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「初めての本気 リターンズ」
第8話
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それから2か月間くらいは花蓮さん達の協力もあり、理菜に対する嫌がらせはなくなっていた。
だけど、ある日、俺と理菜が俺のクラスの教室で放課後、2人でいた時にいきなり、近くにあった窓にわりと大きな石が飛んできて、危うく理菜に割れた窓の硝子の破片があたりそうになった。
俺が咄嗟に理菜をかばい俺も理菜も全然、怪我はしなくてすんだけど。
俺は慌てて石を投げてきた奴を捕まえようと教室から出た。
すると教室を出たすぐそばに俺には全く見覚えのない、おとなしそうな感じの女子がいた。
え? 誰だ?
俺、こんな感じの女子とは絶対につきあったことないと思うんだけど。
でも、さっきのは明らかに俺や理菜を狙ってした行動だよな?
もしかして、俺、また忘れてるんだろうか?
俺がそう思っていると、
「あんたなんか大怪我すれば良かったのに」
俺が今、誰だっけと思考を巡らせていた女子がそう言った。
「悪いけど、俺、やっぱりあんたのこと知らないと思うんだけど。だから、何でこんなことしたのかも解んないんだけど。それに今のあんたの発言だと俺に対して嫌がらせをしたかったんだよな? じゃあ、何で理菜まで狙うんだよ」
俺がそう言うと女子はキッと俺を睨み、
「あんたがあの子を凄く大事にしてるって噂になってるし、さっき、あんたとあの子が2人で一緒にいるのを見て、本当にあんたがあの子を大事にしてるんだって思ったから、あんたが大事にしてるあの子も傷つけてやりたかったのよ。私があんたに大事にしてるものを傷つけられたから」
「どういうことだよ?」
「元山るりか、この名前出したってあんたはどーせ覚えてないんでしょ?」
「元山るりか?」
「ほら、やっぱり覚えてない。るりかはあんたに告白してすぐにOKもらって、つきあって3ヶ月であんたと身体の関係ももったけど、その後すぐにあんたからやっぱり好きじゃないって言われて、一方的にあんたから別れられて、傷つきまくって、今はずっと家に引きこもったまんまなんだから」
「…………」
「るりかは私の幼馴染で、私にとったら一番なくらい大事な子なのに。あんたにふられるまでは勝気なところもあったけど、凄くいい子で、前向きに生きてたのに。今はもう別人みたいで。だから、幸せそうにあんたの大事な子と笑ってるあんたが許せなかったし、あんたの大事なあの子もめちゃくちゃにしてやりたかった」
女子は泣きながらそう言い、だけど、騒ぎを聞きつけてやって来た先生に職員室に連れられていった。
「礼央くん」
理菜もいつの間にか俺のところにやってきていた。
「理菜」
“あんたの大事なあの子もめちゃくちゃにしてやりたかった”
俺はさっきの女子にそう言われて、改めて自分がやってきた最低な過去の行いを反省した。
そして、また、これからも俺の過去の最低な行いのせいで理菜を傷つけるかもしれない。
いや、もしかしたら取り返しのつかないことになるかもしれない。
俺はそう思い、絶対にしたくなかった、理菜から離れた方がいいのかもしれないという思いをこの時、少し抱いてしまっていた。
第9話につづく
だけど、ある日、俺と理菜が俺のクラスの教室で放課後、2人でいた時にいきなり、近くにあった窓にわりと大きな石が飛んできて、危うく理菜に割れた窓の硝子の破片があたりそうになった。
俺が咄嗟に理菜をかばい俺も理菜も全然、怪我はしなくてすんだけど。
俺は慌てて石を投げてきた奴を捕まえようと教室から出た。
すると教室を出たすぐそばに俺には全く見覚えのない、おとなしそうな感じの女子がいた。
え? 誰だ?
俺、こんな感じの女子とは絶対につきあったことないと思うんだけど。
でも、さっきのは明らかに俺や理菜を狙ってした行動だよな?
もしかして、俺、また忘れてるんだろうか?
俺がそう思っていると、
「あんたなんか大怪我すれば良かったのに」
俺が今、誰だっけと思考を巡らせていた女子がそう言った。
「悪いけど、俺、やっぱりあんたのこと知らないと思うんだけど。だから、何でこんなことしたのかも解んないんだけど。それに今のあんたの発言だと俺に対して嫌がらせをしたかったんだよな? じゃあ、何で理菜まで狙うんだよ」
俺がそう言うと女子はキッと俺を睨み、
「あんたがあの子を凄く大事にしてるって噂になってるし、さっき、あんたとあの子が2人で一緒にいるのを見て、本当にあんたがあの子を大事にしてるんだって思ったから、あんたが大事にしてるあの子も傷つけてやりたかったのよ。私があんたに大事にしてるものを傷つけられたから」
「どういうことだよ?」
「元山るりか、この名前出したってあんたはどーせ覚えてないんでしょ?」
「元山るりか?」
「ほら、やっぱり覚えてない。るりかはあんたに告白してすぐにOKもらって、つきあって3ヶ月であんたと身体の関係ももったけど、その後すぐにあんたからやっぱり好きじゃないって言われて、一方的にあんたから別れられて、傷つきまくって、今はずっと家に引きこもったまんまなんだから」
「…………」
「るりかは私の幼馴染で、私にとったら一番なくらい大事な子なのに。あんたにふられるまでは勝気なところもあったけど、凄くいい子で、前向きに生きてたのに。今はもう別人みたいで。だから、幸せそうにあんたの大事な子と笑ってるあんたが許せなかったし、あんたの大事なあの子もめちゃくちゃにしてやりたかった」
女子は泣きながらそう言い、だけど、騒ぎを聞きつけてやって来た先生に職員室に連れられていった。
「礼央くん」
理菜もいつの間にか俺のところにやってきていた。
「理菜」
“あんたの大事なあの子もめちゃくちゃにしてやりたかった”
俺はさっきの女子にそう言われて、改めて自分がやってきた最低な過去の行いを反省した。
そして、また、これからも俺の過去の最低な行いのせいで理菜を傷つけるかもしれない。
いや、もしかしたら取り返しのつかないことになるかもしれない。
俺はそう思い、絶対にしたくなかった、理菜から離れた方がいいのかもしれないという思いをこの時、少し抱いてしまっていた。
第9話につづく
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