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第29話「約束」
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私は京都では会社が借りてくれたマンションに1人暮らしをすることになっていた。
マンションは会社の最寄駅から大阪方面に3つ行ったところにあり、近くにスーパーやコンビニがあって、わりと便利そうなところだった。
仕事の関係などで私は手が回らず、事前に必要な荷物などの手配は両親に頼んでいたので、私はマンションに来るのは初めてだった。
「へー、結構いいマンションだな」
雪人さんが部屋の中に入って言った。
「ええ、本当。ちょっとほっとしました」
「ああ、会社が借りるマンションってどんなんだろうって思ったりするよな」
「はい、それに私、前もって見に来れてなかったんで。お母さんからは綺麗なマンションだったわよとは聞いてはいたんですが。でも、本当にそのとおりで良かったです」
「そうだな。俺もちょっとほっとしたよ。あまり寂し気なところでもないみたいだし。でも、女性の1人暮らしだから十分に気をつけてな」
「はい、ありがとうございます」
「じゃあ、必要な荷物だけ出して、整理して、その後は少しゆっくりしようか」
「はい」
そして、私達は段ボールに入ったままの荷物を開けて、まずは毎日、使いそうなものを整理した。
それから雪人さんが言ったとおり、さっきスーパーで雪人さんが買ってくれたシュークリームと私がこのマンションで初めて淹れたコーヒーを食べて飲んで、くつろいだ。
「美春、もし明日、美春が良かったらなんだけど、せっかくだから、京都の有名な場所でも行かないか」
「雪人さん」
「暫くは会えないと思うから、まずは楽しい思い出をつくって、会えない間、そのこと思い出して、美春に会えるまで頑張りたいなと思って」
私は雪人さんのその言葉が凄く嬉しくて、はいっ、勿論ですと強い口調で返事をした。
次の日、私と雪人さんはこれから私が暫くの間、住むマンションからわりと近いところにある、八坂神社に行くことにした。
八坂神社があるところは個人のお店が電車の駅から行く道に沢山あり、また、商店街もあった。
京都なので、和を感じるお店もたくさんあった。
「何かやっぱり、この道の雰囲気とか京都って感じがするな」
雪人さんが言った。
「本当ですね。でも、何かお店とか見てると楽しいです。私、結構、和を感じるような可愛い小物とか好きなんです」
「じゃあ、後で何か買ってあげるよ」
「え? そんな悪いです」
「いいの。でも、それを見て、会えない間、俺のこと思い出してくれたら嬉しいかな」
「雪人さん」
それから、私達は八坂神社に行き、お参りをして、その後、歩いている時に偶然見つけた、和食のお店に入って、昼食をとり、そして、今、雪人さんが言ってくれたように和を感じられる可愛い小物などがたくさん売っているお土産屋さんに入り、私は雪人さんに買ってもらう小物を選んでいた。
「色々可愛いものがあって迷います」
私は今、小銭入れを見ていた。
ちりめんでできていて、このお店には10種類以上の模様のものがあり、小銭入れなら、普段も持ち歩けていいなと思うものの、どの模様のものにするか決められないでいた。
だけど、雪人さんをあんまり長く待たせるわけにもいかないので、全体的にはピンクで、そこに鳥居ときつねが描いてあるものが珍しい模様だと思ったので、それにすることにした。
雪人さんに言うとすぐに買ってくれて、プレゼント用にもしてくれて、お店を出た後すぐに私にプレゼントしてくれた。
「ありがとうございます。絶対に大切にします」
私がそう言うと雪人さんは優しい笑顔を私に向けてくれた。
私は雪人さんと今日、ずっと一緒に過ごしながら、ああ、雪人さんとのお別れの時間がいつまでも来なければいいのになと思っていた。
だけど、勿論、時間は止まってはくれず、とうとう雪人さんともうすぐでお別れの時間になった、
だから、私達は京都駅の東京行きの新幹線などが来るホームにいた。
「雪人さん、わざわざ京都まで一緒に来てくれて本当にありがとうございました」
私がそう言うと雪人さんは他にたくさんこのホームには人がいるにも関わらず、私を抱きしめた。
「雪人さん?」
「絶対に美春が1年後には東京の本社に戻れるようにするために俺も頑張るから」
「雪人さん」
「だから、美春も頑張ってな。後、来月、クリスマスあるだろ」
そう、今は11月の中旬で、少しずつクリスマスを感じるようなライトアップだったりが、東京でも、この京都でも出てきていた。
「はい、あります」
「美春と初めてのクリスマス、今年、一緒に過ごしたいから、その時、俺がこっちに来るよ」
「雪人さ
「その時は俺がちゃんといいホテルも予約するから、そこに泊って、恋人同士らしいクリスマスを過ごそう。約束な」
そう言い雪人さんは更に強く私を抱きしめた。
そして、その数分後に雪人さんが乗る東京行きの新幹線が来て、雪人さんは東京へ帰ってしまった。
私は雪人さんが東京へ帰ってしまった後、寂しい気持ちが勿論、強かったし、明日から勤務する職場への不安も正直あった。
