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第16話「あなたが愛してくれるなら」
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それから数日後、克己のお父さんは本当に学費や生活費を打ち切った。
次の分の授業料を払わず、そして、いつも克己に定期的に送ってきていた生活費も送ってこなかったのだった。
克己に会った時にそう打ち明けられた。
そして、今、私は克己のマンションにいた。
「真弥、俺、ここ出て行くから」
今、私達は床に座っていた。
克己は私を抱きしめている。
「ここ出てどうするの?」
「大学の友達がさ、事情を話したら、一緒に暮らそうって言ってくれたんだ。家賃は払える分だけでいいし、光熱費とかも払えるだけでいいからって。だから、甘えさせてもらって、大学へ行くのは今は無理だけど、これから、どうするか考えるよ。家になんて帰りたくないし」
「でも、そんなので大丈夫なの?」
「ああ。俺、必ず心理カウンセラーにもなってみせるよ。諦めなければ、きっと何でも叶うって信じてるから。だから、今は試練の時だって思っておくよ」
「克己……」
「それにさ、真弥が俺の傍にいてくれるなら、本当に何だって乗り越えられる気がするんだ」
「克己……」
「俺さ、本当に何があっても、頑張るし、夢叶えるから、真弥にはこのままずっと俺の傍にいてほしい」
そう言われた後、私は克己の背中に回していた手を更に強めた。
「うん。克己、克己が私をずっと愛してくれるなら、私はずっと克己の傍にいるよ」
私は本当に心からそう思い、そう言った。
だけど、現実は私達には甘くはなかった。
次の分の授業料を払わず、そして、いつも克己に定期的に送ってきていた生活費も送ってこなかったのだった。
克己に会った時にそう打ち明けられた。
そして、今、私は克己のマンションにいた。
「真弥、俺、ここ出て行くから」
今、私達は床に座っていた。
克己は私を抱きしめている。
「ここ出てどうするの?」
「大学の友達がさ、事情を話したら、一緒に暮らそうって言ってくれたんだ。家賃は払える分だけでいいし、光熱費とかも払えるだけでいいからって。だから、甘えさせてもらって、大学へ行くのは今は無理だけど、これから、どうするか考えるよ。家になんて帰りたくないし」
「でも、そんなので大丈夫なの?」
「ああ。俺、必ず心理カウンセラーにもなってみせるよ。諦めなければ、きっと何でも叶うって信じてるから。だから、今は試練の時だって思っておくよ」
「克己……」
「それにさ、真弥が俺の傍にいてくれるなら、本当に何だって乗り越えられる気がするんだ」
「克己……」
「俺さ、本当に何があっても、頑張るし、夢叶えるから、真弥にはこのままずっと俺の傍にいてほしい」
そう言われた後、私は克己の背中に回していた手を更に強めた。
「うん。克己、克己が私をずっと愛してくれるなら、私はずっと克己の傍にいるよ」
私は本当に心からそう思い、そう言った。
だけど、現実は私達には甘くはなかった。
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