「気になる人」

第４６話「雪人さんと繋がれなくて」

　日本に帰って暫くして、山岸さんのことも調べてあげると言ってくれた三山さんから、山岸さんについて解ったという内容のメールが届いた。
　そのメールの内容は以前、山岸さんは雪人さんと一緒の職場にいた時にもの凄く雪人さんにアプローチをかけていて、雪人さんは断っていたらしいけど、ある日、突然、何でこんなに想っているのに駄目なのよと逆ギレして、職場で雪人さんにカッターを向けて傷つけようとしたらしく、雪人さんに怪我はなかったけど、山岸さんは問題視され、厳重注意を上司から受けた後、わりとすぐに職場をやめてしまったらしい。
　そして、その後、雪人さんが高熱を出して、重たい病気にかかり、入院したことを何処かで聞きつけ、病院の人を上手く丸め込み、雪人さんの高熱が続いて、雪人さんが何も言えないのをいいことに雪人さんの病室に入り、色々なことをしていて、雪人さんの携帯電話なども勝手に触っていたとのことで、もしかして、私に雪人さんから変な内容のメールが届いていたのなら、山岸さんが送ったのかもしれないということだった。
　私はこのメールを読んで、じゃあ、もしかして、病院に行った時、私のことはすでに知っていて、雪人さんに会わせたくないから、診察中で病室にいないって言ったんだろうか。
　また、最初から私には連絡はしないつもりで、怪しまれないために私と連絡先を交換したんだろうか。
　そんなことを思った。
　でも、雪人さんが病院を移ったのは本当みたいだから、様態が悪化したというのは本当だったんだよね。
　私はそう思いながら、メールの続きを読んだ。
　するとそこには、今は雪人さんの体調は良くなり、もうすぐで退院するみたいだと書いてあった。
　私はそのことを知り、凄く嬉しかった。
　良かった。本当に良かった。
　でも、良かったと思った後、それなら、どうして、私には連絡をくれないんだろうとも思った。
　もし山岸さんが雪人さんのふりして、私に別れようというあのメールを送ってきたのだとしたら、雪人さんはあれは違うよって送ってきてくれると思うのに。
　まあ、いいや。元気になったのなら、１度、私から雪人さんにLINEでも送ってみよう。
　私はそう思いながら、三山さんに色々と教えてくださり、ありがとうございますとメールを返した。

　私は三山さんからメールをいただいた日の夜、早速、雪人さんにＬＩＮＥをすることにした。
　だけど、私が知っている雪人さんのＬＩＮＥはもう使用されていなかった。
　それなら、電話してみようと思い、電話しても、現在その番号は使われておりませんという
アナウンスが流れてくるだけだった。
　私は電話番号すら使われていないことに愕然としたけど、もうそれ以上、どうすることもできずにいた。