「伝説を超える時」

愛理

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第1部「神に導かれし者達」

第1部 最終話「最後の勇者」

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「ん?」
 ファルは目を覚ました。
 するとそこは見慣れない高い天井がある部屋でファルはベッドに寝ていた。
「ここは?」
 ファルは起きあがる。
 するとそこにはクラウスがいた。
「お前は!」
 ファルは思い出した。
 このクラウスに魔法でやっつけられたはずなのだと。
「ファル、クラウスはやはり私達の仲間だったんです」
 リンナが言った。
「リンナ……」
 リンナの後ろからラウルも現れた。
「ラウルも……。2人とも無事だったのか」
「当たり前だろ。俺は味方なんだから」
 クラウスが言った。
「は? よく言うぜ。襲ってきたくせに」
 ファルが言う。
「はは。わりぃ。わりぃ。お前らの力がどんなものか少し見たかったんでな。でも、お前らはまだまだだな」
 クラウスが言う。
「何だと!」
 ファルが怒って言った。
「だって、事実だろ。まあ、でも、これからどんどん強くなっていくだろうけどな。そうじゃなきゃ
ジェオスを倒せないからな」
 クラウスが言う。
「それよりクラウス、そろそろ話してくれませんか? あなたがこの迷宮城にいたわけを」
 ラウルが言った。
「このってことは、ここはまだ迷宮城の中なのか」
 ファルが言った。
「ああ、そうだよ。迷宮城の客用の寝室だ。もう何年もこの部屋を使うものはいなかったけどな。それと俺がこの城にいたのは、まさしくお前らに会う為さ。俺もスカイ国が母国だ。父さんと母さんもスカイ国にいる。だけど、俺は5歳の時にもしもの時の
為にこの城に連れて来られた。世話係の者と一緒にな。この迷宮城は修行するにはとてもいい場所だからとな。この迷宮城は本当はスカイ国の者が作りあげたものだったんだ。あの巨大ロボットはジェオスの差し金だけどな。それ以外はジェオスを倒す為に色んな修行が出来る為に作られた城なんだ。そして、俺がお前ら3人の最後の仲間ってわけさ」
 クラウスが言った。
「そうだったんですね。では、あなたも幼い頃から全てを知っていたわけですね」
 リンナが言った。
「ああ。とにかくこれで役者は全て揃った。次のステップへと進もうぜ」
 クラウスが言う。
「だけど、次は何処へ行けばいいんだ? クラウス、お前は知ってるのか?」
 ファルが言う。
「ああ。取り敢えず、リンナの爺ちゃんがいる村へ一旦4人で戻ろう。全てはそれからだ」
 クラウスがそう言ったので、ファルとラウルとリンナはカーゴ村へクラウスと一緒に戻ることにした。
 新たな目的に向けて再出発する為に。

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