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第49話「郁美さんとの再会」
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土曜日に長谷さんと一緒に行ったランチのお店の前で会った橋野郁美さんは雪人さんに凄く似ていて、私は雪人さんのような気がしてならなかったけど、確かめようもなく、そのまま数日間が過ぎていった。
そして、私はまた土曜日にこの間、長谷さんと一緒に行ったイタリアンのお店の近くにある雑貨屋さんにお母さんから頼まれたものを買いにいき、そこで偶然に橋野郁美さんに出会った。
今度は雪人さんに間違わなかったのは、郁美さんの方から私に声をかけてきて、この間、会った橋野郁美ですと自分から言ってきたからだった。
「こんにちは。またお会いするなんて偶然ですね」
私はやっぱりこの人、雪人さんに凄く似てるなと思いながらそう言った。
「本当ですね。今日はお一人ですか」
「はい、橋野さんもですか」
「ええ、ちょっとこのお店が気になって。今日、早苗は友達と会っているので、1人で来てみたんです。と言っても、早苗は何故か俺が1人で外出するの嫌がるんですけどね」
「え? もしかして何処かお身体でも悪いんでしょうか」
「いえ、前は結構な病気を患っていましたが、今ではすっかり治っています」
「そうですか」
病気だったところも雪人さんと一緒だなんて。
私は少し複雑な気持ちになりながら、橋野さんと話していた。
だけど、どうして、この間、橋野さんと一緒にいた早苗さんという女性は橋野さんが1人で外出するのを嫌がるんだろう。
少し前までご病気だったからだろうか?
「あの、全然、知らない方なのにこんなこと聞いて失礼かもしれませんが、この間、一緒にいた女性の方、早苗さんて方ですか? どういうご関係なんでしょうか」
私がそう聞くと橋野さんは一瞬だけ戸惑った顔をして、その後、
「俺の婚約者です。そして、3ヶ月後には結婚する予定です」
そう言った。
婚約者で、3ヶ月後には結婚する女性。
雪人さんではないのに私は何故かこの人の口からそう聞いてもの凄くショックだった。
私はこの人のことをまだ雪人さんかもしれないと思っているからかもしれない。
そう思った時、
「あの俺の方も失礼かもしれないお願いしてもいいですか。良かったら、このレストランに入るのつきあっていただけませんか」
橋野さんがそう言ってきたので、私は頷き一緒にイタリアンのレストランに入ることにした。
「実はこの間も入りたかったんですが早苗がもう別のお店を予約していたので。でも、いい雰囲気のお店ですね」
橋野さんが言った。
この前は何処となくクールな印象があったこの人だけど、話すと柔らかい。
こんなところも雪人さんに似ているなと私はまた思ってしまった。
「そういえば橋野さん、この前、このお店、懐かしい感じがするって言ってましたよね」
私がそう言うと、橋野さんは、ああっと笑って、
「はい、だから、来てみたんですけど、どうも懐かしかったのはこのお店ではなくて、イタリアンの食事の方です。実は俺、病気にかかって、良くなってから、あまり昔のことを覚えてなくて」
私は橋野さんのその言葉に驚いた。
「え? それって記憶喪失ってことですか」
「まあ、そんなとこみたいです」
私は橋野さんがそう言ったことで、もしかして、この人は本当に雪人さんじゃないかと思い始めてしまった。
勿論、今の時点ではこの人が雪人さんだということを立証なんてする方法がないし、また、それなら、どうして名前が違うのか、また、どうして早苗という女性と婚約しているのかも全然、解らないから。
だけど、私は何とかしてこの人が本当に橋野郁美さんという人なのか、本当は雪人さんではないということを確かめようと密かに決心していた。
そして、私はまた土曜日にこの間、長谷さんと一緒に行ったイタリアンのお店の近くにある雑貨屋さんにお母さんから頼まれたものを買いにいき、そこで偶然に橋野郁美さんに出会った。
今度は雪人さんに間違わなかったのは、郁美さんの方から私に声をかけてきて、この間、会った橋野郁美ですと自分から言ってきたからだった。
「こんにちは。またお会いするなんて偶然ですね」
私はやっぱりこの人、雪人さんに凄く似てるなと思いながらそう言った。
「本当ですね。今日はお一人ですか」
「はい、橋野さんもですか」
「ええ、ちょっとこのお店が気になって。今日、早苗は友達と会っているので、1人で来てみたんです。と言っても、早苗は何故か俺が1人で外出するの嫌がるんですけどね」
「え? もしかして何処かお身体でも悪いんでしょうか」
「いえ、前は結構な病気を患っていましたが、今ではすっかり治っています」
「そうですか」
病気だったところも雪人さんと一緒だなんて。
私は少し複雑な気持ちになりながら、橋野さんと話していた。
だけど、どうして、この間、橋野さんと一緒にいた早苗さんという女性は橋野さんが1人で外出するのを嫌がるんだろう。
少し前までご病気だったからだろうか?
「あの、全然、知らない方なのにこんなこと聞いて失礼かもしれませんが、この間、一緒にいた女性の方、早苗さんて方ですか? どういうご関係なんでしょうか」
私がそう聞くと橋野さんは一瞬だけ戸惑った顔をして、その後、
「俺の婚約者です。そして、3ヶ月後には結婚する予定です」
そう言った。
婚約者で、3ヶ月後には結婚する女性。
雪人さんではないのに私は何故かこの人の口からそう聞いてもの凄くショックだった。
私はこの人のことをまだ雪人さんかもしれないと思っているからかもしれない。
そう思った時、
「あの俺の方も失礼かもしれないお願いしてもいいですか。良かったら、このレストランに入るのつきあっていただけませんか」
橋野さんがそう言ってきたので、私は頷き一緒にイタリアンのレストランに入ることにした。
「実はこの間も入りたかったんですが早苗がもう別のお店を予約していたので。でも、いい雰囲気のお店ですね」
橋野さんが言った。
この前は何処となくクールな印象があったこの人だけど、話すと柔らかい。
こんなところも雪人さんに似ているなと私はまた思ってしまった。
「そういえば橋野さん、この前、このお店、懐かしい感じがするって言ってましたよね」
私がそう言うと、橋野さんは、ああっと笑って、
「はい、だから、来てみたんですけど、どうも懐かしかったのはこのお店ではなくて、イタリアンの食事の方です。実は俺、病気にかかって、良くなってから、あまり昔のことを覚えてなくて」
私は橋野さんのその言葉に驚いた。
「え? それって記憶喪失ってことですか」
「まあ、そんなとこみたいです」
私は橋野さんがそう言ったことで、もしかして、この人は本当に雪人さんじゃないかと思い始めてしまった。
勿論、今の時点ではこの人が雪人さんだということを立証なんてする方法がないし、また、それなら、どうして名前が違うのか、また、どうして早苗という女性と婚約しているのかも全然、解らないから。
だけど、私は何とかしてこの人が本当に橋野郁美さんという人なのか、本当は雪人さんではないということを確かめようと密かに決心していた。
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