「伝説を超える時」

愛理

文字の大きさ
上 下
37 / 104
第3部「神の国へ」

第2話「家族との再会」

しおりを挟む
「ここがスカイ国……」
 ファルが言った。
 スカイ国への入口は大きな虹色の門だった。
「凄く幻想的ですね……」
 ラウルが言う。
「懐かしいな」
 クラウスが言った。
「入りましょう」
 リンナが言う。
 そして、ファル、ラウル、リンナ、クラウスは虹色の門をくぐった。
 すると門をくぐった所に大勢の人達がいた。
「よくぞ戻った。ファル、ラウル、リンナ、クラウスよ。わしはこの国の長老じゃ」
「ファル、ラウル!」
「リンナ!」
「クラウス!」
 それぞれの母親と思われる人物が口々にそう言った。
「もしかして……俺とラウルの名前を呼んでるのが俺達の本当の母さん?」
 ファルがそう言って、ラウルはその言葉に頷いた。
「お母さん」
 リンナが言う。
「母さん」
 クラウスが言う。
 そして、4人はそれぞれの母親と抱き締め合った。
 その後、4人はまず自分の家へとそれぞれ帰ることになった。

 ファルとラウルが家に帰ると父親らしき人物がいた。
「もしかして父さん?」
 ファルが言った。
「ああ。よくここまで来れたな。ファル、ラウル」
 3人は抱き締め合った。
「今日はお祝いだからご馳走にしましょうね」
 母親が言った。
「それじゃあ、それまでくつろいでいるといい。ファル、ラウル、お前達の部屋に案内しよう」
 そうして、ファル、ラウルは父親に連れられて部屋に行った。
 部屋に入るとファル、ラウルは何だか懐かしい感じがした。
「何だろう。何か懐かしい感じがする」
「ファルも? 僕もだよ」
「そりゃあ、そうさ。お前達はここで赤ん坊の時に少しの間だったけどいたんだから」
 父親が笑顔で言った。
「じゃあ、食事までここでくつろいでなさい」
 父親はそう言い部屋から出ていった。
「でもさ、何か本当に不思議だよな」
 ファルが言う。
「ええ。でも、他の2人はどうしてるのかな」
「再会を喜んでるだろ。特にリンナは」
 2人はそんな会話を食事の時間になるまでしていた。

 そして、食事の時間になった。
「さあ、たっぷり食べてね。そして、食べながら、私達にあなた達の旅のことを聞かせてちょうだい」
 母親が言った。
 4人は食事を始めた。
「色々あっただろう」
 父親が言った。
「うん。そりゃあ、もう色んなことがあったよ。あ、そういえば1つ気になってることがあるんだよな」 
 ファルが言った。
「気になること? 何だ?」
 父親が言った。
「うん。俺が怪我した時に助けて貰ったリリカって女の子がいたんだけど、何だか酷く懐かしく感じてさ。しかも俺達4人全員がなんだ」
「そうか。それはもしかして、人間界に降りた天界人と人間の子供かもしれないな」
 父親が言った。
「えっ?」
「お前達が生まれた頃、人間と恋に落ちてしまった天界人の女性がいてな。多分その子は天界人と人間の間の子供だろう」
「そうか。だから懐かしさを感じたのか」
 ファルが言った。
「何かこれですっきりした。リンナとクラウスにも教えてやろう」
 そして、4人は楽しく食事をした。

 次の日、ファル、ラウル、リンナ、クラスの4人は長老に呼ばれ長老の家に行った。
「よくここまで来た。ファル、ラウル、リンナ、クラウスよ。だが、これからが本当の意味でのお前達の旅立ちじゃ。これから、そなた達には神の国へ行って貰う。神の国へ行き最後の修業をするのじゃ」
 長老の言葉に4人は頷いた。
 そうして、4人は神の国へと旅立つことになった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生墓守は伝説騎士団の後継者

