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番外編「幸せが溢れるように」(ラウル篇)
第15話「2人でハート村へ」
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ラウルとサリアはエデック国で結婚式を挙げることになった。
そして、勿論、サリアは結婚式を終えた後はエデック国で暮らすことになっている。
でも、ラウルとサリアはお互いの両親に結婚式を挙げる前にハート村へ1度、2人で行きたいと言い、ラウルとサリアの両親のどちらとも笑顔で行ってらっしゃいと言ってくれたので、ラウルとサリアは2人でラズベル国からハート村へ向かい、今、ハート村に着いたところだった。
ハート村に入った途端、サリアの目から自然と涙が溢れてきた。
そんなサリアに気づき、ラウルはサリアの肩を優しく抱いた。
「時間はそんなにも経っていないはずなのに何だか凄く懐かしい感じがするわ。この村に来るのが」
サリアは自分の肩を抱いているラウルの手にそっと自分の手を重ねてそう言った。
そして、2人はハート村でのサリアの両親が住んでいる、サリアが前まで住んでいた家に行った。
サリアがコンコンと家のドアをノックすると、
「はーい」
とサリアのハート村での母親の声がした。
そして、ドアが開いて、サリアの母親は2人を見て、驚いた顔をしたすぐ後で目に涙を浮かべて、
「サリア、ラウル」
嬉しそうに2人の名前を呼んだ。
「よくまたここに来てくれたわね。さあ、中に入って」
サリアの母親がそう言ってくれたので、2人は家の中に入った。
家の中に入るとラウルがこの家でお世話になっていた時によく4人で食事をしたテーブルに案内された。
そして、そこにはハート村でのサリアの父親がいた。
サリアの父親も2人を見て、驚いた後、すぐに目に涙を浮かべて、
「サリア、ラウル、よく戻ってきてくれた」
そう言い、椅子から立ちあがり2人を同時に抱きしめた。
その光景を見て、サリアの母親は、
「今日は2人がまたこの村とこの家に来てくれた凄く素敵な日だから、御馳走をつくらなきゃね」
嬉しそうにそう言った。
そして、ラウルとサリアは食事の時に2人に今まであったことを全て話した。
勿論、自分達がもうすぐ結婚するということも。
サリアの母親は2人が話をし始めた、最初の方から目に涙を浮かべていた。
「でも、本当に良かったわ。サリアが幸せそうで。ラウルのおかげね。ありがとう」
サリアの母親が話を全部聞き終わった後にそう言った。
「いいえ、僕の方こそこの村でサリアと出会ったからこそ、こんな風に好き同士でする幸せな結婚ができることになったんです。そして、それはサリアをこの村で大事に育ててくださったお2人がいたからです」
ラウルのその言葉に2人はもう目に涙を浮かべるだけではなくて、ぽろぽろと目から涙を零した。
「そんな風に言ってもらえて嬉しいよ。ラウルは本当にいい青年だね。良かったな。サリア」
サリアの父親がそう言い、サリアは嬉しそうにコクンと頷いた。
「それでですね、お二人にもぜひ、僕達の結婚式に出ていただきたいのです。勿論、迎えは用意しますし、泊まられる所も用意しますので」
ラウルがそう言った後、サリアの両親は顔を見合わせた。
そして、
「でも、私達は本当のサリアの両親ではありませんし……サリアのご両親はラズベル国の王様とお妃様で……庶民の私達が行ったら、失礼にあたるかと」
サリアの母親がそう言った。
その言葉にラウルは笑顔で、
「そんな心配は要りません。それにサリアのラズベル国のご両親もあなた方に凄く感謝していて、お会いしたいと仰っていました」
そう言った。
「そうなんですか? でも……」
まだ不安そうな顔でそう言うサリアの母親にサリアは、
「ね、お父さん、お母さん、2人も私の両親だって思ってるわ。だから、結婚式に絶対に出てほしいの。ラズベル国の私の両親も本当にそう願ってるから」
そう言った。
だから、サリアの母親は、
「そうなの。ありがとう。サリア、じゃあ、ぜひ、結婚式に出席させてもらいます。あなた、いいわよね?」
そう言い、サリアの父親も、
「ああ、勿論、本当にありがとう、サリア、ラウル」
嬉しそうにそう言った。
そんな2人を見て、ラウルとサリアはお互いの顔を見合わせて、凄く嬉しそうに笑った。
