98 / 104
番外編「辿り着きたい場所を探しに」(クラウス篇)
第12話「黒い頭巾を被った生物の正体」
しおりを挟む
3人はついに洞窟の一番奥へと辿り着いた。
だけど、その場所は真っ黒なオーラが漂い、辺りがよく見えなかった。
また、3人はこの場にいるととても不快な気分になった。
だから、ラウルは必死になってこの場を浄化する魔法をかけた。
すると少しして、黒いオーラが取り払われ、空気もだいぶ綺麗なものへと変わった。
だけど、その後すぐにゴゴゴとい音がして、3人の前に動物達が言っていた黒い頭巾を被り、また、身体も黒い服で全身を覆っている生物が現れた。
ただ、3人が思っていたようにその生物は大きくなかった。
でも、勿論、3人は油断はしない。
「お前は一体何なんだ? どうしてあの森を汚し、動物や植物達をあんなに酷く傷つけた」
クラウスが言った。
すると全身真っ黒な生物がクラウスを見た。
そして、その後、とても低い声で、
「キレイナモノがキライダカラダ。タノシソウニシテルヤツラガキライダカラダ」
そう言った。
「そんな理由で最悪な奴だな。いや、可哀想な奴と言うべきか」
クラウスがそう言った途端真っ黒な生物はクラウスめがけて手から出した黒い液体を投げつけてきた。
「うわっ。何だ」
クラウスは左腕に黒い液体がかかってしまった。
「クラウス、そこに触っては駄目です! 恐らくそれは毒です。今、僕が毒を消しさる魔法をクラウスにかけますから」
ラウルはそう言い、クラウスにめがけて、毒を消しさる魔法をかけた。
「クラウス、少しの油断もしてはいけません。この生き物は見かけよりも、かなり強い力をもっているようです。しかも、かなり邪悪な力です」
リンナが言った。
「そうか。なら、遠慮なく退治させてもらうぜ」
クラウスはそう言い右の腰の辺りに刺していた剣を手に取った。
だけど、すぐにリンナが、
「でも、完全に倒してはいけません。だって、この生物の正体は恐らく人間だからです。この洞窟に入ってきたばかりの頃、私がこの洞窟の一番奥からは憎しみと悲しみのオーラを感じると言ったのを覚えていますか」
そう言ったので、クラウスは、
「ああ、そうだったな。でも、本当にこいつが人間なのか? こんな不気味な生き物」
そう返した。
「ええ、恐らく。きっと何か凄く悲しいことがあり、また、その悲しいことが誰かに対しての憎しみを生み、気持ちを整理できなくなってしまった時に何か邪悪な者が入り込み、今のような状態になったんだと思われます」
リンナが言った。
「僕もそう思います」
ラウルが言った。
「じゃあ、どういった風に倒せばいいんだ?」
クラウスは少し戸惑ったように言った。
「私とラウルでこの生物の中にいる邪悪な者を聖域魔法で出せるか試みます。その間、この生物は私達にかなりの勢いで襲ってくるかもしれません。その時、クラウスのその剣裁きで、できるだけ傷つけないようにこの生物を攻撃してもらえますか」
リンナが言った。
「解った。やってみるよ。後、リンナもラウルうも気をつけろよ」
クラウスのその言葉にリンナとラウルは真剣な顔で頷いた。
そして、3人はこの真っ黒な生物から邪悪な者を追い出す体勢に入った。
だけど、その場所は真っ黒なオーラが漂い、辺りがよく見えなかった。
また、3人はこの場にいるととても不快な気分になった。
だから、ラウルは必死になってこの場を浄化する魔法をかけた。
すると少しして、黒いオーラが取り払われ、空気もだいぶ綺麗なものへと変わった。
だけど、その後すぐにゴゴゴとい音がして、3人の前に動物達が言っていた黒い頭巾を被り、また、身体も黒い服で全身を覆っている生物が現れた。
ただ、3人が思っていたようにその生物は大きくなかった。
でも、勿論、3人は油断はしない。
「お前は一体何なんだ? どうしてあの森を汚し、動物や植物達をあんなに酷く傷つけた」
クラウスが言った。
すると全身真っ黒な生物がクラウスを見た。
そして、その後、とても低い声で、
「キレイナモノがキライダカラダ。タノシソウニシテルヤツラガキライダカラダ」
そう言った。
「そんな理由で最悪な奴だな。いや、可哀想な奴と言うべきか」
クラウスがそう言った途端真っ黒な生物はクラウスめがけて手から出した黒い液体を投げつけてきた。
「うわっ。何だ」
クラウスは左腕に黒い液体がかかってしまった。
「クラウス、そこに触っては駄目です! 恐らくそれは毒です。今、僕が毒を消しさる魔法をクラウスにかけますから」
