「伝説を超える時」

愛理

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番外編「ファルの恋物語」

第10話「最後の試練」

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    ファルが白の館に来て、4ヶ月が経った。
 ファルは毎日、モンスターに攻撃されボロボロになり、クリムに治してもらってということの繰り返しだった。
 だけど、ファルはだいぶとモンスターの攻撃も避けられるようになっていた。
「ファル、今日でこの館での試練は最後じゃ」
 クリムが言った。
 ファルはいつも試練を受ける部屋のドアの前に立っていた。
「最後ですか?」
「そうじゃ。今日の試練を乗り越えたら、おぬしはもう立派なヒーラーじゃ。試練を乗り越えたら、その後、わしがヒーラーになる為の儀式を行おう」
「本当ですか!?」
「ああ。但し、今日の試練は今までのものとは違うぞ」
「え?」
「今日はモンスター1匹じゃが、底知れぬ破壊力をもっておる。攻撃をくらったら、痛さも半端ではないじゃろう」
「……解りました。頑張ります」
「では、行こうか」
 そして、ファルとクリムは部屋に入る。
 すると本当に今までとは違って、もの凄く巨大な鉄の塊のモンスターがいた。
「ファル、覚悟はいいな?」
「はい」
 クリムがパチンッと指を鳴らした。
 するとモンスターがファルに襲いかかってきた。
 クリムはいつもとおり、部屋から出て行った。

 クリムが言ったとおり、このモンスターは今までと違って、強烈だった。
 少しでも拳が当たればもの凄く痛い。
 それでも何とか多く除けながら、ファルは試練に耐えていた。
 だけど、モンスターも段々、本気を出してきて、ファルにかなりの確率で拳があたるようになってきた。
「うわあっ!!」
 ファルは本当に今回は死んでしまうかもしれないと思う程だった。
 そして、ファルが倒れて、おもいっきり、上から拳が振り落とされようとした時、パチンッと指を鳴らす音がして、モンスターは攻撃をやめた。
 ファルが音がした方を見るとそこにはクリムが優しい顔をして立っていた。
「よくやったな。ファル。これでヒーラーになる為の試練は終わりじゃ。傷を治した後、ヒーラーになる儀式を始めよう」
 クリムは優しい声でそう言った。
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