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番外編「辿り着きたい場所を探しに」(クラウス篇)
第18話「シューマン国へ」
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「クーガ、まだ起きあがってはいけないわ」
サリアが言った。
クーガはサリアを見て、はっとしたような顔をして、
「あなたはサリアさん」
そう言った。
「私のこと覚えてくださっていたのね。嬉しいわ」
サリアが言った。
「勿論です!あんなに親切にしていただいた方を忘れるはずありません。では、ここはもしかして」
「ええ、あなたが以前いたハート村よ。そして、ここは私の実家。クーガ、どうしてだか解らないけど、あなたはとても悪い魔物にとり憑かれていたみたいなの」
「魔物に? そうだ、私はソフィアが亡くなったと手紙で知り、だけど、とても信じられずに真相を確かめるためにシューマン国へ向かったのですが、シューマン国へもう少しで着くという場所で、シューマン国の兵士達に見つかり、また、攻撃されてしまい、辛うじて、逃げましたが、傷が酷いので、近くにあった洞窟で少しの間過ごそうと思い、その洞窟にいたのですが、暫くして、とても長い白い髭を生やしたお爺さんが現れて」
「お爺さん?」
クラウスが思わず聞いた。
「はい、お爺さんでした。そして、そのお爺さんに強い力が欲しいかと聞かれて、はいと答えたら、さらに、それはどんな力だとしても欲しいかと聞かれ、欲しいですと答えたら、急に意識が朦朧としだして」
「解った。そいつの正体は魔物で、きっとどんな力でも欲しいという奴にしかとり憑けなくて、だから、クーガがどんな力でも欲しいと答えた途端にとり憑いたんだな」
クラウスが言った。
「そうか。私は魔物にとり憑かれていたのか。何てことだ。一体、いつから私はそんなことに」
クーガが悔しそうな顔で言った。
「それは解りませんが、あなたにとり憑いていた魔物の力が増したのがサリアが病気になった頃なので、もしかするとその頃、あなたが関係があることで、何か起きたのかもしれません」
リンナが言った。
「じゃあさ、ソフィアの死の真相とそのことも含めて、俺とリンナでシューマン国へ行って、確かめてきてやるよ。ソフィアの死も本当か解らない、どうしてクーガにとり憑いていた魔物の力が増したのか解らないままじゃ、クーガはこの先も苦しみながら生きなきゃいけないかもしれないからな」
クラウスが言った。
「いいよな? リンナ」
「ええ、勿論です」
リンナは力強くそう言った。
「それなら、私も」
サリアがそう言うと、
「サリアは病みあがりだし、ラウルが心配するから駄目。ということで、必然的にラウルもサリアのそばにいなきゃいけないってことで駄目だろ、後、ファルもリリカが妊娠中だから、早く帰ってやらなきゃだから、駄目。ということで、俺とリンナで行ってくるよ」
「そんな、関係のないあなた達にそんなことをしてもらうわけには・・・・・・うっ」
クーガはそう言った後、ふらついた。
「関係なくはないさ、サリアの知り合いなんだから。それに俺達は鍛えてるから、例え兵士が襲ってきても大丈夫だから。それより、クーガはもうベッドに戻った方がいいな」
クラウスはそう言いクーガを抱きかかえた。
「わっ! 自分で歩けます」
クーガが慌てたように言う。
「いいから。じゃあ、俺はクーガをベッドまで運んだ後、また戻ってくるから」
そして、クラウスはクーガをベッドまで運び、その後、皆のところに戻った。
それから、皆で色々な話をして、翌日の早朝、クラウスとリンナは皆に見送られながら、シューマン国へと向かった。
サリアが言った。
クーガはサリアを見て、はっとしたような顔をして、
「あなたはサリアさん」
そう言った。
「私のこと覚えてくださっていたのね。嬉しいわ」
サリアが言った。
「勿論です!あんなに親切にしていただいた方を忘れるはずありません。では、ここはもしかして」
「ええ、あなたが以前いたハート村よ。そして、ここは私の実家。クーガ、どうしてだか解らないけど、あなたはとても悪い魔物にとり憑かれていたみたいなの」
「魔物に? そうだ、私はソフィアが亡くなったと手紙で知り、だけど、とても信じられずに真相を確かめるためにシューマン国へ向かったのですが、シューマン国へもう少しで着くという場所で、シューマン国の兵士達に見つかり、また、攻撃されてしまい、辛うじて、逃げましたが、傷が酷いので、近くにあった洞窟で少しの間過ごそうと思い、その洞窟にいたのですが、暫くして、とても長い白い髭を生やしたお爺さんが現れて」
「お爺さん?」
クラウスが思わず聞いた。
「はい、お爺さんでした。そして、そのお爺さんに強い力が欲しいかと聞かれて、はいと答えたら、さらに、それはどんな力だとしても欲しいかと聞かれ、欲しいですと答えたら、急に意識が朦朧としだして」
「解った。そいつの正体は魔物で、きっとどんな力でも欲しいという奴にしかとり憑けなくて、だから、クーガがどんな力でも欲しいと答えた途端にとり憑いたんだな」
クラウスが言った。
「そうか。私は魔物にとり憑かれていたのか。何てことだ。一体、いつから私はそんなことに」
クーガが悔しそうな顔で言った。
「それは解りませんが、あなたにとり憑いていた魔物の力が増したのがサリアが病気になった頃なので、もしかするとその頃、あなたが関係があることで、何か起きたのかもしれません」
リンナが言った。
「じゃあさ、ソフィアの死の真相とそのことも含めて、俺とリンナでシューマン国へ行って、確かめてきてやるよ。ソフィアの死も本当か解らない、どうしてクーガにとり憑いていた魔物の力が増したのか解らないままじゃ、クーガはこの先も苦しみながら生きなきゃいけないかもしれないからな」
クラウスが言った。
「いいよな? リンナ」
「ええ、勿論です」
リンナは力強くそう言った。
「それなら、私も」
サリアがそう言うと、
「サリアは病みあがりだし、ラウルが心配するから駄目。ということで、必然的にラウルもサリアのそばにいなきゃいけないってことで駄目だろ、後、ファルもリリカが妊娠中だから、早く帰ってやらなきゃだから、駄目。ということで、俺とリンナで行ってくるよ」
「そんな、関係のないあなた達にそんなことをしてもらうわけには・・・・・・うっ」
クーガはそう言った後、ふらついた。
「関係なくはないさ、サリアの知り合いなんだから。それに俺達は鍛えてるから、例え兵士が襲ってきても大丈夫だから。それより、クーガはもうベッドに戻った方がいいな」
クラウスはそう言いクーガを抱きかかえた。
「わっ! 自分で歩けます」
クーガが慌てたように言う。
「いいから。じゃあ、俺はクーガをベッドまで運んだ後、また戻ってくるから」
そして、クラウスはクーガをベッドまで運び、その後、皆のところに戻った。
それから、皆で色々な話をして、翌日の早朝、クラウスとリンナは皆に見送られながら、シューマン国へと向かった。
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