ラウルはそう言い、クラウスにめがけて、毒を消しさる魔法をかけた。
「クラウス、少しの油断もしてはいけません。この生き物は見かけよりも、かなり強い力をもっているようです。しかも、かなり邪悪な力です」
リンナが言った。
「そうか。なら、遠慮なく退治させてもらうぜ」
クラウスはそう言い右の腰の辺りに刺していた剣を手に取った。
だけど、すぐにリンナが、
「でも、完全に倒してはいけません。だって、この生物の正体は恐らく人間だからです。この洞窟に入ってきたばかりの頃、私がこの洞窟の一番奥からは憎しみと悲しみのオーラを感じると言ったのを覚えていますか」
そう言ったので、クラウスは、
「ああ、そうだったな。でも、本当にこいつが人間なのか? こんな不気味な生き物」
そう返した。
「ええ、恐らく。きっと何か凄く悲しいことがあり、また、その悲しいことが誰かに対しての憎しみを生み、気持ちを整理できなくなってしまった時に何か邪悪な者が入り込み、今のような状態になったんだと思われます」
リンナが言った。
「僕もそう思います」
ラウルが言った。
「じゃあ、どういった風に倒せばいいんだ?」
クラウスは少し戸惑ったように言った。
「私とラウルでこの生物の中にいる邪悪な者を聖域魔法で出せるか試みます。その間、この生物は私達にかなりの勢いで襲ってくるかもしれません。その時、クラウスのその剣裁きで、できるだけ傷つけないようにこの生物を攻撃してもらえますか」
リンナが言った。
「解った。やってみるよ。後、リンナもラウルうも気をつけろよ」
クラウスのその言葉にリンナとラウルは真剣な顔で頷いた。
そして、3人はこの真っ黒な生物から邪悪な者を追い出す体勢に入った。
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
ガーデン【加筆修正版】
いとくめ
ファンタジー
幼い頃母を亡くした杏には、庭での不思議な記憶がある。
鳥や虫、植物たちの言葉を理解し自在に操ることができた母。
あれは夢だったのだと思っていた杏だが、自分にもその能力があることに気づいてしまう。
再び生き物たちのささやく声が聞こえてきたとき、悪しきものたちと彼女の戦いが始まった。
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件などには一切関係ありません。
※旧作を加筆修正しながら投稿していく予定です。
子ども扱いしないでください! 幼女化しちゃった完璧淑女は、騎士団長に甘やかされる
佐崎咲
恋愛
旧題:完璧すぎる君は一人でも生きていけると婚約破棄されたけど、騎士団長が即日プロポーズに来た上に甘やかしてきます
「君は完璧だ。一人でも生きていける。でも、彼女には私が必要なんだ」
なんだか聞いたことのある台詞だけれど、まさか現実で、しかも貴族社会に生きる人間からそれを聞くことになるとは思ってもいなかった。
彼の言う通り、私ロゼ=リンゼンハイムは『完璧な淑女』などと称されているけれど、それは努力のたまものであって、本質ではない。
私は幼い時に我儘な姉に追い出され、開き直って自然溢れる領地でそれはもうのびのびと、野を駆け山を駆け回っていたのだから。
それが、今度は跡継ぎ教育に嫌気がさした姉が自称病弱設定を作り出し、代わりに私がこの家を継ぐことになったから、王都に移って血反吐を吐くような努力を重ねたのだ。
そして今度は腐れ縁ともいうべき幼馴染みの友人に婚約者を横取りされたわけだけれど、それはまあ別にどうぞ差し上げますよというところなのだが。
ただ。
婚約破棄を告げられたばかりの私をその日訪ねた人が、もう一人いた。
切れ長の紺色の瞳に、長い金髪を一つに束ね、男女問わず目をひく美しい彼は、『微笑みの貴公子』と呼ばれる第二騎士団長のユアン=クラディス様。
彼はいつもとは違う、改まった口調で言った。
「どうか、私と結婚してください」
「お返事は急ぎません。先程リンゼンハイム伯爵には手紙を出させていただきました。許可が得られましたらまた改めさせていただきますが、まずはロゼ嬢に私の気持ちを知っておいていただきたかったのです」
私の戸惑いたるや、婚約破棄を告げられた時の比ではなかった。
彼のことはよく知っている。
彼もまた、私のことをよく知っている。
でも彼は『それ』が私だとは知らない。
まったくの別人に見えているはずなのだから。
なのに、何故私にプロポーズを?