そして、ラウルとサリアはハート村に2泊して、ラウルはサリアをラズベル国へ送った後、エデック国へ帰り、結婚式に向けての準備をし始めた。
そして、勿論、サリアは結婚式を終えた後はエデック国で暮らすことになっている。
でも、ラウルとサリアはお互いの両親に結婚式を挙げる前にハート村へ1度、2人で行きたいと言い、ラウルとサリアの両親のどちらとも笑顔で行ってらっしゃいと言ってくれたので、ラウルとサリアは2人でラズベル国からハート村へ向かい、今、ハート村に着いたところだった。
ハート村に入った途端、サリアの目から自然と涙が溢れてきた。
そんなサリアに気づき、ラウルはサリアの肩を優しく抱いた。
「時間はそんなにも経っていないはずなのに何だか凄く懐かしい感じがするわ。この村に来るのが」
サリアは自分の肩を抱いているラウルの手にそっと自分の手を重ねてそう言った。
そして、2人はハート村でのサリアの両親が住んでいる、サリアが前まで住んでいた家に行った。
サリアがコンコンと家のドアをノックすると、
「はーい」
とサリアのハート村での母親の声がした。
そして、ドアが開いて、サリアの母親は2人を見て、驚いた顔をしたすぐ後で目に涙を浮かべて、
「サリア、ラウル」
嬉しそうに2人の名前を呼んだ。
「よくまたここに来てくれたわね。さあ、中に入って」
サリアの母親がそう言ってくれたので、2人は家の中に入った。
家の中に入るとラウルがこの家でお世話になっていた時によく4人で食事をしたテーブルに案内された。
そして、そこにはハート村でのサリアの父親がいた。
サリアの父親も2人を見て、驚いた後、すぐに目に涙を浮かべて、
「サリア、ラウル、よく戻ってきてくれた」
そう言い、椅子から立ちあがり2人を同時に抱きしめた。
その光景を見て、サリアの母親は、
「今日は2人がまたこの村とこの家に来てくれた凄く素敵な日だから、御馳走をつくらなきゃね」
嬉しそうにそう言った。
そして、ラウルとサリアは食事の時に2人に今まであったことを全て話した。
勿論、自分達がもうすぐ結婚するということも。
サリアの母親は2人が話をし始めた、最初の方から目に涙を浮かべていた。
「でも、本当に良かったわ。サリアが幸せそうで。ラウルのおかげね。ありがとう」
サリアの母親が話を全部聞き終わった後にそう言った。
「いいえ、僕の方こそこの村でサリアと出会ったからこそ、こんな風に好き同士でする幸せな結婚ができることになったんです。そして、それはサリアをこの村で大事に育ててくださったお2人がいたからです」
ラウルのその言葉に2人はもう目に涙を浮かべるだけではなくて、ぽろぽろと目から涙を零した。
「そんな風に言ってもらえて嬉しいよ。ラウルは本当にいい青年だね。良かったな。サリア」
サリアの父親がそう言い、サリアは嬉しそうにコクンと頷いた。
「それでですね、お二人にもぜひ、僕達の結婚式に出ていただきたいのです。勿論、迎えは用意しますし、泊まられる所も用意しますので」
ラウルがそう言った後、サリアの両親は顔を見合わせた。
そして、
「でも、私達は本当のサリアの両親ではありませんし……サリアのご両親はラズベル国の王様とお妃様で……庶民の私達が行ったら、失礼にあたるかと」
サリアの母親がそう言った。
その言葉にラウルは笑顔で、
「そんな心配は要りません。それにサリアのラズベル国のご両親もあなた方に凄く感謝していて、お会いしたいと仰っていました」
そう言った。
「そうなんですか? でも……」
まだ不安そうな顔でそう言うサリアの母親にサリアは、
「ね、お父さん、お母さん、2人も私の両親だって思ってるわ。だから、結婚式に絶対に出てほしいの。ラズベル国の私の両親も本当にそう願ってるから」
そう言った。
だから、サリアの母親は、
「そうなの。ありがとう。サリア、じゃあ、ぜひ、結婚式に出席させてもらいます。あなた、いいわよね?」
そう言い、サリアの父親も、
「ああ、勿論、本当にありがとう、サリア、ラウル」
嬉しそうにそう言った。
そんな2人を見て、ラウルとサリアはお互いの顔を見合わせて、凄く嬉しそうに笑った。
そして、ラウルとサリアはハート村に2泊して、ラウルはサリアをラズベル国へ送った後、エデック国へ帰り、結婚式に向けての準備をし始めた。
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