騒ぎがした。
「花蓮さん、もしかして理菜は」
「ええ、多分、長原が思ってること私も思ってる。理菜の居場所は佐々野が知ってるはず。でも、正面から聞いても今の佐々野じゃ正直に答えないと思う」
「じゃあ、どうすれば」
その時だった。
俺のスマートフォンにいきなり、画像が送られてきた。
その画像は理菜が何処かの倉庫のベッドの上に寝かされているものだった。
「花蓮さん、理菜が何処かの倉庫のベッドに寝てる写真が俺の知らないアドレスから送られてきた」
だけど、今、花蓮さんと会話していて、この知らないアドレスの持ち主は佐々野だということが解った。
「倉庫? 長原、その画像、今すぐ送って。一旦、電話切るから」
花蓮さんにそう言われたので、俺は山内から聞いていた花蓮さんの携帯のメールアドレスに画像を送った。
するとすぐにまた花蓮さんから電話がかかってきて、
「この倉庫、見覚えがある。長原と理菜が夏期講習に行ってる塾からそんなに遠くないところにある倉庫のはず。長原、今から、塾の最寄りの駅まで来れる? 私も行くから」
俺は花蓮さんのその言葉に勿論、すぐ行くと言い、家を飛び出した。
「もしもし」
花蓮さんはすぐに電話に出た。
「俺、長原だけど、花蓮が家に帰ってないって山内から連絡もらって」
「そうなのよ。今日、長原、理菜と夏期講習行ってたんだよね」
「うん、一緒だった。でも、帰りは理菜がトイレに行くって言って教室で待ってたら、同じクラスの……あ、花蓮さんもよく知ってる奴だと思うけど、佐々野って奴が一旦帰ったのに忘れ物したって教室に戻ってきて、その時に理菜が家の急用があるから、先に帰ってって伝えてくれって言われたって聞いて、俺は帰ったんだけど」
俺がそう言うと花蓮さんは、
「今、佐々野って言った?」
と少しトーンの低い声で言った。
「うん、佐々野。花蓮さん、中学の時、生徒会で一緒だったんだろ」
「ええ、一緒だったわ。やっぱりその佐々野なんだ」
「え? どうしたの」
何だか花蓮さんの様子が変なので俺はそう聞いた。
「佐々野は中学生の時はいい子だったのよ。人望も厚かったし。でも、佐々野と同じ高校に進んだ子から、高校生になって佐々野は変わったって聞いたの」
「変わった?」
「ええ、最悪な方にね」
花蓮さんのその言葉で俺は青ざめた。
そして、もしかして、佐々野が教室に戻って来たのって、俺に理菜は先に帰ったって嘘をつくためだったんじゃ。
でも、そうだとしたら、どうしてそんな嘘を俺についたんだ。
また、俺に嘘をついたとしたら、理菜の居場所は佐々野が知ってるってことなのか?
俺は何だか凄く胸騒ぎがした。
「花蓮さん、もしかして理菜は」
「ええ、多分、長原が思ってること私も思ってる。理菜の居場所は佐々野が知ってるはず。でも、正面から聞いても今の佐々野じゃ正直に答えないと思う」
「じゃあ、どうすれば」
その時だった。
俺のスマートフォンにいきなり、画像が送られてきた。
その画像は理菜が何処かの倉庫のベッドの上に寝かされているものだった。
「花蓮さん、理菜が何処かの倉庫のベッドに寝てる写真が俺の知らないアドレスから送られてきた」
だけど、今、花蓮さんと会話していて、この知らないアドレスの持ち主は佐々野だということが解った。
「倉庫? 長原、その画像、今すぐ送って。一旦、電話切るから」
花蓮さんにそう言われたので、俺は山内から聞いていた花蓮さんの携帯のメールアドレスに画像を送った。
するとすぐにまた花蓮さんから電話がかかってきて、
「この倉庫、見覚えがある。長原と理菜が夏期講習に行ってる塾からそんなに遠くないところにある倉庫のはず。長原、今から、塾の最寄りの駅まで来れる? 私も行くから」
俺は花蓮さんのその言葉に勿論、すぐ行くと言い、家を飛び出した。
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