しかもやたらと甘やかそうとしてくるんですけど。
どういうこと?
============
番外編は思いついたら追加していく予定です。
<レジーナ公式サイト番外編>
「番外編 相変わらずな日常」
レジーナ公式サイトにてアンケートに答えていただくと、書き下ろしweb番外編をお読みいただけます。
いつも攻め込まれてばかりのロゼが居眠り中のユアンを見つけ、この機会に……という話です。
※転載・複写はお断りいたします。
もう一度あなたに逢いたくて〜こぼれ落ちた運命を再び拾うまで〜
雪野 結莉
恋愛
魔物を倒す英雄となる運命を背負って生まれた侯爵家嫡男ルーク。
しかし、赤ん坊の時に魔獣に襲われ、顔に酷い傷を持ってしまう。
英雄の婚約者には、必ず光の魔力を持つものが求められる。そして選ばれたのは子爵家次女ジーナだった。
顔に残る傷のため、酷く冷遇された幼少期を過ごすルークに差し込んだ一筋の光がジーナなのだ。
ジーナを誰よりも大切にしてきたルークだったが、ジーナとの婚約を邪魔するものの手によって、ジーナは殺されてしまう。
誰よりも強く誰よりも心に傷を持つルークのことが死してなお気になるジーナ。
ルークに会いたくて会いたくて。
その願いは。。。。。
とても長いお話ですが、1話1話は1500文字前後で軽く読める……はず!です。
他サイト様でも公開中ですが、アルファポリス様が一番早い更新です。
本編完結しました!
夢のステータスをこの身に!
刹那冥夜
ファンタジー
あらすじ
突然夢の中の能力を現実で主人公が身につける。
すると突然目の前に女の子が現れ、その女の子は狙われているという…助けるため、いろいろ準備をしていく中、その女の子にキスをした責任……いや、好きになってしまい恋人に…
設定、
主人公は可愛い感じの男の子。かなり積極的で、恋愛は数日話している相手で、主人公に好意を持っている女の子がいたなら、普通に気づく。
妹は、主人公の事をお兄様と呼んでいる。もちろん実の兄の主人公を愛していて、すこしオタクっぽい?
最初に書いた、突然女の子に出会い……その女の子は「……………ん………わかった……」とかそんな感じの対応をする。自分では可愛く書いてるつもりで書いている。
ちなみに主人公最強物です。負けることは……ないかな
はっきり言ってご都合主義でいく。
救世の魔法使い
菅原
ファンタジー
賢者に憧れる少年が、大魔法使いを目指し頑張るお話です。
今後の為に感想、ご意見お待ちしています。
作品について―
この作品は、『臆病者の弓使い』と同じ世界観で書いたシリーズ物となります。
あちらを読んでいなくても問題ないように書いたつもりですが、そちらも読んで頂けたら嬉しいです。
※主人公が不当な扱いを受けます。
苦手な人はご注意ください。
※全編シリアスでお送りしております。ギャグ回といった物は皆無ですのでご注意ください。
結婚してるのに、屋敷を出たら幸せでした。
恋愛系
恋愛
屋敷が大っ嫌いだったミア。
そして、屋敷から出ると決め
計画を実行したら
皮肉にも失敗しそうになっていた。
そんな時彼に出会い。
王国の陛下を捨てて、村で元気に暮らす!
と、そんな時に聖騎士が来た
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる