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第71話「マンションで」
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倉崎さんと私がこの後のことを話し終わった後すぐに、
「じゃあ、行こうか」
と荒島部長が言った。
それは皆で帰るために駅に向かって歩こうかという意味だった。
だけど、その時、
「すいません、俺と野中さんはちょっと寄るところがあるので、ここで失礼します」
と倉崎さんが言った。
倉崎さんのその発言に荒島部長だけでなく、水野さん以外の皆が驚いた顔をした。
そして、湯野さんは倉崎さんを見て、切ない表情もしていた。
「何だ。もしかして、これから2人でデートか。まあ、金曜日だしな。じゃあ、俺達は行くから」
荒島部長がそう言った後、荒島部長を先頭に皆、駅の方へと歩き出した。
ただ、湯野さんは何度かこっちを振り返っていたけれど。
「じゃあ、俺達も行こうか」
倉崎さんが言った。
「え、はい。でも、今から何処に行きましょうか」
「もし、野中さんがいいなら、俺のマンションに来てくれないかな? ゆっくりと色々話したいんだ」
倉崎さんに誘われただけでも驚いたのに私は倉崎さんの今の言葉にさらに驚いた。
「倉崎さんのマンションですか」
「うん、勿論、嫌なら、他のところで全然いいんだけど」
「いえ、倉崎さんがいいなら行きます」
「本当? ありがとう。でも、実は電車に乗らなきゃ俺のマンションには行けないから、結局、俺達も駅に向かって歩かなきゃならないんだけどね。でも、そしたら、野中さんと2人きりになりにくいかと思って、この場所でわざと皆と別れたんだけど」
倉崎さんはそう言った後、じゃあ、俺達もゆっくりと歩いて駅に向かおうかと言ったので、私達も駅に向かって歩き出した。
倉崎さんのマンションは大阪駅から京都方面に向かう電車に乗って、3つ目の駅で降りて、駅から7分程歩いた場所にあった。
マンションの近くにはコンビニと少し離れたところにわりと大きいスーパーがあるらしく、結構、便利だと倉崎さんがマンションに向かう途中の道で言っていた。
そして、私は倉崎さんがこうしてマンションに誘ってくれるということは、少なくとも倉崎さんはまだ独身なんだと思い、正直、それを嬉しいと思った。
「入って」
倉崎さんのマンションは10階建てで、倉崎さんは6階の605号室に住んでいた。
「お邪魔します」
私はそう言い部屋の中に入らせてもらった。
部屋はモノトーンの家具でまとめられていて、無駄なものは一切なく、また、とても綺麗だった。
でも、つきあっていた頃も倉崎さんのところに行かせてもらった時はこんな風に綺麗だったなと思い出した。
そして、そんなことを思っていると、突然、後ろから倉崎さんに抱きしめられた。
「じゃあ、行こうか」
と荒島部長が言った。
それは皆で帰るために駅に向かって歩こうかという意味だった。
だけど、その時、
「すいません、俺と野中さんはちょっと寄るところがあるので、ここで失礼します」
と倉崎さんが言った。
倉崎さんのその発言に荒島部長だけでなく、水野さん以外の皆が驚いた顔をした。
そして、湯野さんは倉崎さんを見て、切ない表情もしていた。
「何だ。もしかして、これから2人でデートか。まあ、金曜日だしな。じゃあ、俺達は行くから」
荒島部長がそう言った後、荒島部長を先頭に皆、駅の方へと歩き出した。
ただ、湯野さんは何度かこっちを振り返っていたけれど。
「じゃあ、俺達も行こうか」
倉崎さんが言った。
「え、はい。でも、今から何処に行きましょうか」
「もし、野中さんがいいなら、俺のマンションに来てくれないかな? ゆっくりと色々話したいんだ」
倉崎さんに誘われただけでも驚いたのに私は倉崎さんの今の言葉にさらに驚いた。
「倉崎さんのマンションですか」
「うん、勿論、嫌なら、他のところで全然いいんだけど」
「いえ、倉崎さんがいいなら行きます」
「本当? ありがとう。でも、実は電車に乗らなきゃ俺のマンションには行けないから、結局、俺達も駅に向かって歩かなきゃならないんだけどね。でも、そしたら、野中さんと2人きりになりにくいかと思って、この場所でわざと皆と別れたんだけど」
倉崎さんはそう言った後、じゃあ、俺達もゆっくりと歩いて駅に向かおうかと言ったので、私達も駅に向かって歩き出した。
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マンションの近くにはコンビニと少し離れたところにわりと大きいスーパーがあるらしく、結構、便利だと倉崎さんがマンションに向かう途中の道で言っていた。
そして、私は倉崎さんがこうしてマンションに誘ってくれるということは、少なくとも倉崎さんはまだ独身なんだと思い、正直、それを嬉しいと思った。
「入って」
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「お邪魔します」
私はそう言い部屋の中に入らせてもらった。
部屋はモノトーンの家具でまとめられていて、無駄なものは一切なく、また、とても綺麗だった。
でも、つきあっていた頃も倉崎さんのところに行かせてもらった時はこんな風に綺麗だったなと思い出した。
そして、そんなことを思っていると、突然、後ろから倉崎さんに抱きしめられた。
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