だけど、雪人さんが東京へ帰る直前に京都駅のホームでクリスマスの約束のことを思い出し、クリスマスにはいい報告をできるように頑張ろうとも思っていた。
マンションは会社の最寄駅から大阪方面に3つ行ったところにあり、近くにスーパーやコンビニがあって、わりと便利そうなところだった。
仕事の関係などで私は手が回らず、事前に必要な荷物などの手配は両親に頼んでいたので、私はマンションに来るのは初めてだった。
「へー、結構いいマンションだな」
雪人さんが部屋の中に入って言った。
「ええ、本当。ちょっとほっとしました」
「ああ、会社が借りるマンションってどんなんだろうって思ったりするよな」
「はい、それに私、前もって見に来れてなかったんで。お母さんからは綺麗なマンションだったわよとは聞いてはいたんですが。でも、本当にそのとおりで良かったです」
「そうだな。俺もちょっとほっとしたよ。あまり寂し気なところでもないみたいだし。でも、女性の1人暮らしだから十分に気をつけてな」
「はい、ありがとうございます」
「じゃあ、必要な荷物だけ出して、整理して、その後は少しゆっくりしようか」
「はい」
そして、私達は段ボールに入ったままの荷物を開けて、まずは毎日、使いそうなものを整理した。
それから雪人さんが言ったとおり、さっきスーパーで雪人さんが買ってくれたシュークリームと私がこのマンションで初めて淹れたコーヒーを食べて飲んで、くつろいだ。
「美春、もし明日、美春が良かったらなんだけど、せっかくだから、京都の有名な場所でも行かないか」
「雪人さん」
「暫くは会えないと思うから、まずは楽しい思い出をつくって、会えない間、そのこと思い出して、美春に会えるまで頑張りたいなと思って」
私は雪人さんのその言葉が凄く嬉しくて、はいっ、勿論ですと強い口調で返事をした。
次の日、私と雪人さんはこれから私が暫くの間、住むマンションからわりと近いところにある、八坂神社に行くことにした。
八坂神社があるところは個人のお店が電車の駅から行く道に沢山あり、また、商店街もあった。
京都なので、和を感じるお店もたくさんあった。
「何かやっぱり、この道の雰囲気とか京都って感じがするな」
雪人さんが言った。
「本当ですね。でも、何かお店とか見てると楽しいです。私、結構、和を感じるような可愛い小物とか好きなんです」
「じゃあ、後で何か買ってあげるよ」
「え? そんな悪いです」
「いいの。でも、それを見て、会えない間、俺のこと思い出してくれたら嬉しいかな」
「雪人さん」
それから、私達は八坂神社に行き、お参りをして、その後、歩いている時に偶然見つけた、和食のお店に入って、昼食をとり、そして、今、雪人さんが言ってくれたように和を感じられる可愛い小物などがたくさん売っているお土産屋さんに入り、私は雪人さんに買ってもらう小物を選んでいた。
「色々可愛いものがあって迷います」
私は今、小銭入れを見ていた。
ちりめんでできていて、このお店には10種類以上の模様のものがあり、小銭入れなら、普段も持ち歩けていいなと思うものの、どの模様のものにするか決められないでいた。
だけど、雪人さんをあんまり長く待たせるわけにもいかないので、全体的にはピンクで、そこに鳥居ときつねが描いてあるものが珍しい模様だと思ったので、それにすることにした。
雪人さんに言うとすぐに買ってくれて、プレゼント用にもしてくれて、お店を出た後すぐに私にプレゼントしてくれた。
「ありがとうございます。絶対に大切にします」
私がそう言うと雪人さんは優しい笑顔を私に向けてくれた。
私は雪人さんと今日、ずっと一緒に過ごしながら、ああ、雪人さんとのお別れの時間がいつまでも来なければいいのになと思っていた。
だけど、勿論、時間は止まってはくれず、とうとう雪人さんともうすぐでお別れの時間になった、
だから、私達は京都駅の東京行きの新幹線などが来るホームにいた。
「雪人さん、わざわざ京都まで一緒に来てくれて本当にありがとうございました」
私がそう言うと雪人さんは他にたくさんこのホームには人がいるにも関わらず、私を抱きしめた。
「雪人さん?」
「絶対に美春が1年後には東京の本社に戻れるようにするために俺も頑張るから」
「雪人さん」
「だから、美春も頑張ってな。後、来月、クリスマスあるだろ」
そう、今は11月の中旬で、少しずつクリスマスを感じるようなライトアップだったりが、東京でも、この京都でも出てきていた。
「はい、あります」
「美春と初めてのクリスマス、今年、一緒に過ごしたいから、その時、俺がこっちに来るよ」
「雪人さ
「その時は俺がちゃんといいホテルも予約するから、そこに泊って、恋人同士らしいクリスマスを過ごそう。約束な」
そう言い雪人さんは更に強く私を抱きしめた。
そして、その数分後に雪人さんが乗る東京行きの新幹線が来て、雪人さんは東京へ帰ってしまった。
私は雪人さんが東京へ帰ってしまった後、寂しい気持ちが勿論、強かったし、明日から勤務する職場への不安も正直あった。
だけど、雪人さんが東京へ帰る直前に京都駅のホームでクリスマスの約束のことを思い出し、クリスマスにはいい報告をできるように頑張ろうとも思っていた。
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