「気になる人」

第４７話「行方知れずの雪人さん」

　雪人さんの連絡先が使用できなくなっていて、暫くの間、途方に暮れていたけど、私は上野課長に雪人さんのことを聞いてみることを思いつき、思い切って、上野課長に雪人さんのことを聞いてみることにした。。
　電話の方がいいかと思ったけど、とりえあず、メールを入れてみた。
　すると勤務時間にメールの返信が来て、上野課長も雪人さんのことで連絡が取れなくなり、今、会社の方で調べているとのことだった。
　雪人さん、体調が良くなったんじゃないの？
　一体、どういうことなの？
　私はそう思いながら、三山さんなら何か知ってるかと思い、仕事が終わり、自宅に帰ってからすぐにメールを入れてみた。
　すると夜ご飯を自宅で食べている時にメールの返信が来て、倉崎さんは退院したけど、会社には来ないで、そのまま退職して、日本に帰ったって聞いたから、もう野中さんはとっくに会ってると思ってメールをしなかったと返ってきた。
　え？　会社を退職？
　じゃあ、どうして上野課長はそのことを知らないんだろう。
　そして、日本に帰ってきたって本当なんだろうか。
　私は雪人さんが日本に帰ってきたことを確かめなければと思い、今度の金曜日の夜から東京へ日曜日の夕方まで帰ることにした。

　金曜日の夜、私は予定どおり、東京へと向かった。
　午後６時京都発の新幹線に乗ったから、自宅に着いたのは午後９時半を回っていた。
　両親には帰ることを伝えていて、また、雪人さんのことも伝えていたから、とても私のことを心配してくれた。
　自宅に着くとお母さんが私の大好物のお母さんの手作りのハンバーグをおかずとしたご飯を食べさせてくれて、その後、苺のショートケーキを食べて、お風呂も沸かしてくれて、その後は私の部屋に行き、１人でゆっくりとした時間を過ごした。
　ああ、やっぱり、実家はいいな。
　１人暮らしもだいぶ慣れたけど、今まで住んだことのない場所で、友達も近くにはいなくて、また、恋人の雪人さんも今、何だか不穏な感じで、私は少し心が疲れていたので、お母さんやお父さんが私のことを暖かく見守ってくれているということが今は凄く嬉しかった。
　そして、私は疲れていたのか知らない間にベッドでいつの間にか眠ってしまっていた。

　次の日、雪人さんがアメリカに行くまで住んでいたマンションを尋ねた。
　だけど、管理人さんに聞くとそのマンションは１ヶ月程前に雪人さんの代理人だという人が来て、契約を解除したとのことだった。
　また、代理人は３０代前半くらいのスラっとした背の高い男性だったという。
　雪人さんの次の行先は管理人さんは聞いていないとのことだった。
　私は雪人さんがこのマンションをすでに契約を解除していたことで今度こそ本当に途方にくれた。
　雪人さん、一体、あなたは今、何処で何をして、何を思っているんですか？