深田くれと
ファンタジー
 歴代最高の墓守のロアが圧倒的な力で無双する物語。

子ども扱いしないでください! 幼女化しちゃった完璧淑女は、騎士団長に甘やかされる

佐崎咲
恋愛
旧題:完璧すぎる君は一人でも生きていけると婚約破棄されたけど、騎士団長が即日プロポーズに来た上に甘やかしてきます 「君は完璧だ。一人でも生きていける。でも、彼女には私が必要なんだ」 なんだか聞いたことのある台詞だけれど、まさか現実で、しかも貴族社会に生きる人間からそれを聞くことになるとは思ってもいなかった。 彼の言う通り、私ロゼ=リンゼンハイムは『完璧な淑女』などと称されているけれど、それは努力のたまものであって、本質ではない。 私は幼い時に我儘な姉に追い出され、開き直って自然溢れる領地でそれはもうのびのびと、野を駆け山を駆け回っていたのだから。 それが、今度は跡継ぎ教育に嫌気がさした姉が自称病弱設定を作り出し、代わりに私がこの家を継ぐことになったから、王都に移って血反吐を吐くような努力を重ねたのだ。 そして今度は腐れ縁ともいうべき幼馴染みの友人に婚約者を横取りされたわけだけれど、それはまあ別にどうぞ差し上げますよというところなのだが。 ただ。 婚約破棄を告げられたばかりの私をその日訪ねた人が、もう一人いた。 切れ長の紺色の瞳に、長い金髪を一つに束ね、男女問わず目をひく美しい彼は、『微笑みの貴公子』と呼ばれる第二騎士団長のユアン=クラディス様。 彼はいつもとは違う、改まった口調で言った。 「どうか、私と結婚してください」 「お返事は急ぎません。先程リンゼンハイム伯爵には手紙を出させていただきました。許可が得られましたらまた改めさせていただきますが、まずはロゼ嬢に私の気持ちを知っておいていただきたかったのです」 私の戸惑いたるや、婚約破棄を告げられた時の比ではなかった。 彼のことはよく知っている。 彼もまた、私のことをよく知っている。 でも彼は『それ』が私だとは知らない。 まったくの別人に見えているはずなのだから。 なのに、何故私にプロポーズを? しかもやたらと甘やかそうとしてくるんですけど。 どういうこと? ============ 番外編は思いついたら追加していく予定です。 <レジーナ公式サイト番外編> 「番外編 相変わらずな日常」 レジーナ公式サイトにてアンケートに答えていただくと、書き下ろしweb番外編をお読みいただけます。 いつも攻め込まれてばかりのロゼが居眠り中のユアンを見つけ、この機会に……という話です。   ※転載・複写はお断りいたします。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

もう一度あなたに逢いたくて〜こぼれ落ちた運命を再び拾うまで〜

雪野 結莉
恋愛
魔物を倒す英雄となる運命を背負って生まれた侯爵家嫡男ルーク。 しかし、赤ん坊の時に魔獣に襲われ、顔に酷い傷を持ってしまう。 英雄の婚約者には、必ず光の魔力を持つものが求められる。そして選ばれたのは子爵家次女ジーナだった。 顔に残る傷のため、酷く冷遇された幼少期を過ごすルークに差し込んだ一筋の光がジーナなのだ。 ジーナを誰よりも大切にしてきたルークだったが、ジーナとの婚約を邪魔するものの手によって、ジーナは殺されてしまう。 誰よりも強く誰よりも心に傷を持つルークのことが死してなお気になるジーナ。 ルークに会いたくて会いたくて。 その願いは。。。。。 とても長いお話ですが、1話1話は1500文字前後で軽く読める……はず!です。 他サイト様でも公開中ですが、アルファポリス様が一番早い更新です。 本編完結しました!

救世の魔法使い

菅原
ファンタジー
賢者に憧れる少年が、大魔法使いを目指し頑張るお話です。 今後の為に感想、ご意見お待ちしています。 作品について― この作品は、『臆病者の弓使い』と同じ世界観で書いたシリーズ物となります。 あちらを読んでいなくても問題ないように書いたつもりですが、そちらも読んで頂けたら嬉しいです。 ※主人公が不当な扱いを受けます。 苦手な人はご注意ください。 ※全編シリアスでお送りしております。ギャグ回といった物は皆無ですのでご注意ください。

結婚してるのに、屋敷を出たら幸せでした。

恋愛系
恋愛
屋敷が大っ嫌いだったミア。 そして、屋敷から出ると決め 計画を実行したら 皮肉にも失敗しそうになっていた。 そんな時彼に出会い。 王国の陛下を捨てて、村で元気に暮らす! と、そんな時に聖騎士が来た

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方

ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。 注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。

処理中です...