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番外編「辿り着きたい場所を探しに」(クラウス篇)
第5話「深刻そうなラウル」
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リルラのおかげでエデック国にも早く着くことができた。
今は昼過ぎだった。
エデック国の城下町にはレストランもあるので、クラウスはレストランでとりあえず昼食を取ることにした。
クラウスがエデック国の城下町にあるレストランに行くと昼過ぎだとはいえ、かなりの客が入っていた。
そして、凄くいい匂いがしていた。
「うまそー」
クラウスはそう言い、丁度、1人なら席が空いてるからとレストランの店員に通された席に着き、骨付き肉とご飯を頼んだ。
今、その頼んだものが運ばれてきて、クラウスはうきうき気分でそれを食べ始めた。
お腹が満たされた後、クラウスはやっとラウルを尋ねることにした。
お城に行くと門番はクラウスのことをラウルの友人だと覚えていて、すんなりとお城の中に入れてくれた。
ラウル、元気にしてるかな? 結婚式以来だよな、会うの。
クラウスはそう思いながら、久しぶりにラウルに会える嬉しさから気持ちが弾んでいた。
そして、王の間に行くとラウルがいた。
ラウルは王様が座る椅子に座っていたけれど、ラウルは元気どころか、もの凄く深刻そうな顔をしていた。
え? 何だ?
一体、どうしたんだ?
クラウスはそう思いながらも、
「ラウル」
と呼んだ。
するとラウルは、はっとして、クラウスの方を見た。
「クラウス」
驚いたようにラウルはクラウスを呼んだ。
「久しぶりだな」
「ええ、お久しぶりです。一体、どうしてここへ?」
「ちょっと自分探しの旅に出てな。昨日と今朝まではファルに会いにいってたんだ」
クラウスがそう言うとラウルは、
「ファル」
と言い、一瞬だけ、泣きそうな顔をした。
その顔を見て、クラウスはラウルの身に何かあったのだと確信した。
だから、クラウスは、
「もしかして、ラウル、何かあったのか?」
そう聞いた。
するとラウルはまた、泣きそうな顔をして、
「ええ。実はサリアが原因不明の病に冒されてしまったんです」
そう言った。
「え? サリアが?」
クラウスの記憶ではサリアはとても元気のあるお姫様という感じだった。
それこそ、病気なんてしないという感じの。
「ええ、凄く高い熱が出て下がらなくて。そんな状態がもう2週間続いているんです」
ラウルはもの凄く辛そうな口調で言った。
「そうなんだ。あ、じゃあ、ファルはヒーラーだから、ファルに言って、直してもらえばいいんじゃないか?」
クラウスがそう言うとラウルは首を左右に振った。
「いえ、ファルのヒーラー治療には規制がありますし、今、ファルはリリカのそばを離れるわけにはいけないと思います」
「あ、おめでたのことラウルは知ってるのか」
「ええ、この間、手紙が届いたんです。その時はサリアもまだ元気で2人で喜んで、ファルとリリカの子どもが産まれたら、絶対に会いにいこうと言っていたんですが」
「そうなんだ。じゃあ、他に何か直す方法はないのか」
「何が原因か解らない病気なので今のところは」
「そうなんだ……あ、それなら」
クラウスは急に閃いて、
「じゃあ、ジェオスを倒す時に必要なことを占ってくれたアンナにみてもらえば? 勿論、解るかは確信がないけど、いちかばちかで」
そう言った。
クラウスのその言葉にラウルは、はっとした顔をして、
「そうですね。あのアンナという女性は本当に特殊な能力を持っている感じでした。すぐに会いにいく準備をします」
そう言った。
だから、クラウスは、
「じゃあ、俺も一緒に行くよ」
そう言った。
するとラウルは嬉しそうに、
「クラウスが一緒に行ってくれれば凄く心強いです」
そう言った。
そして、2人は明日の朝、アンナに会いに行くことにした。
今は昼過ぎだった。
エデック国の城下町にはレストランもあるので、クラウスはレストランでとりあえず昼食を取ることにした。
クラウスがエデック国の城下町にあるレストランに行くと昼過ぎだとはいえ、かなりの客が入っていた。
そして、凄くいい匂いがしていた。
「うまそー」
クラウスはそう言い、丁度、1人なら席が空いてるからとレストランの店員に通された席に着き、骨付き肉とご飯を頼んだ。
今、その頼んだものが運ばれてきて、クラウスはうきうき気分でそれを食べ始めた。
お腹が満たされた後、クラウスはやっとラウルを尋ねることにした。
お城に行くと門番はクラウスのことをラウルの友人だと覚えていて、すんなりとお城の中に入れてくれた。
ラウル、元気にしてるかな? 結婚式以来だよな、会うの。
クラウスはそう思いながら、久しぶりにラウルに会える嬉しさから気持ちが弾んでいた。
そして、王の間に行くとラウルがいた。
ラウルは王様が座る椅子に座っていたけれど、ラウルは元気どころか、もの凄く深刻そうな顔をしていた。
え? 何だ?
一体、どうしたんだ?
クラウスはそう思いながらも、
「ラウル」
と呼んだ。
するとラウルは、はっとして、クラウスの方を見た。
「クラウス」
驚いたようにラウルはクラウスを呼んだ。
「久しぶりだな」
「ええ、お久しぶりです。一体、どうしてここへ?」
「ちょっと自分探しの旅に出てな。昨日と今朝まではファルに会いにいってたんだ」
クラウスがそう言うとラウルは、
「ファル」
と言い、一瞬だけ、泣きそうな顔をした。
その顔を見て、クラウスはラウルの身に何かあったのだと確信した。
だから、クラウスは、
「もしかして、ラウル、何かあったのか?」
そう聞いた。
するとラウルはまた、泣きそうな顔をして、
「ええ。実はサリアが原因不明の病に冒されてしまったんです」
そう言った。
「え? サリアが?」
クラウスの記憶ではサリアはとても元気のあるお姫様という感じだった。
それこそ、病気なんてしないという感じの。
「ええ、凄く高い熱が出て下がらなくて。そんな状態がもう2週間続いているんです」
ラウルはもの凄く辛そうな口調で言った。
「そうなんだ。あ、じゃあ、ファルはヒーラーだから、ファルに言って、直してもらえばいいんじゃないか?」
クラウスがそう言うとラウルは首を左右に振った。
「いえ、ファルのヒーラー治療には規制がありますし、今、ファルはリリカのそばを離れるわけにはいけないと思います」
「あ、おめでたのことラウルは知ってるのか」
「ええ、この間、手紙が届いたんです。その時はサリアもまだ元気で2人で喜んで、ファルとリリカの子どもが産まれたら、絶対に会いにいこうと言っていたんですが」
「そうなんだ。じゃあ、他に何か直す方法はないのか」
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「そうなんだ……あ、それなら」
クラウスは急に閃いて、
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そう言った。
クラウスのその言葉にラウルは、はっとした顔をして、
「そうですね。あのアンナという女性は本当に特殊な能力を持っている感じでした。すぐに会いにいく準備をします」
そう言った。
だから、クラウスは、
「じゃあ、俺も一緒に行くよ」
そう言った。
するとラウルは嬉しそうに、
「クラウスが一緒に行ってくれれば凄く心強いです」
そう言った。
そして、2人は明日の朝、アンナに会いに行くことにした。
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